加納靖之
『歴史のなかの地震・噴火——過去がしめす未来』(東京大学出版会)に関連するnoteを集めました.
2024年8月8日に,「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が気象庁から発表されました.この情報のなかで発生する可能性が高まっているとされる「新たな⼤規模地震」について,セットで紹介される震度分布は,「南海トラフの巨大地震モデル検討会」による「想定すべき最大クラスの対象地震」のことが多いと思います.2020年に報告書が出ています. 南海トラフで発生してきた巨大地震は,規模や震源域に多様性があることが知られており,最大クラスではない地震も発生してきています.ここでは,もう
2024年8月8日の日向灘の地震と,8月9日の神奈川県西部の地震.それぞれ最大震度6弱と5弱で,被害もありました.2日間続けてそれなりに離れた場所で大きな地震が起きるのは珍しいことなんだっけ?と思ったので調べてみました.なお,小さな地震はたくさん起きるので,震度や規模を限定しなければ,2日続けて地震が起きるのはふつうで,まったく珍しくありません. まず,気象庁の震度データベースで「全期間」(1919年以降)で「最大震度5弱以上(震度5以上)」という条件で地震を検索しました(
地震の発生確率やある震度以上の揺れに見舞われる確率が公表されていて、よく話題にもなると思います。では、これらの地震や揺れで、罹災したり死傷したりする確率はどのくらいなのか、考えてみたことはおありでしょうか。 全国地震動予測地図(たとえば2020年版)の解説のなかに、「確率の数値を理解する上での参考情報」というのがあります。 この資料では、「地震発生確率」や「地震動超過確率」(震度6弱以上の揺れに見舞われる確率)との比較として、「台風で罹災」「大雨で罹災」「台風で死傷」「大
このたびの能登半島地震で被災された皆さま、ご家族ならびに関係の皆さまにお見舞い申し上げます。 2024年1月1日16時10分ごろに発生した令和6年能登半島地震.地震の発生から1週間がたち,気象庁は1月8日に「令和6年能登半島地震」について(第12報)-引き続き活発な地震活動に注意-」(https://www.jma.go.jp/jma/press/2401/08a/202401081400.html)という報道発表をしました. この報道発表では今後1か月程度は大きな地震に
過去に能登半島周辺で発生した地震について,『日本被害地震総覧599-2012』(https://www.utp.or.jp/book/b306587.html)や地震調査研究推進本部の評価(https://www.jishin.go.jp/evaluation/seismicity_annual/major_act_2023/)をもとにまとめました.どのような被害が発生しそうかなど,参考になれば幸いです. ここに挙げた地震は,いずれも2024年1月1日16時10分に発生した
冒頭の画像は港区の「2015年空撮写真」です.東京都オープンデータカタログサイトで探しました. 「東京都オープンデータコミュニティ 会員限定イベント第一回」で話題提供することになりました.参加者の皆さんのご参考になれば幸いです. オープンデータをつくる・公開する ↑(1) 市民参加による歴史資料の翻刻(解読)プロジェクト。各地の博物館や図書館が公開している資料の画像データを利用しています(IIIF経由)。 http://idea.linkdata.org/idea/i
地震研究所サマースクール https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/education/%E5%9C%B0%E9%9C%87%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB/ 地震史料集テキストデータベース https://materials.utkozisin.org/ みんなで翻刻 https://honkoku.org
2023年は,1923年関東地震(関東大震災)から100年の節目になります. この機会に学会,研究集会,講演会,展覧会など各種のイベントが開催されると思います.気がついたものや,お知らせをいただいたものを一覧にしていきます. 情報をお持ちの方は,こちらのフォームからお知らせいただけるとありがたいです.また,ハッシュタグ #kanto100 で発信してみようと思います. 防災学術連携体でも,防災学術連携体および関連学会による関東大震災100年記念行事等をまとめておられます
日本学術会議の公開シンポジウム「総合知創出に向けた人文・社会科学のデジタル研究基盤構築の現在」での発表のリンク集を作成しました. 「総合知」の創出・活用に向けた人文学・社会科学振興の取組方針 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/048/houkoku/1421958_00002.htm みんなで翻刻 https://honkoku.org Webアプリケーション「みんなで翻刻【地震史料】」の公開 -
気象庁の震度観測のデータは本家の震度データベース検索で検索・表示できるのですが,これとは別に地震月報(カタログ編)で震度データが公開されています.固定長のテキストデータ(フォーマットはこんな感じ)で,慣れないと見にくいので,検索して適当に整形して表示するWebアプリをつくりました.自分でデータを便利に使うために作ったものですが,参考までに公開してみます. 気象庁地震月報震度データ検索 本家の震度データ検索との違いは,計測震度も見られる,GeoJSON形式でダウンロードでき
2021年2月13日に気象庁のホームページがリニューアルされ,地震情報も今風のWeb地図で表示されるようになりました.地図に表示するデータはJSONでやりとりしています.現時点ではAPIについて公式な情報が出ているわけではないようですが,ざっとみて使えそうなことを書いておきます. 地震情報の一覧は https://www.jma.go.jp/bosai/quake/data/list.json で得られます.過去1か月分のようです.ブラウザで表示するか,コマンドラインがお得
前回,気象庁の地震月報の震源データから,2016年熊本地震の震央の時空間分布図をつくってみました. GMTの海岸線データを使ったわけですが,地理院地図などのタイル地図に重ねて描くこともできます.タイル地図の画像をダウンロードして貼り込むだけです. もちろんGISソフトやWeb GISを使って描画できますが,GMTはGMTの良さがあるし,GMTのほうが慣れているという方もあると思います.なお縮尺を大きくするときは,座標系や震源決定の精度などいろいろご注意ください. 対象と
気象庁の「地震月報(カタログ編)」の震源データを使って震央の時空間分布図を作ってみました.これも最初はresearchmapに書いたものです. 前の記事と同じく,『歴史のなかの地震・噴火――過去がしめす未来』に載せた図の描き方を書いてみよう,というものです.この本のもとになった授業で2016年熊本地震の解説をするにあたり,気象庁の報道発表資料から図を転載していました.本にするにあたっては,余分な情報もあり,また白黒印刷対応のため,作りなおすことにしました. 対象とするデー
内閣府の南海トラフの巨大地震モデル検討会において検討されたデータを使ってお絵かきしてみます.researchmap のほうに書いていたのですが,noteも試してみます. 『歴史のなかの地震・噴火――過去がしめす未来』に最大クラスの想定の図を掲載したかったのですが,同検討会の報告書の図はカラーで,白黒だとうまく色が出ないと思われたため,グレースケールで作りなおすことにしました. 自分でデータを見てみたいという方のお役に立てば幸いです.さまざまなケースについて,選んだ地域を拡