年末年始鬼フィードバックのすべてをお話しします。
みなさんこんにちは、行武(ゆくたけ)亜沙美(@OTASM9)と申します。
普段は
✅ワークキャリアという教育事業のマネージャー
✅コワーキングスペース運営
✅図解制作など情報整理の仕事
などを生業としているパラレルワーカーです。
私にはここ最近、ずっと抱えていた悩みがありました。それは
「デザイナーさんですよね?」
と聞かれること。作品柄デザイナーに分類されることがあるのですが、これまで胸を張って「デザインが得意です」と言う自信がありませんでした。
せっかくならもっとスキルアップしたい。
そう思っていたら、
チャンス、きた。
運良くたくさんの応募者の方から選んでいただき、私の年末年始はデザインに捧げる運びとなりました。
と、いうことでここからは年末年始鬼フィードバックの全貌を大公開します。
それはもう、ガッチガチのおっに鬼で。
<最悪のお客さん目線で考える>
今回のお題は前田デザイン室の前田さん(@DESIGN_NASU)
とレタッチャー大谷キミト(@niepce356)さんによるトークイベント「まえだとキミトの鬼フィーFES」のバナー。
まずはイベントの情報を確認します。
イベントタイトル:まえだとキミトの鬼フィーFES
主催:株式会社NASU
日時:1月26日(日曜日)15-17時
会場:T4大阪 2Fラウンジ
会費:4000円
定員:30
バナーサイズ:920*450px(peatix イベントバナーサイズ)
その後伝えるべきことと、どんなテイストで作るか考えました。
<伝えるべきこと>
・フィードバックしてもらえる=BEFORE&AFTERが感じられる
・何が飛んでくるかわからないワクワク感
・祭のテンション
<想定したテイスト>
・「勢いと迫力」を感じさせるビジュアル
・コントラスト強め
・FUJIROCKみたいな感じ?
・60年代っぽい雰囲気?(FES感)
・勢いを見せるために筆文字使いたい
これをヒントに作った1枚目がこちらです。
これは!という筆文字フォントがあってうれしい。けど色、多すぎるかなあ。バラエティ番組っぽい感じを出したくて写真の加工も強めにしてみました。
▼ここから鬼フィードバックスタート
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前田さん:
エンタメ感、若干メジャー感感じていいと思うけど、大事な情報が伝わってないかも。最悪のお客さん目線になってみて。勢いはあるけどなんだかよくわかんない気がする。
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普段やっているはずのことができていなくて愕然…
「全部入れるとごちゃつくから削っちゃおう」
「詳しいことは本文で読んでもらおう」
という私の甘いところが全面的に出てしまっています。
最悪なお客さんメモ
┗無関心(引っかからない)
┗何時からなの?いくらなの?→会費、時間も入れる
┗何のフィードバックなの?→写真・デザイン
┗初心者はだめなの?→「駆け出し」の記述?
┗この2人はどんな人なの?
<ゲシュタルト崩壊してくる>
フィードバックのあと、「情報量を増やすこと」「きて欲しい人に伝わること」を意識して2枚目を制作しました。
情報が多いと視線が散らかりそうだったので、文字が多い部分はブロックに納めるように配置しています。
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前田さん:
情報を足すのは考え方のひとつとして正しいんだけど、ビジュアルの力で解決できたら最高かな。
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ああ、もう、これに関しては
「ですよね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
としか出てきませんでした。
当たり前です、私は今、デザインをしているのだから。
ではビジュアルで情報が伝わるにはどうしたら良いか。特に伝えたいのは「単なるトークイベントでなくフィードバックが受けられる」ことです。
BEFORE&AFTERを一眼で伝えるために、実際の作品を並べてみた3枚目がこちら。(画像は仮)
もうこのあたりで、バナーがゲシュタルト崩壊してきました。ワケが分からなくなり、初めのテイストに逆戻りする始末。
突破口がみつからず、前田さんに泣き付きました。
そしてこの後の前田さんのフィードバックで方向性が大きく変わります。
<鬼、爆誕>
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前田さん:
鬼のお面👹のイラストとか。色は朱色、白とスミをつかうとか。
あれは?書き初めの書道に、習字の先生が、朱色の墨汁で直し入れてる感じ
フィードバックとかけて。
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書き初めの朱入れ…なんて鮮やかな解決方法なんでしょう…
「駆け出し感」も「フィードバックを受けられる」こともこれ1つで解決できる。しかも、年始感まで出る。
デザインって最大公約数を見つけることなんですね。
前田さん、なんてスマートな方なんだ、すごい。(語彙)
(唯一フォントを褒められてうれしい)
ここからはPinterestでひたすら鬼の画像を探します。
途中で「2人のトークイベントだし、鬼も2人1組だとすてきだな」と思って風神雷神のイメージに近づけることにしました。
iPadを出動させてとにかく手書きで描いてみる。
うん、ないものは作ればいいんや!
ということで、出した4枚目がこちらです。
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前田さん:
おお、いいね!
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いいね、いただきました…!
結局突破口が私の中から出ず悔しい限りですが、これで方向性が決まりました。
さあ、これであとはフィニッシュワークですね、わかります。
なぜなら私は鬼フィードバックの申し子、パン子さんの記事を穴が開くほど読んだからです。
文字間調整します!写真サイズ調整します!完成までもうちょっと!
