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スタートアップがチームでコトに向き合い続けるための走り方について

こんにちは、welldayの加藤です。

あれもこれもやることがたくさんあって忙しくしているうちに気づいたら一週間終わってたけど、振り返ってみると忙しかった割には進めたかったことがイマイチ進んでない…なんて経験はないでしょうか。

足元のやるべきことをやりつつ少し先も見据えて走るのが難しいという話で、結構スタートアップあるあるだと勝手に思っているのですが、僕らも直近これにハマっていました。リソースも時間も圧倒的に足りない僕らの生存戦略は、ひたすらコトに向き合いやるべきことにフォーカスする、のはずがこれはまずい。なんとか抜け出そう、と試してきて最近少し落ち着いてきたので、簡単にですがまとめてシェアすることにしました。誰かの役に立てば嬉しいです。

イシューから始める

有名すぎるあの本のタイトルの通りで、最も大事なのはやはりイシューから始めることです。やれることが多い中で全てをやろうとするのは不可能なので、やることを絞っていかなければいけません。特にスタートアップでは、ないことだらけのないない尽くしなので、よりシビアにイシュー度の高い事柄を絞り込む必要があります。

イシュー度の意味は、イシューから始めよ、の定義の通りで「自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ」です。大抵は問いの重要度と緊急度の掛け算で判断できます。緊急度は明確に「いつまでにやらなければいけないか」なのであまり論点はないですが、重要度については慎重に整理する必要があります。
僕らの場合、OKRのObjective分解のようにして事業における問いの重要度を明確にしました。最上位の問いからその問いに答えるために必要な問いへと順に分解していきツリーを作ります。シンプルに上位にあるほど事業インパクトが高く、相対的に重要度が高くなります。(OKRを試したい場合は、miroのテンプレートが触りながら試せるのでおすすめです)
これができたことで、何か突発的に問題が起きた時もすぐにその問題の解決に飛び付かず、その問題はツリー上のどこに紐づくのか、緊急度はどのくらいか、から今やっていることとの優先度を比較するモノサシとして機能してくれるようになったので優先順位がブレなくなり、チーム内での議論がスムーズになりました。

役割を明確にする

スタートアップは自身の職域をはみ出てなんぼ、みんなできることは全部やるんだ!みたいな話は結構聞くと思います。基本的に人は足りないですし、僕自身も概ね賛成なのですが、ここで抜け落ちていけないのは「なんのために」と「誰がオーナーなのか」です。前者の「なんのために」はイシューから始めることで満たすことができます。
次は「誰がオーナーなのか」です。みんなでやる、とは言いつつもやはり推進者となるオーナーが必要です。当たり前のことのように聞こえると思いますが結構落とし穴があります。例えば〇〇リーダーみたいな役職があったとして、その人の役割は何か、何をする人なのか明確でないと同じことを複数の人がやってしまったり、逆に抜け漏れが発生したりします。前者は検出しやすいのでまだいいとして後者は致命的です。もっと悪くすると、責任者が不在のイシューが宙に浮いたままになり、誰が手を付けたらいいのかわからないまま(あるいはそのイシューの存在に気づくことすらできないまま)時間だけが過ぎるという事態にもなりかねません。
僕らは問いに対してその問いに答えるオーナーを紐づけることで役割を明確化しました。イシューとオーナーが決まると色々なことがシンプルになります。基本的にはイシューベースでコトの話は進みますし、誰が意思決定をすればいいかも明確です。もちろん、オーナーを決めたからと言ってそれ以外の人が何もしなくていいというわけではありません。オーナーがリーダーシップを、他のメンバーがフォロワーシップを発揮することが大事です。良いリーダーシップ、フォロワーシップについてはまだまだ勉強不足で手探りなので、知見がたまったらまたnoteに書きたいと思います。

サイクルを回す

あとは執行のサイクルを回すことができるかどうかになります。執行のサイクルの肝はペースづくりとフィードバックです。

冒頭に述べたように、目指すのは純粋にコトに向き合えている状態です。ペースを決めて運用することでチームの動き方についてのマインドシェアが解放されて、コトに向き合う時間を増やすことができます。そして、必ず定期的に振り返りの場を設けて、執行のプロセスにフィードバックを行うことです。目標は達成できたのか、できなかったのか、できたならばもっと良くできないか、できなかったならば何が課題でどう改善するのか、シンプルに議論します。

下の図は僕たちがやっているサイクルの概念図です。今は一週間スプリントで回しています。週頭に取り組むイシューから具体的な目標設定を実施し、週末に振り返りと来週取り組むイシューについてチームで認識合わせをするプランニングを行っています。

週次サイクルの概念図

特徴は、週頭に取り組むイシューについて週次目標の達成計画を立てるために、一日時間を確保しているところです。これは、僕らのような探索的なフェーズのスタートアップにおいて、解くべきイシューと道筋が明確でないままとりあえず動き始めるとほぼ100%手戻りが発生するためです。しかも探索的フェーズの手戻りは質が悪いことに、それが手戻りになるかどうかが分かるのが遅いという特徴があります(数値化できないことが多く、良し悪しの判断がつきづらいためです)。だからこそ仮説をたて、ステップを区切って、何をするか、どんな結果を得られればいいかを丁寧に整理してから動き始めるようにしています。

まとめ

忙しいのに進んでない、はコトに向き合えてない証拠なので一度立ち止まった方がいい、と身に染みて思います。人間というのは一度始めてしまうとサンクコストがどうしても気になってしまいますし、のめり込んでしまうと視野狭窄になってしまうもので、それをいかに防ぐのか、は人間が気合いでなんとかするよりは仕組みに委ねる方がいいと考えています。

もしこの記事の内容について興味ある方がいらっしゃいましたらぜひお話しさせてください。僕らも手探りでやっているので、情報交換やディスカッションさせてもらえたらと思います。twitterで気軽に話しかけてもらえたら嬉しいです。

最後に少しだけ宣伝です。変化が激しく成長を求められる環境下でハードワークになりがちなスタートアップにおいて、メンバーの不調を早期に発見しフォローできるようにするwelldayというHR SaaSを提供してます。スタートアップはなるべく純粋にコトに向き合い続けたい一方、無理をして頑張りすぎてしまうとチームが疲弊して動けなくなってしまうという危険性もあります。そこを仕組みでカバーしていこう、という製品です。もしご興味ありましたらお気軽にご連絡ください。


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