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連作短歌

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連作短歌「詩と息」(12首)

コンビニを出れば夜。このコンビニは卒業したら来ないコンビニ いきものの夜の星座のしずかさの川の蛇行の夜のいきもの 虫時雨おおきなあくびをしたあとに君とみおろす北斗七星 ゆめのなかでゆめをみているゆめをみた他人に興味がないのがばれた 遠い窓 座っていると見えなくて立つとほんのり匂う木犀 水筒のフタがコップになるようにいまも天真爛漫ですか 後ろから読む短篇集そのように昨日と今日が全く違う 埋めるのはかんたんなこと満たすのはむずかしいこと 花を買わない 風化してしま

連作短歌「メンスト」

メインストリートのことをメンストと呼ぶのもなんか許せなかった 二階から入って一階から出れば昨日と同じ人が立ってる 自信あるふうに話せばだいたいはなんにも考えなくてもいけた 人類学の講義を受ける元カレも今カレもいる大教室で 水筒にコーヒー入れているけれど水ですよって噓ついちゃった 新横浜駅の円形歩道橋みんなハッピーで終わる昼ドラ 地震の揺れ、そのうえを走る電車の揺れ、そのなかにフリーターである俺 雪の絵の紺色きれい ごめんなさい在廊時間は避けて来ました 木綿でも