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連作短歌「詩と息」(12首)


コンビニを出れば夜。このコンビニは卒業したら来ないコンビニ

いきものの夜の星座のしずかさの川の蛇行の夜のいきもの

虫時雨おおきなあくびをしたあとに君とみおろす北斗七星


ゆめのなかでゆめをみているゆめをみた他人に興味がないのがばれた

遠い窓 座っていると見えなくて立つとほんのり匂う木犀

水筒のフタがコップになるようにいまも天真爛漫ですか


後ろから読む短篇集そのように昨日と今日が全く違う

埋めるのはかんたんなこと満たすのはむずかしいこと 花を買わない

風化してしまう前にと見に行った日に着なかったほうのカーディガン


散歩中たまに何歩かバックして生き直してみることがあります

二回目はそうでもないということの繰り返しだなたぶん死ぬまで

風になった私とここで分岐して私は私で歩き続ける



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