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「文化と教育の地域格差」について考えたこと

ちょっと前に、ネット上でこんな記事が話題になっていました。

よく言われる教育の格差の問題は、「親の年収(貧富の差)によって子どもの教育の機会に差が生じている」というものですが、筆者は、住んでいる場所の違い(都会か田舎か)による格差もある、と主張しています。

田舎では貧富にかかわらず、人びとは教育や文化に触れることはできない。たとえば、書店には本も揃っていないし、大学や美術館も近くにない。田舎者は「金がないから諦める」のではなく、教育や文化に金を使うという発想そのものが不在なのだ。見たことがないから知らないのである。

地方の田舎で育った後、大学進学を機に地元を離れ、首都圏(さいたま市)で社会人生活を送った私としては、「うんうん」と頷くことの多い記事でした。

私はもともと旅行などをあまりしない家庭で育ち、高校卒業のタイミングで実家を離れるまで県外へ出かけたことはほとんどありませんでした。なので、都会の世界に足を踏み入れた時は相当カルチャーショックを受けました。

地方に戻ることを選んだ今でも、都会のココは良かったな~と思うのが次の2点です。

①都会は、書店や図書館の蔵書が田舎と比べて段違いに多い。
 書店は店舗数・規模・品揃えがまったく違いました。都会の大型書店では「世の中にこんな本や雑誌があったのか!」という驚きがあり、学生時代は書店に行くと、1回に4~5冊は本をまとめ買いしていました。
 また、以前住んでいたさいたま市は図書館の蔵書も充実していて、読みたい本はたいてい図書館で借りられました。
 今は、ネット書店で本を買うことが多いですが、「ちょっと中身を確認してから購入するかどうかを決めたい」と思ったときに、田舎にはそういう場がないのが悩みどころです。

②都会では、おもしろい人の話を直接聞ける場が多い。
 都会では、著名な研究者や本を出版している人の話を聞く機会がたくさんありました。本やインターネットなどの文字を通じて受け取る情報と、生で話しを聞くのとでは、やはり受け取る情報に差があり、とても刺激を受けることが多かったです。
 また、都会は電車等の交通手段も発達しているので、そうした場にアクセスしやすかった、という要因もあります。

個人的には、これらの2点を地方でも実現できる(都市化を目指す、ということではなく、こういう機能をもつ場を地方につくるという意味です)と、住んでいる人の幸福度・暮らしの満足度がけっこう上がるのではないかと思っています。
観光振興や交流人口を増やすといった地域の外を向いた政策よりも、よっぽど地域活性化につながるのでは、と思ったりもするので、今すんでいる地域でおもしろい教育環境をつくる、というのが当面の目標になっています。

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