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広電車庫巡り(江波車庫へ)

広島から路面電車で西へ。「荒手車庫」を見に行った。今度は「江波えば車庫」を見に行く。

連接車をパス

宮島線にやってくる車種は「低床」「連接車」の2種。前者は「車いす対応ノンステップ車」。後者は「ステップ付き」になる。

グリーンライナー

まずやってきた「グリーンライナー」。こちらはさっき乗ったからパス。まだ乗っていない「低床」を狙う。

グリーンムーバーAPEX

グリーンムーバーAPEX

やってきたのは5200形「グリーンムーバーAPEXエイペックス」。広電の最新鋭車両だ。「APEX」は「頂点」「極地」という意味がある。

ゲームみたいなロゴ

近未来的な流線型でカラーリングはゲーム機のようなスタイリッシュさ。ちょうど、バトルゲームと同じ名前だし。とはいえ「頂点を極めた」という言葉が似合ってて、超絶カッコいい。この電車に乗り込む。

最後尾の座席に座る。窓が大きく眺めがいい。

製造名義は「U3」

車両を製造したのは「U3」というプロジェクト。「近畿車輛」「三菱重工エンジニアリング」「東洋電機製造」の3社で結成。過去に輸入した海外製トラムを元に国産化。課題だったコストや気候の不向きを解決した。「APEX」もその1つだ。

ここでは音楽をお供。路面電車のゆったり感は弾き語りがよく似合う。

江波行きに乗り換え

土橋停留所
江波行きに乗り換え

土橋どばし停留所で乗り換え。ここから車庫のある「江波」へ向かう。

「軽快電車」700形

700形711号
コンビニみたいな数字や笑

やってきたのは「700形」。1980年代に導入された車両で「軽快電車」と呼ばれる新性能タイプの1つ。近代的なモーターが採用され、独特のうねる音が小さくなった。

アルナ工機(現アルナ車両)製
路面電車のトップメーカー
かつては阪急電車も造っていた。
700形の運転台

運転台も近代的。アクセルとブレーキがまとめられた「ワンハンドル型」、バラバラのように見えるが、両手同時に動かす必要がある。

平和大通り
江波に着いた。

江波に到着。住宅地が広がり、日常が流れるベッドタウンだ。

江波車庫

車庫へ向かって折り返す。

この街に佇む「江波車庫」。この「宝箱」にもたくさんの「お宝」が眠る。

京都市電

大量にいる緑の電車は「京都市電」。全線廃止に伴って広電に移ってきた。1970年代に廃止され40年は経つが、多くが現役だ。

たくさんいる京都市電

カラーは京都にいた当時と同じ。車両ごとに京都の地名や文化にちなむ愛称も付けられた。

ドアの左には京都市交通局の局章
京都地下鉄や市バスにも同じマークがついている。

京都市交通局の局章もそのまま。京都市営地下鉄や市バスにも掲げられている。市電現役当時を知らない世代が増えてきたものの、地下鉄や市バスにお世話になっている京都府民、地下鉄が直通する奈良市民はみなびっくりすることだろう。

被爆電車「653号」

左にいる「653号」

片隅にいるグレーと青のレトロな電車「653号」。広島の歴史や世界平和のためにはなくてはならない存在として、70年以上活躍し続ける。

1945年8月6日、広島に投下された原子爆弾。多くの命が失われたのと同時に広電の路面電車も100両以上が被災した。このうちの1両「653号」は江波付近走行中に爆風が直撃。全焼の被害を受け“瀕死の重傷”を負った。しかし、懸命な修復で完全復活。「広島復興のシンボル」「平和の象徴」として、時代を超えて親しまれることになった。

老朽化で2000年代に通常運用からは離脱している。ただ、「平和学習」としての貸切電車や「広島原爆の日」前後では特別運行も行われる。
「653号」と同型の2両も朝ラッシュをメインに「原爆の日」には必ず運用に入る。こちらも「被爆電車」である。

かなり古い車両ながらも「核なき世界」を訴え続けるためには必要な電車。大切にこれからも活躍してほしいものだ。

姿は見えなかったが

他にも、「広電」創業当時の電車を復元した「100形」やドイツ・ハノーバー出身の路面電車、もう一つの被爆電車「156号」がいるそうだが、姿を捉えることはできなかった。この3つもかなり貴重で見てみたいもの。

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