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11年前と今とノスタルジー その2

あまりにも思い出を綴りたすぎて「その2」に突入。ここでも、特に思い出に残った瞬間を詳しく綴っていく。

腹ごしらえとN700

11時過ぎ。ちょっとお腹が空いたのと「密」を避けるため、早いめのランチ。ここには「デリカステーション」という売店があって、「駅弁」や「シンカンセンスゴクカタイアイス」こと「スジャータ」のアイスクリーム、コーヒーなど、駅構内や車内販売で買えるグルメがラインナップされている。駅弁を買い、屋外にある食事スペースへ。

その場所は「N700シリーズ」の始まりであるN700系X0編成。試作車で「N700A」や「N700S」へのフィードバックを得るべく試験車として活躍した。その後は「N700S」確認試験車に役割を譲り、1号車、14号車、8号車グリーン車がこの場所にやってきた。大部分が現役で「西の新幹線」中心的存在の車両ながらこの時点でこの場所にやってきたのも新陳代謝の高さを感じる。「N700S」と入れ替わりで量産タイプの廃車も既に出ているぐらいだ。

そんなセンチメンタルに浸りながら室内へ。備え付けの空調ではなく、家庭用のエアコンを後付けして動かしている。ちなみに京都の鉄道博物館に休憩用で展示してある赤い客車も同じくエアコンをわざわざ使っている。おそらく、電気代がバカにならないのと動力源の問題からエアコンを置いたのだろうか。

それはともかく、今回はこの「グリーン車」で「駅弁」を頬張ることにする。

今回は「名古屋満載」という弁当。味噌カツ、エビフライ、天むす、あんかけスパ、名古屋コーチンの炊き込みご飯など「名古屋めし」あるいは東海3県を象徴するものが「満載」されている。そして、東海を象徴するドリンク「静岡茶」をお供に。
止まっている電車ではあるが、外の雨を見ながら、空調の効いた室内、快適なグリーン座席で食べる弁当は気分が高まっておいしさ倍増だ。

こんなICあったなぁ。


この日行ったときに東海道新幹線の歴史を紹介する企画展がやっていた。平成、令和時代のブースは僕のジャストミートな世代で懐かしい。

そんな中で気になったのは銀色に青い矢印があしらわれた「EX-ICイーエックスアイシー」。東海道山陽新幹線の予約サービス「エクスプレス(EX)予約」で購入したきっぷと決済の情報を紐づけて、発券せずとも新幹線に乗れるというもの。「ICOCA」「Suica」などいつもの交通系ICと重ねてタッチすることで乗り換えも容易だ。僕の父の財布の中にもこのICがあるのを目撃したことがあるし、新幹線通勤だった故に乗り方やサービスに精通、IT勤めや理系ゆえの最新ガジェットの強さでさぞかし使いこなしていたことだろう。

一応今でも作れるらしいが、今ではアプリ「スマートEX」で予約したきっぷの情報をいつものICに紐付けることでこれ1枚で改札を通れてしまう。さらに仕事やライブなどで時間が押して、予約した列車に間に合わずとも急遽変更できる柔軟さが高い。

僕もついこないだ始めて、この便利さにはワクワクした。また、決済手段も東海の「エクスプレスカード」と西日本の「J-WESTジェイウエストカード」のみだった制限が大幅に緩和。「VISA」「マスターカード」「JCB」などいつものクレカ、デビット、プリペイドなどが使える。電車だけではなく、いろんな人が使う東海道新幹線だからサービスの進化のスピードも速いのだろう。

日本最大級ジオラマ

ここにあるジオラマは東海道新幹線沿線を中心とした風景をイメージしたものでそこをJR東海の車両が新旧問わず駆け抜けていく。

東海地方、「リニア・鉄道館」は元より、僕が住んでる京都や大阪方面まで再現されていて、そこを走る313系などの在来線は滋賀県米原市以外の関西ではあり得ない光景であるためジオラマならではとも言える。

さらに名古屋駅地下には絶賛建設中のリニア中央新幹線もある。2027年開通予定ではあるが、揉め事が解決しない限り、これが現実になるのはこれ以上に時間がかかる。

川沿いの合戦場にはマイクロバスのトミカが止まっていて、そのうち1台には地元である「東海テレビ」の「スタイルプラス」という番組のロゴが描かれている。ローカル番組ではあるが、実家で「中日新聞」という東海ローカルのブロック紙のテレビ欄で名前だけ見たことあるし、その上、僕の大学時代の先輩が卒業後1年ぐらいスタッフとして携わっていたこともある。その先輩と就職したときに喋っていて、「新聞で見たことあります!」なんて言ったら「なんで知ってんの笑笑」って突っ込まれるぐらい。ただ、滋賀はもちろん映らないので内容は一切知らない。謎の記憶力を発揮した瞬間だった。

「リニア・鉄道館」の隣では大規模なフェスがやっていた。今やこんな何万人も密集した光景は過去になってしまっている。今のゆとりのライブも最高に良いし、「モッシュ」や「ダイブ」、その混雑でスるなどのならず者もいない。「ヨルシカ」を見て聴いてこれを超えるものがないみたいな感覚にもなるが、こういう日々が戻ってきてほしいなんて思ったりもする。

この他にも「花咲か爺さん」「桃太郎」「一寸法師」といったおとぎ話のキャラが隠れているなど芸が細かい。ジオラマならではでいろいろ楽しませてくれる。

丸々11年ぶりにやってきた「リニア・鉄道館」の思い出を写真集では語り尽くせない部分まで今回は綴った。展示車両は一部変わっているが、大まかなとこは変わらない。それでも700系や「N700シリーズ」の第一号がこの場所にいるのは時の速さを感じるし、24歳にしてこれだけ強くノスタルジーを感じるのは初めてかも。幼き日に大変お世話になったぐらいだし。「夢と想い出のミュージアム」とはまさにこういうことなのかも。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。