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ロシアW杯とNBA

7/15にフランスの20年ぶりの優勝で幕を閉じたロシアW杯。普段サッカーにあまり興味がない方でもここぞとばかりに夜更かししてTVにかじりつき、眠い目をこすりながら翌朝出社、そこで再び興奮がよみがえり試合について講釈を垂れ続け仕事にならなかった、と言われて身に覚えのある方はいませんか?

わたしはもっぱらダイジェスト専門で、日本戦も一部の試合しか観戦しませんでした。
眠かったです。

今回のW杯でわたしが気づいたことは、クリスティアーノ・ロナウドもさすがにちょっと老けたな、ということです。次点としては、毎回何かしらユニークな話題を提供してくれるマラドーナが今回も一騒動起こし、コンプライアンスに染まった歴戦の”スター”たちとの格の違いをまざまざと見せつけてくれたことです。

ちなみにわたしの優勝予想はロシアでした。名だたる列強が揃う中、自国開催でなければ出場できたかどうかも疑わしい雪国をあえて選択したのは”逆張り”が最も有効だと判断したからです。賭けをしていたわけでもないしお気に入りのチームがあるわけでもない、失うものは何もない状況。だとしたら、仮に有力候補をピックアップしたところで熱が入らないしましてやたとえ彼らが優勝しても何の記憶にも残らない。だが万が一下剋上が起き、自分がそれを的中させたとしたら、その戦果は4年後に開催される次回W杯、いや8年後、12年後までネタとして語り継ぐことができるかもしれない、、、という狭量な心情からのロシアでした。なお、ロシアのFIFAランキングが出場国最下位の70位だという事実は彼らが敗退したあとに知りました。
わたしのロシアW杯にかける情熱(の低さ)を理解していただけましたでしょうか?

いきなり500字にもわたる余談を語ったところで本題に入ります。
今回のW杯のホットトピックのひとつとして、イングランドの躍進があげられます。最終的には4位という好成績を収め、ストライカーのハリー・ケインは得点王となりました。下馬評が決して高かったわけではなく日本人の立場からすると地味に消えていった印象ではありますが、28年ぶりの準決勝進出に本国は大いに盛り上がっていたようです。
彼らはセットプレーを得意とし、今大会でも総得点11のうち8点はセットプレーによるものでした。
もちろんこれはたまたまではありません。監督のサウスゲート氏は今回の大会である特徴的な戦術を採用していたのです。

「ピックアンドロール(P&R)」
この言葉を聞いたことがあるかたはどれくらいいらっしゃるでしょう?
P&Rとはバスケットボールの戦術のひとつで、オフェンス側のボールを持たないプレイヤーが体を張ってディフェンダーの進路を塞ぎ(スクリーンプレー)、オフェンススペースを作るというものです。詳しくはGoogleで検索してください。
ピックアンドロールはアメリカのプロバスケットであるNBAをはじめ、洋の東西を問わず世界各国どこにでも当たり前のように用いられていて、日本のミニバスケットでさえ見かけられる基本戦術です。しかし、サッカーとなると話は別。
わたしが伝えたいのは、サッカーとバスケという同じスポーツというジャンルにあり、かつまた似通ったゲーム性を持つ非常に隣接した両者の間でさえTTPが成立しているということです。たとえ主戦場となる業界では基礎的かつ古典的な手法でも、隣の芝生に持ち込めば斬新で敵を翻弄する戦術へと生まれ変わるということの証明に他なりません。
※TTP=”徹底的にパくる”の略語。

バスケットボール解説者のクリス・ササキさんが7/5に自身のtwitterで以下のような発言をしています。

このように、高度に体系化されたプロスポーツの世界でも、自分たちがもっと強くなるため、もっとファンを増やすため常に内外にヒントを求め他者に学んでいるのです。わたしたちが慣れ親しんだ日本のプロ野球だって、子供のころと比べるとルールやゲームの進め方、用いる道具、はたまた宣伝手法までちょっとずつ違っていますよね。

ヒントはいくらでも転がっています。

意識すればだれでもきっときっかけは見つけられるはず。

でも実際に行動に移す人はまれ。ほんの数%。

自覚無自覚関わらず、所属する業界や組織の文化は成熟しきって変化に乏しいという思い込みは捨てましょう。

今、われわれに必要なのはTYなのです。

そのTYがもし新しいことへのチャレンジであればなおよし。ビジネスチャンスが広がるかもしれません。たとえ失敗したとしても貴重な経験となって将来役立つはずです。 だとしたらやることはひとつですね。
※TY=”とりあえずヤル”の略語(造語)。

参考文献:


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