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2021.3月22日 中編・1『ポアロとグリーンショアの阿房宮』 & 付け襟付き大きめキューピーちゃん

名探偵ポワロシリーズ読書記録 中編・1 『ポアロとグリーンショアの阿房宮』を記します。

この中編が刊行されたのは、クリスティ氏の死後40年近く経った2014年のことです。わりと、最近ですよね。
1954年に教会のチャリティーの為に執筆された作品でしたが、諸事情により未発表となっていたそうなのです。

この中編小説を元に、それを膨らませ長編小説にした作品が『死者のあやまち』です。
私の読書記録でも、2020.10月16日に(長編・23)で投稿しています。

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『ポアロとグリーンショアの阿房宮』の原題は "Hercule Poirot and the Greenshore Folly" 
『死者のあやまち』の原題は
"Dead Man's Folly"

日本語訳の題名では、まったく繋がりがみえませんが
英語の原題を見ると、姉妹作のような関係にあるというのが、何となく感じられますよね。

何故、こうなったのか?
その謎を解く鍵は、"Folly"という単語の意味にあるそうです。
"Folly" には「あやまち」「愚行」という意味と
もう一つ、「実用的な意味がない建築物」という意味もあるのだとか。
なるほど、それで「阿房宮」なのですね!

「阿房宮」と言えば、古代中国・秦の始皇帝が建てた大きな宮殿のこと。
どのくらいもの凄い宮殿だったのか。今となっては、実際に観ることが出来ないのが残念ですよね。
タイムスリップ出来るのなら、是非始皇帝の阿房宮を見てみたいものです。
だけど、戦乱に巻き込まれるのはやっぱり怖いし、避けたいですね…
逃げ腰で申し訳ないですが、諦めます(^◇^;)

話をクリスティ氏の小説に戻しまして。
あらすじや設定は、『死者のあやまち』とよく似ています。
名探偵ポワロシリーズ・ドラマ版がお好きな方は、第68話『死者のあやまち』をご覧になれば
『ポアロとグリーンショアの阿房宮』のドラマ化を視たと、ほぼ同然と言えるでしょう♪
ドラマ版『死者のあやまち』の撮影地の一つであるグリーンウェイは、クリスティ氏が所有していた別荘で、原作に出てくるお屋敷のモデルなのだそうです。

という事は、『ポアロとグリーンショアの阿房宮』の舞台となるお屋敷のモデルも、別荘グリーンウェイということですね!

オリヴァ夫人が大活躍するこの中編。サービス精神たっぷり、盛りだくさんの推理娯楽小説となっています。

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さらに。個人的にやけに嬉しかった点がありまして。
『死者のあやまち』で描かれている
《お祭りの最中に、無理矢理に屋台での輪投げ遊びに参加させられたポアロ氏が、景品として大きなキューピー人形を獲得してしまうシーン》が、
この『ポアロとグリーンショアの阿房宮』でも、ちゃんと書かれているのです!

キューピーちゃんの場面は、長編に膨らませる為に追加したエピソードではなく,
前身である中編小説の段階で、既に在ったわけですね。
いやぁ、びっくり(^ ^)
何だか嬉しいですね♪

勿論、この大きなキューピーちゃんは
ポアロ氏の近くで突然泣き出した小さな子に、プレゼントされることになります。
「ヴァイオレットちゃん」という名前の子だったそうで。
(その後、この大きなキューピー人形が長くヴァイオレットちゃんのお家で、
大切に愛されて可愛がってもらえていたらいいな)
なんて、思っちゃいました。
ま、フィクションの中の出来事なんですけどね。

本日の編み物作品は
大きめキューピーちゃんが付けている"付け襟"です

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ちょっと強引に
付けている感がありますが(^◇^;)
ご容赦くださいませ♡


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