見出し画像

色のなくなった洗濯物


いつもの部屋に取り残されたあなたの洗濯物だけがモノクロに見える。


あの日のデートで着ていたTシャツ。

一緒に選んで買った靴下。

部屋着で借りたブカブカのパーカー。

「ダサいね」って笑った変な柄のパンツ。

思い出も、においも、体温だってまだ残っている気がする。


いつも裏返しのまま服を洗濯に出すからって、わざわざひっくりかえすこともない。

とりあえず入れておくクセがあるからって、ポケットをいちいち確認することもなくなった。

「めんどくさいなぁ。洗濯機に入れるのはいいけどさ、ちゃんとやってよ。」って、もう言えないんだ。

煩わしくなくて嬉しいはずなのに、なんですこし悲しいんだろう。


もし、またこの部屋で同じ時間を過ごせたら、このモノクロの洗濯物たちに色は戻ってくるのかな。

次があったら「服、洗濯機に入れてくれてありがとう。」って言わなきゃな。


だいたい5~10分でポエムを書きます。
文章の練習で、不定期に書きたい気持ちだけはある。
よろしくお願いします。


Twitterやってます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?