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『ブラックライトニング〈シーズン3〉』感想

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フリーランドが敵国 マルコビアからの侵略を受けて、国防の為なら非人道的行為を辞さない政府機関 A.S.A.の支配下に置かれる。街を守るはずのブラックライトニングの姿がない中、市民たちは街を取り戻すべくレジスタンスを結成する。

シーズン3は、『ダークナイト・ライジング』や『ゴッサム〈シーズン5〉』の原案となった『バットマン:ノーマンズ・ランド』のブラックライトニング版だ。外部と断絶された街を舞台に、引き離されたヒーロー家族、苦しむ市民、権力をめぐり争うギャング、暗躍する政府機関、野望を抱くテロリストなど、様々な人間の思惑が絡み合う。

『ブラックライトニング』は脇役が印象的なシリーズだと思う。A.S.A.を率いるオデルほど嫌な人物は見たことがない。対マルコビアという立ち位置だけを見れば主人公の味方側のはずなのに、間違いなく劇中最悪の人物。目の死にっぷりも凄い。

一方、マルコビアの軍隊を率いるグレイブディッガーも印象的な悪役だ。その正体は元アメリカ兵にして、黒人差別の果てにアメリカ政府の人体実験にかけられて誕生した最初のメタヒューマン。キャプテン・アメリカの負のバージョンみたいな設定に滾る。

A.S.A.側とマルコビア側がそれぞれ大義名分を掲げ、持ちうる限りの兵力で衝突し、そのせいでヒーローも市民も苦しめられる中で、平常運転なトビアス・ホエールも良い。オデルもグレイブディッガーも濃い悪役だが、ブラックライトニング最大の敵はやはりトビアス・ホエールなのだと思わされる。

物語が進むにつれ、若い能力者たちがピアース家のもとで一丸となって、困難を乗り越えていく話も描かれていく。この話がかなり面白い。『エージェント・オブ・シールド〈シーズン3〉』で見たかったけど見れなかった話だし、『タイタンズ』で見たい話だ。いっそスピンオフしてほしい。

『ブラックライトニング』は次が最終シーズン。シーズン3は、最終回が内容を詰め込み過ぎなきらいはあるけれど、シリーズ全体が山場に向かっていることをしかと感じられるほどに見ごたえあるシーズンだった。


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