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【ワーケーション体験記】熱海とコワーキングの奇跡(前編)

熱海は奇跡の街である。
かつては衰退した観光地の代名詞とまでなっていた熱海は、あることをきっかけに再生し活気を取り戻した。

人口減少や高齢化、空き家問題など日本のどこの地方にも存在する課題の先進地域として、街全体で解決に取り組んでいる熱海の奇跡の秘密を、ワーケーションを通じて体験した。

ワーケーション。WORKとVACATIONを組み合わせた造語だ。最近耳にすることも多いが、旅するように働くことや、その土地でしか出会えないこと、体験できないことを求めて訪れることもワーケーションと言えるだろう。

その意味でワーケーションは単に労働と休暇の範囲にとどまらず、学びや新発見の舞台装置ともなる。

WORK x EDUCATION
WORK x INNOVATION

今回のワーケーションでは1泊2日しか滞在しなかったけれど、小さなゲストハウスがいかにして熱海の再生の端緒となり、街全体のCo-Working(協働)を生み出しているかを身をもって体験することができた。

それは僕自身の学びになったし、新しいビジネスにつながる出会いにもなったと思う。

この体験を別にワーケーションとかノマドとか、あるいは僕は会社員で、業務で訪れたわけだから出張とでも好きに呼べばいいと思うけれど、
ワーケーションの可能性をWORK x VACATIONに閉じ込めてしまうのはちょっともったいない。

熱海とコワーキングの奇跡(前編)

ワーケーション先で引き籠もれるか?

宿泊先のホステル、ロマンス座カド

僕は今回、以前から気になっていたホステルのロマンス座カドに宿泊することにした。

ロマンス座カドは、かつての映画館ロマンス座をリノベーションしたホステルだ。
コンセプトの異なる静かな個室に泊まれるのが特徴で、僕は小説家が物書きの引き籠りに滞在するようなレトロな作業机のある部屋を選んだ。

確かに執筆が進むような気がする

今回のワーケーションの目的のひとつは、
熱海随一のコワーキングスペース、naedocoの6周年記念イベントに参加することだったけれど、
日常の仕事も普段通りこなす必要があったのでしっかりと仕事ができそうな個室のタイプにして正解だった。

歩いてすぐの銀座通り沿いにあるguest house MARUYAの受付でチェックインをして宿の鍵をもらう。
受付に着いたのはすでに暗くなる時間帯だったけれど、
「今夜の予定はありますか?」
と、若い男性のスタッフが親しげに話しかけてくれる。

何かイベントがあるのかな?
と心の中で思ったけれどあいにくまだ仕事が残っていたので、
部屋に着いたら仕事をするのだと告げると、
親切に周辺の飲食店や飲み屋を集約した地図を手渡してくれた。

観光ガイドやgoogle mapだけでは分からない、地元の人だからこそ知っている熱海界隈のおすすめの店をまとめたものらしい。
仕事が終わったら飲みに行ってみるのも楽しいですよ、熱海のスナックはディープなので。と教えてくれる。

今回は残念ながら時間がなかったが次に来る機会があったら行ってみよう。
ありがとう。

ひみつのかぎをてにいれた!

「ひみつの本屋」への入り口

実は宿泊した部屋の仕事机にはささやかな仕掛けがあり、引き出しの中に、同じ建物の1階にある「ひみつの本屋」の鍵が入っている。

ひみつの本屋。すごくダンジョン的でファンタジーな響きだ。
その正体は鍵のかかった無人の古本屋で、中に入るためには近隣の協力店(今回のホステルなど数店舗ある)にキーを借りないといけない。

中の様子は少しだけ開いている小窓からチラッとしか見えない。

この想像力を刺激するワクワク感と、
鍵の受け渡しに周囲の複数の店が協力することで、
本屋に行きたい人はその店をおのずと訪れることになるし、僕のようにこの場所を知らなかった人は新しく知るきっかけになる。

こうしたお店とお店をつなぐゆるい連携で
街を周遊させる仕掛け作りが、
熱海の活性化のコアとなっている。

昭和の時代のホテル内滞在から脱却し、街全体を体験のコンテンツプラットフォームにしているのだ。

オープン初日から始まる日記帳

中に入ると少し仄暗いそれほど広くない部屋の本棚にたくさんの本が並んでいる。
珍しい専門書から比較的最近のものまで種類は多く、購入だけでなく借りることもできるらしい。

お店の雰囲気はぜひ実際に訪問して確かめてほしい。本好きでなくてもきっとテンションがあがる空間だと思う。

店内のデスクには日記帳が置いてあるのだけれど、
2021年のオープン初日のオーナー日記を始まりとして、結構なペースで利用客の感想が書かれていて
僕もそれにならって書くことにした。
訪れることがあれば見つけていただけるとうれしい。
2022年7月20日のページです。

この日はひみつの本屋探索を堪能したあと部屋に戻り、残っていた仕事を片付けて夜は大人しく眠った。
ロマンス座カドはすごくしんと静まり返っていて
とても集中して仕事をすることが出来た。

ホテルワーケーションも旅館ワーケーションも素敵だけれど、
仕事メインのワーケーションをしたい時は、ちゃんとした仕事机とWi-Fiが部屋に揃っているところを選ぶと良い。

(後編に続く)

記事で紹介したイベント・施設

naedoco Anniversary fes

ロマンス座カド

ゲストハウスMARUYA

ひみつの本屋

後編はコチラ

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