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山形好きあま巡礼③(小野川温泉「宝寿の湯」で1泊)

映画『好きでも嫌いなあまのじゃく(好きあま)』聖地3ヶ所巡って米沢にやってきた。ここからは4ヶ所目兼泊まり先として予約したお宿へ向かう。駅からは遠いのでバスを使う。

マイクロバス!?

山交バスのマイクロバス

やってきたバスを見るとびっくり。
「え、マイクロバス!?これで合ってる!??」
混乱したが、ちゃんと行き先が温泉に向かうやつであることを確かめて乗車した。

好きあま×山交バス

「好きあま」では乗ってるのと同じ塗装の大型タイプが映画に登場。「山交バスグループ」の愛称「utoriaユトリア」のロゴが本物と同じくあしらわれている。エンドロールでも協力企業の1つとして名前が出てくる。

校外学習を思い出すのに上半分は路線バスという違和感。

小学校の校外学習ぐらいでしか乗らないバスだが、僕とお姉様だけだし、この時間なら案外事足りるかも。ただ、僕の故郷でもこのタイプの路線バスは見たことがない気がする。もう少し大きかった。

慣れてないお姉様とおつりでキレる運転手

あるバス停でお姉様が降りるときに少し混乱が見られた。
「バス初めて?」
という運転手の声かけとともに、慣れてないお姉様は小銭を用意していない様子。お札の両替が済んだはいいが、あろうことか両替した全てを払おうとしていた。運転手の説明が理解できずお姉様はあたふた。この堂々巡りでついに運転手がキレた。

おーつーり!!あなたのお金!!💢

全国津々浦々どこのバスでもお釣りが出ないように両替するものだが、分かってないにも程がある。もしラッシュだったら、ヤジが飛びそうだ。ただ、怒った運転手も仕組みを理解していないお姉様もどっちを擁護したらいいかわからなくなる。とはいえ、人間だもの。

そんな事件もありつつバスは、山の中へ。

小野川温泉

約30分で「小野川温泉」のバス停に到着。

ご当地IC「yamako cherica(ヤマコーチェリカ)」
Suica機能付きで普通列車や新幹線にも乗れる。
逆にICOCAなども山交バスで使える。

山交バスでは今年からご当地交通系IC「yamako cherica」を導入。他地域のICももれなく使えるようになっていて、僕はモバイルICOCAをタッチ。さっきの怒りが嘘のように、運転手から「ありがとございました」という言葉とともに晴れやかにお見送られた。

小野川温泉 宝寿の湯

バスを降りて坂道を5分。
今夜のお宿「小野川温泉 宝寿の湯」にたどり着いた。

好きあま×宝寿の湯

この辺で柊とツムギが力尽きてた。

ユキノカミから逃げてきた柊とおぶられたツムギが右手で倒れていて、竹中直人似の宿支配人「山下直也」に保護された。翌朝、宿の部屋で柊の目が覚め、女将「山下志麻子」が親に連絡するよう催促。しかし、どうしても帰りたくない柊が働かせてくださいと頼んで、しばらく住み込みでお手伝いすることになる。

サッカー好きな若旦那

フロントから出てきたのは、映画に出てきたような竹中直人似の支配人でもしたたかな女将でもない。
こってりした山形弁を話す30代ぐらいの若旦那だった。子持ちのパパさんでこの息子さんである小学校低学年ぐらいの男の子も泊まってる間よく見かけた。かなりの仲睦まじさだ。

若旦那の着てるTシャツを見ると、関西の某6チャンネルで見るあの文字が。

絶対に負けられない戦いが“小野川温泉にも”ある

「ムムッ」と来て「クゥーー!!」となるインパクトあるパロディ。調べても出てこないから若旦那自作だろう。

この翌朝の若旦那は、Jリーグ「モンテディオ山形」の青いユニフォームに身を包んだ。フロントから大浴場への廊下には選手のパネルも置いてある。この若旦那、根っからのサッカーファンなのが至るところでわかる。

