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日本語版アカウントの歩み ③プレス席への侵入

今回は、筆者がTwitter運営がきっかけで、プレス席でサッカー観戦をした話を紹介する。
これまで、徒然なるままに、ロシアのサッカークラブの日本語版Twitterファンアカウントを立ち上げ、クラブ公式PRスタッフに見つかり、公認の形を取りながら活動をしてきた話を記した。

【ロシアからの招待状】

さて、クラブ側に日本語アカウントが見つかり、その後共同で応援ビデオを作ったり、インタビューを受けたりする中で、1通のメールが届く。

送り主は、これまたクラブスタッフ(男性)。彼は、日本の特撮が好きで、来日経験があるとのこと。彼の所属部署はクラブの総務的なボジションで、選手の国内外の移動や海外向けの手続きなどをしているとか。

「ほうほう」と話を聞いていると、「ロシアに来る予定はないか?招待状は発行してやる」とのメッセージが。

ここでロシア渡航歴がない方に、簡単に説明すると、ロシアに入国するときには必ずビザを取得しなくてはならない。
ビザ取得には、観光ビザなら旅行代理店が手続きをしてくれるのだが、個人で行く場合は、ロシア国内から「招待状(何の要件で、いつからいつまで招待しますよ的な)」を発行してもらい、それを日本のロシア大使館に持っていき、パスポートにビザを貼り付けてもらうのだ。


招待状を発行してもらえるのであれば行くしかない。そう考えた筆者は、滞在希望の日程を記し、返信。数週間後には指定した日程が記載された、招待状がロシアから自宅に届いていた。

招待状受け取りから数日後に、筆者はロシア大使館へ行き、無事ビザ(この時の訪問理由はスポーツ交流とか何とか)を取得した。

そして、2015年9月、ロシアへ飛ぶのであった。

【いざ、クラブハウスへ】

ロシアに行く前に事前に、クラブPR部門のスタッフにも連絡。すると、「試合前日の公開練習に来ないか」との誘いが。

無論、行った。飛んで行った。

なにせクラブハウスは、ファンにとってみれば禁断の聖地。留学中は何度もクラブハウスの門前で練習終わりの選手を待ち構え、サインをせがんだ。

そして当日。最寄駅でスタッフと合流し、クラブハウス内へ!
門をくぐり抜けたあの感覚は今も忘れられない。何とも痛快な気分だった。

そして練習場へ向かうと、ウォーミングアップを行う選手たちが!!
「うおおおおおお!!!尊いいいいいいいいい!!!!」と心の中で絶叫し、持ってきたカメラでバシバシ練習風景を撮る。10〜15分の公開練習だったので、もうそれは猛烈に写真を撮った。

選手は見世物じゃないとわかっていても、やっぱり生で見ると興奮する。蹴っているボールのスピードだって、練習でも桁違いに速い。

あっけにとられている間に、公開練習は終了した。スポーツメディア関係者は、慣れた足取りで引き上げていく。筆者は名残惜しかったが、絶対に浮かないように心に決めていたため、クールな顔して練習場を去った。

【プレス席でサッカーを見る】

一度は皆、夢を見るのではないか。プレス席でサッカーを見る体験を。私はそれをロシアで成し遂げた。
というのも、招待状発行をしてくれたクラブスタッフが、試合のプレスカードをくれたのだ。

↑こんなのをもらった。

プレス席内には、両クラブの関係者やロシア国内のスポーツメディアの関係者が座り、黙々と仕事をしていた。おそらく、ここが一番スタジアムで盛り上がらない場所だ。周りに合わせ、クールな顔して試合を見ようと思ったが、これが難しい。

結局、プレス席で唯一、私は試合を見ながら一喜一憂していた。ちなみに試合は格下相手に敗戦した。

(試合後のお通夜みたいな記者会見も合わせて見てきた。)

【一番冷静に仕事をしなくてはならない場所】

この一件をきっかけに、2試合この後、筆者はプレス席での観戦を体験した。
毎回思うのは、クラブ関係者含め、プレス席にいる人間は試合に一喜一憂してはいけないし、試合後に各メディアツールを使い、試合内容を伝えるための準備をしなくてはならない。

あの場所はいわば、スタジアムに来れなかった人、試合を見れなかった人のための場所でもある。試合後にどんな試合だったかを確認するには、あのプレス席に座っていた記者たちの文書なり、写真なりを見なくてはならない。

Twitterでこんな珍しい社会科見学ができたことは、非常にラッキーな出来事だった。だが、意外と似たように自分から自発的に動いた結果、サッカー関係者と関係を持ち、気づいたら試合をプレス席で見ていたという人はいる。

ぜひ、こんな体験をするべく、応援するクラブの情報発信を何かしらのツールを使用し、行なってみては。

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