鉄道のおなまえ
2024年に北陸新幹線の金沢から敦賀(福井県)までが繋がる。これに伴って、JR北陸線の並行区間が第三セクターに切り離され、福井県内と石川県内で運営が分けられる。石川県内は北陸新幹線金沢開業から営業している「IRいしかわ鉄道」が延伸される形に。そして、福井県内は新たな第三セクターが立ち上がって社名公募が行われた。その結果決まったのが
ハピラインふくい
社名には「鉄道」の文字が入らず、ポップで奇抜な名前。「ハピライン」と略されて路線名もこれで案内される見込みだ。
「鉄道」の名がつかない鉄道会社は既に「ウィラートレインズ」というのがあったりするが、営業路線は「京都丹後鉄道」、愛称は「丹鉄」で統一されている。また、JRも「西日本旅客鉄道」「日本貨物鉄道(JR貨物)」などという正式名称を持っていて、どこかしらに「鉄道」という単語が当たり前だっただけにこの社名には驚きが大きい。
名前の話で言うと山手線と京浜東北線の「高輪ゲートウェイ駅」の名前決定時にインパクトが大きかったのと、「高輪」単体が「1位」だったのを差し置いて決まったのが「130位」という公募の無意味さなどから反対運動が展開されるなんてことがあった。大阪の「コスモスクエア駅」やりんかい線と東京モノレールの「天王洲アイル駅」など「カタカナ駅名」は新興ベイエリアが多いし、由緒正しい歴史ある土地でこういう奇抜な名前はなかなか受け入れづらかったのだろうと僕は思う。
同じ感じで北陸線沿線の反発も少なからず起きそうなぐらい物議を醸しそうな「ハピライン」という名前。とはいえ、いざ受け継がれて、しばらくしたら慣れるかもとも思う。先の山手線を走る「E235系」も当初は「電子レンジ」と呼ばれる奇抜な外観やディスプレイが増えた車内が注目されたが、気が付けば「日本の通勤電車」の筆頭格として日常に溶け込んでいる。「フェラーリ」を手がけた「ケン・オクヤマ」こと奥山清行さんによるものということもあって、デザイン力の高さが窺える。
「ハピライン」にはこういう意味が込められているそうだが、地域に愛される文字通り「ハッピーを運ぶ鉄道」として活躍して願ってやまない。慣れればの話だが。