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幸せになるために必要な条件

1.はじめに

 私は昔から幸せになるためにはどうしたらいいのだろう?と、ぼんやり考えていました。答えはまだ確実なものとして自分の中で消化しきれていませんが、幸せになるために必要な条件だけはわかった気がしますので紹介したいと思います。元ネタは、橘玲著『幸福の「資本」論』です。とても良い本なのでこの記事で興味を持ったら是非お読みください。

2.幸せになるための条件

 幸せ、と抽象的に言っても焦点がぼけてしまってなにを追い求めているかわからなくなります。なので一般的に人がどういうときに「不幸せ」を感じるかを最初に考えてみます。

 まず貨幣経済の中で過ごしている前提だと、「お金が全く無い」と悲しい気持ちになります。すべて自給自足と物々交換で生きていければいいのですが、そのような力は無いのが普通です。ボロボロの衣服を替えたくても替えられないのはあまり幸せではありませんね。お金がないことは「不自由」につながるのです。また健康が害されていると人は不幸せな気持ちになります。働けないし、働けなければ飢える可能性が出てきます。これも自由が奪われている状況です。

 次にあなたが奴隷状態にあるとしましょう。このとき人は自分の生き方の選択もできないですし、未来も固定されています。自分の夢を追求することもできないまま死に向かって行進していくとしたら、これはあまり幸せとは言えないでしょう。

 最後に家族や友人、知人が全くいないとします。話し相手も遊ぶ相手も全くいないと、人は楽しくありません。すなわちなんらかの「共同体」に所属していないと、人は幸せを感じにくいのです。

 以上のことをひっくり返してみると、幸せの条件が浮かび上がってきます。つまり人は、次の三つの条件が揃うと幸せを感じやすいのです。

(1)自由

(2)自己実現

(3)共同体に所属しているという意識

 これらのことを満足させるために具体的に必要なのは、経済学的な専門用語で言うとそれぞれ次の通りです。

(1)自由=金融資産:単純に金銭ですね

(2)自己実現=人的資本:労働力や生きていく力でしょうか

(3)共同体に所属しているという意識=社会資本:仲間でしょうね

 これら3つを十分に満たすことは難しくても、2つを満たせば人生は相当に楽しく感じるはずです。もちろん上の3つは互いに連関しているのですが、最終的に人が幸せを感じるには社会資本を介する必要があるというのが、著者の主張です。これは本当かどうかは知りませんが、(1)(2)だけの極端な場合を考えてみると、そうかもしれないなと思います。若くて健康体でお金が凄くいっぱいあるという状態で家族も友だちもいない状態を考えてみましょう。これはなかなか悲しい状態ですよね。ということで、上に挙げた3つの条件を満たせるように意識して、最終的には社会資本を充実させることで人は幸せを感じるようになる、というのが結論になります。ずいぶんと具体的になったでしょ?!

3.とりあえずのまとめ

 よく自己啓発の本や人生論の本で、好きなことを見つけてそれに没頭すると幸せになる、と書かれているわけですが、それは結果なんだよなっていうことが上の分析からわかります。つまり好きなことをやっているときは自己実現ができているし、それでマネタイズができれば金融資産が得られて経済的な自由度があがりますし、仲間も増える可能性が出てくるという流れです。なので、好きなことが見つからない、没頭できるものがない、好きなことがあっても趣味の範囲だ、たずさわっている仕事があまり好きではない、としても上の3条件を満たすように意識して行動していけば幸せを感じる瞬間が出てくるということです。悶々として考えこんでいても3条件は満たされることがありません。目の前の具体的な課題を解決して3条件を少しでも満たすように努力していくことが幸せに繋がる、というのがこの記事のとりあえずのまとめになります。もちろん人生は理不尽にできているので努力が必ず報われるというわけではありませんし、逆に棚ぼた的な幸運が訪れることもあるでしょう。でも具体的に努力すると、神様が味方してくれるというのがこの世の仕組みな気がします。最後はスピな感じ(笑)ですが、人生に迷ったら上の3条件を思い出してみると解決策を思いつく可能性が高いと思うので、思考の道具箱の片隅に入れておくと良いと思います。

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