到達地点

以前、特別養護老人ホームで研修を受けたことがある。それからの生きる道とゴールがくっきりと具体化された。

後悔と遺恨、欲を残さない、感謝の気持ちを忘れない。

祖母は欲のない質素な人で、最後までしっかりしていて、みんなに「ありがとうね」と感謝の気持ちを伝えていた。

大叔母は自分の夫の名前も私のことも忘れていたけれど、「笑って楽しく行きなさい」と会いに行く度、最後まで笑顔で諭してくれた。
どうせなんだって忘れるんだから、悩んだって無駄、楽しく生きたもん勝ちよ、ハハハって、言っているようで、説得力があった。

仏教徒ではないけれど、時々、写経をする。ふたりの到達域を般若心経で感じることがある。
ふたりはお寺さんの娘なのだ。