<やばい、フォントが使えない>
みなさん、覚えていらっしゃいますか。
私が唯一残してきた要素である筆文字を。
前田さんにも褒めてもらった筆文字を。
夜中にふと利用規約を見返していたら、
あれ…このフォント、使っちゃだめじゃん…
褒められたところ、なくなっちゃった…
(もう1回泣き付きました)
そんなこんなでフォントを変えて作った5作目がこちらです。
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前田さん:
え、企画変わってこないそれ。似たようなのないの?
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「ですよね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」(2回目)
このピンチを30代半ばの私は、学生時代できなかった手段で乗り越えました。
その手段とは、
課金です。
<はじめてのフォント購入>
過去こんなに筆文字のフリーフォントを検索したことがあったでしょうか。
思ったより世の中に筆文字フォントは少なく、どれもはじめにつかったものの力強さには敵いませんでした。
かといってイメージに合う有料フォントは結構なお値段で購入する勇気がでません。
▼使いたかった忍者フォント(34,000円)
(出典:白舟書体)
そんな私を救ってくれたのが逸筆市場さん。まさに使いたかった忍者フォントをバラ売りしてくれるサービスを発見…!
光の速さで買いました。
フォントをリニューアルして作った6作目がこちらです。
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前田さん:
おお、かっこいい!
もじどうしたのこれ?
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なんとかピンチを切り抜けたようです…
みなさんいいですか。
フォントは、とても大事なものです。
規約を確認するのも、同じくらい大事なことです。
1日で2つも賢くなりました。
…ただ私、フォントを買ったことにちょっとだけ後ろめたさがあったんです。「本当は自分で書いた方がよかったのかな」とか「大袈裟だったのかな」とか。
嘘をついてもしょうがないので課金を白状したところ
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前田さん:
すばらしい
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ほっとしました。
フォントって、必要なものなら買って良いんですね。
<やっとたどり着いたフィニッシュワーク>
さあお待ちかね、やっとフィニッシュワークの時間です。
ここからは微調整の嵐なので、フィードバックと微妙に変化するバナーをお楽しみください。
▼ここからスタート
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前田さん:
タイトルもっとガツンと大きく顔にかかってもいいくらい。
日付と場所は小さくていい。あと「まえだたかし」で
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①そのまま修正したもの
②写真にかぶっているところだけ白のフォントを重ねたもの
③中央の空間が気になるので腕があるバージョン
④腕なし赤入れバージョン
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前田さん:
「祭」は頭の後ろに、読めなくてもいいけど想像できる範囲で。
真ん中の赤丸いらない
日付、場所が入ってるところに筆文字で「レタッチ&デザイン」っていれてみたい。
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前田さん:
フォントはまだ届いてないから、真ん中あいてるのね。
キミトさんの左肩、背中、ぶつ切りなのフォトショで描いて
タイトル、朱書き直し入ってるほぅがよかった!
キミトさんちょいでかくしたほうがまえだとのバランス取れる気がする
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前田さん:
・FEED BACK FESはちょい小さく
・キミトさん側の鬼、ちょっと大きくできないかな?
・2020.01.16→1.16でかくでいいかも
・デザインの上空いてるところに朱色の3重丸 圧迫感ない感じで入れてみて欲しい
・タイトルの朱書きって墨と重なってるところ、チョットだけ透かしたらおかしい?
・あと日付の後曜日の(日)いれたい!
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①透かしあり
②透かしなし
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前田さん:
透過ありでいきましょう。
あと微調整、「キミト」が開きがちにみえるので、ちょいつめぎみに
文字間すべて同じかんかくにみえるように。タイトルは不揃いな感じ残した方がいいかも。
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前田さん:
あと納品でオッケーです。おつかれさまでした!
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と、とうとう鬼フィードバック、終了です…!!!!!!!
(お付き合いありがとうございました)
<私が鬼フィードバックで得たこと>
大人になって本気で教えてもらえる環境は、意識しないと手に入らないものです。
普段は教育事業に携わっているので、大部分が教える側。久しぶりにフィードバックをもらう立場になり、この年末年始は毎日たぎってしょうがありませんでした。
【私が手に入れたもの】
・連想のバリエーションを持つ必要性(例:書き初めの朱入れ)
・デザインに意味のない要素を使わないストイックさ
・フォントの利用規約はよく読むという危機感
・必要なフォントは買っていいという安心感
・使ったことないもの(Photoshop)も問答無用でチャレンジする精神
・「まだ直せる」と食らいつく気持ち
・フォントを大事にする気持ち
そしてポジティブすぎるかもしれませんが、
「え、私ノビシロしかないやん」
という気づきが、今回一番の収穫だったかもしれません。
丁寧なフィードバックをくださった前田さん、バナー制作を快くOK出してくださった大谷さん、今回は貴重な機会を本当にありがとうございました!
そしてこの記事を読んでくださった皆さん。
こんなに贅沢なフィードバックを受けられるイベントが、1月26日に大阪で開催されます。それは
まえだとキミトの鬼フィーFES(Peatixのページに飛びます)
年末年始フィードバックの偉大さを痛感した私が、このイベントを全力でお勧めします。
偉大なる先輩方の胸を借りて、2020年は一皮も二皮も剥けましょう!!!あ〜〜〜〜楽しかった!!
最後に一番うれしかった前田さんからのコメントでお別れです。
私も最高でした!ありがとうございました!!
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前田さんが運営するコミュニティ「前田デザイン室」
https://community.camp-fire.jp/projects/view/66627
前田さん発端でできたコミュニティ「青山ブックコミュニティ」
https://community.camp-fire.jp/projects/view/207496
大谷さんのレタッチ技術満載のnote
https://note.com/ret
行武のブログ
https://zukaiya.com/
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