見出し画像

広電満喫&車庫巡り

サイコロきっぷで呉へ。そこから広島駅へ戻ってきた。ここからは「広電」こと「広島電鉄」を乗り倒していく。呉よりもメインでここでは語りたいことは山ほどある。

動く路面電車博物館

広電の魅力というのが「車種のバラエティさ」

  • 低床の国産LRV車両

  • ドイツ産のヨーロッパLRV車両

  • 大阪、京都、神戸、福岡の路面電車

  • 原爆の記憶を伝える「被爆電車」

  • 軽快電車(近代的性能の路面電車)

  • ドイツ育ちのレトロトラム

路線網も縦横無尽で、これらの様は「動く路面電車博物館」と称される。ファンにとってはパラダイスとも言える。

1日乗車券

1日乗車券
小銭でスクラッチして提示する。

そんなパラダイスを満喫するために「1日乗車券」を購入。700円で全線乗車ができる。利用日をスクラッチしていざ参る。

グリーンライナー

3950形「グリーンライナー」
宮島口方面でよく使われる。

手始めに乗るのは、3950形「グリーンライナー」。僕の生年と同じ1998年製で比較的新しい車両。台車を連結器代わりにした「3両連接車」のロングサイズ、キャパシティが大きい。観光客で賑わう宮島口方面をメインに活躍する。

珍しいツーマン

車掌台
合図ベルやドアボタン、精算箱が備わる。
車掌を介しての乗降も可能。

この電車を始めとする「連接車」のほとんどは車掌が乗務する「ツーマン」で運行される。

  • きっぷの発売

  • 車内外の監視

  • 肉声放送

  • 運賃収受

をなど行う。
発車の合図として、ベルやブザーを鳴らす。ワンマンがほとんどの路面電車では珍しく古きよき光景。「ちんちん電車」と呼ばれる所以にも通づる本来の姿がそこにある。

過密運転

グリーンムーバーLEX
800形
広電ではポピュラーな「軽快電車」
5100形「グリーンムーバーMAX」
国産LRV
サンフレッチェ広島ラッピングの「グリーンムーバーMAX」
3900形「ぐりーんらいなー」
「グリーンライナー」以前の「緑の連接車」はひらがな表記で区別される。
ダンボール柄の企業広告をまとう3900形

乗っているといろんな色、タイプの路面電車がたくさんやってくる。別の系統同士が目の前の距離で接近して停車することもよくある。昼間ではあるが、超過密だ。

バスもたくさん

広島のバスたち。

電車だけでなくバスもたくさん走ってる。「広電」のバスもたくさん見かける。広島中心部、JR可部線、呉線の沿線、広島市西部、廿日市市など広範囲をカバーする。

ちょっと危険な路地裏

途中には路地裏も走る。この辺は道路幅が狭く、停留所も狭い安全地帯だ。

小網町停留所
緑の部分がホームだが、車が踏むこともある。

安全地帯すらない停留所もある。小網町こあみちょうという停留所は緑の塗装だけがホームの目印になっている。クルマが踏めるようになっていて、客にとっては恐怖と隣り合わせだ。

広電西広島駅

JR西広島駅
広電西広島駅
行き先には「己斐」がダブルネームで表記されるが、駅名標からは消されている。

「広電西広島」にやってきた。住所から「己斐こい」という名前でも呼ばれる。大屋根で覆われた大きな駅でJR西広島駅が隣接、朝夕には折り返し電車もある。

宮島線

鉄道線である宮島線
市内線よりスピードが上がる。
運賃表

西広島以東は「市内線」と呼ばれ、どこから乗っても1回乗るにつき「大人220円(白島線のみ大人160円)」の均一運賃。対して、ここ以西は「宮島線」と呼ばれ「区間運賃」。乗った距離で運賃が変動する。

阪急電車が走った過去

宮島線は「鉄道事業法」による鉄道線。現在は路面電車に統一されているが、1980年代までは阪急電車から譲受した高床車両が「宮島口〜西広島間」を走っていた。

高床ホームが残る「商工センター入口駅」
草津駅
コンクリートに段差があるのは高床の名残。
それと滋賀県人と群馬県人が五度見する名前。

ホームには高床を削った柱があったり、ホーム丸ごと残している駅もある。宮島線の運賃形態や走ってる車両がロングサイズなのもこの名残と言える。

商工センター入口駅

隣には「JR新井口駅」

「商工センター入口駅」で下車。「JR新井口駅」が隣接していて、乗り換えが容易だ。

荒手車庫

奥に見える荒手車庫

この近くにあるのが「荒手車庫」。

遭遇したのよりさらに古い「ぐりーんらいなー」(左)

沿道から見てみると、たくさんの路面電車が留置。中には運用を離脱したであろう旧型もいる。

グリーンムーバー

個人的に見たかった「グリーンムーバー」という車両。「ドイツ生まれのヨーロッパ風LRV」と呼んでいたそれだ。

シーメンス(SIEMENS)生まれ。
日本の「アルナ車両」もバックアップしている。

ドイツのメーカー「シーメンス社」が製造。ヨーロッパのトラムのデザインが色濃く、異国情緒がある。いわば「本格派LRV」だ。

ドイツから輸入時、船を使わず、飛行機に載せられ、飛んできたというエピソードがある。鉄道車両が飛行機で輸送されるのは極めて稀。「空飛ぶ電車」とも言えるその姿はかなり注目され、インパクトがあった。

屋外に留置されている「グリーンムーバー」
長らく休車している。

しかし、海外製ゆえに導入コストやメンテナンスコストが高くついた。現在では半数が「部品取り(交換部品)」とされ、通常運行には供されない。一部は部品が取り外された状態で放置されている。

別の駅で遭遇した「グリーンムーバー」
2002年製の車両。

2000年代製の車両は未だ現役だが、訳ありの経緯を踏まえると、今後長生きできるか微妙な状況。あいにく乗り損ねたが、いつかリベンジして乗ってみたい。消えないうちに。

宝箱を巡る

宮島口駅の商業施設のラッピング
車内から間近で観察。

車庫っていうのは「宝箱」みたいなもの。より「博物館」の雰囲気が楽しめる。こういう車庫をあと2つ巡っていく。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。