部屋

部屋は3階で取った。2階が安かったが今回は思い切った。それでも9000円だから安い方だ。ちなみに1人で旅館に泊まるのは個人的に初めてのことだ。

泊まった部屋

部屋はこんな感じ。こんな部屋を1人で使ってええのん?!とびっくりする広さ。久々に畳で寝られるのも興奮してくる。部屋を一通り見たところで温泉へ入る。

貸切露天風呂

温泉は大浴場の他、貸切露天風呂もある。鳥の形をしたこけしを持ってくというだけで入れて、泊まってる人はもれなく入り放題だ。他に家族風呂もあるが、こちらは工事中で立ち入れない。

iPhoneナイトモードで撮った天の湯
ホントは何も見えんのに、こんなきれいに撮れんねや。

夜は真っ暗だが、ここまで独り占めできてしまう贅沢は初めての体験。源泉は熱いが、離れるとちょうどいい。

大浴場

ただ、シャンプー、ボディソープはないので洗髪は大浴場で。今日は平日だけあってかこっちも貸切のような贅沢だ。熱いのでのぼせ注意だけども。

牛肉どまん中

温泉から上がって、遅めの晩ごはん。駅前のどこかでとも思ったが、列車からバスへの乗り換えが短かった。それを踏まえて、かみのやま温泉駅で駅弁を調達してきた。

デパートの「全国駅弁フェア)でも常連である米沢名物「牛肉どまん中」。牛しぐれと牛そぼろが入っていて、甘く炊いたお肉がよく染みてる。後から思ったのだが、これもまた味が濃ゆい気がする。やっぱり東北の煮込み系は濃ゆいのが当たり前らしい。となると関西だしすすった東北人はどんな反応やろか?

朝風呂

寝て起きて翌朝。5時の日の出とともに目が覚めてしまい朝風呂に繰り出した。

宙の湯
こういう角度のお姉さんはよくあるけど。
いい湯に浸かるYuki

宙の湯と天の湯両方に入ってみる。貸切なのでこうやって自撮りすることもできちゃう。

朝風呂後は缶コーヒー

大浴場にも行って、湯上がりにコーヒー。至れり尽くせりってやつだ。

和朝食

和朝食の数々

7時30分になると朝ごはんの時間。おばあちゃんが1人でこしらえた和の朝食が並ぶ。映画だと大人数で動いてる感じだが、実際に宿にいるのは、若旦那とその息子さん、おばあちゃんの3人ぐらい。映画とリアルの違いはこんなところにもある。平日だからってのもあるかもだが。

後から出てきた味噌汁

しそ巻き

しそ巻き
一口かじってるのはご愛嬌。

朝ごはんで一番気に入ったのがこれ。なんだこの物体は?と思って食べると大葉と味噌の味。
「ご飯が進むやつや!!」
とびっくりしておひつのご飯をよそってかきこんだ。これでギアが上がってしまい、お腹がもたれた。

調べてみると「しそ巻き」という郷土料理だった。味噌をしそで巻いて、焼き鳥よろしく串刺し、それを素揚げする。保存食、夏バテ予防として山形では昔から愛される。山形No. 1ご飯のお供と言ってもいいかもしれない。

キーホルダー、スタンプも

帰りに買ったキーホルダー
柊が着てたシャツとダウン

スタンプも無事に押せてクリア。クリアキーホルダーも買った。ただ若旦那は映画について触れることはなく、個人的にも何か話すアレはなかった。まぁ、見た感じでサッカー愛が伝わるし、それだけでも充分だろう。


そんなお宿で1泊した僕。ビジネスホテルかカプセルホテル、ネットカフェぐらいしか泊まったことなく、旅館自体も石川県「加賀温泉」に行った中学生以来。1人旅史上初めての経験ながらいい旅館だった。こういうところにもたくさん泊まりたいなぁ。

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