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留置所日記6/4

朝から病院に行った。とても素敵な先生だった、ひとりひとりの話をしっかり聞いて、薬を出すだけではなく、向き合ってくれるタイプの先生だった。「今日は薬の話ばっかりでごめんね」と言われた。
その言葉だけで少し心が軽くなった。

昨夜は突然泣き出してしまい、そのまま一時間程格闘した。声を出してはいけないので声を殺し、暴れだしそうになる体を何とかおさえつけ、震えながらただ必死に耐える。地獄のような時間。過去にもあったが、こんなにひどいのは初めてだった。
結局涙が枯れてしまい、そのままフェードアウトで落ち着いたが、かと言って眠れる訳でもない。いつまでも、ただ壁を見つめるだけの数時間。気づいたら起床時間で、朝からまた頭が痛い。食欲もないし、味もしない。思っていたよりストレスなのだろう。

昨夜、寝具を用意したあと弁護士がきた。確かに言ってみてくれとは伝えたけれど、本気で何とかしてもらおうと頼んだわけではなく、大人しく入ってろと笑ってくれないかとか思ったりしていた。なのに「相方さんが住居と保釈金をなんとか用意できるかもと言っている」と言われたので、「いや落ち着けよ」となった。用意しようとするな、無茶しようとするな。笑
確かにここにきて1週間が経ち、昨夜のこともあるしかなり精神的にきてはいるのだろう。でもそんな中にも自分なりに楽しみを見出しているし、そんなに無茶をしてもらう必要はないよ。ちゃんと薬は飲めているかと心配してくれていたそうな。今日からはきっと、少しはマシになると思うよ。何から何まで、いつもありがとう。
出来れば笑い話にしててくれと伝えてもらうように言ったが、自分の件に関して頭を使わせてしまってなければ良いなと願うばかり。
結局、母親に連絡してもらって、保釈金と住居、その後の監督を頼んでみることにした。

差し入れでもらった「いっしょにいさせて」という本は、母親の大好きな猫の写真に、聖書の言葉が添えてあるものだった。内容を今さっき見たが、「ほらな」とい感じ。彼女は神様を愛し、神様に愛されているのだ。素敵な人だ、ずっと、その大きな愛を持ったままでいてください。
差入れの本はもう一冊あって、住野よるの「また、同じ夢を見ていた」だった。タイトルは見たことがある。作品としては良さそうな感じ。パラパラと全体に目を通した。
まあどちらにせよ、「過ちを犯したあなたの心に訴えかける」と言わんばかりの題材なように思える。こりゃもう手紙ですわ、流石です。


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