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人混みで経験した恐怖

ハロウィーン直前の週末に起こった韓国での悲劇。大ヒットドラマのタイトルにもなった有名どころで日本人を含めた大勢が命を落としたことで世界中で大きく報道されている。ああいうのを見ると僕が2度経験した人混みでの恐怖を思い返す。

祇園祭で

祇園祭のうち「山鉾巡行」は特に賑わう。5年前に、このシーンを生で見たいと思って、前祭の方に行き、四条通り周辺をうろついた。

「四条河原町」交差点。左の角で揉みくちゃにされた。

かなり人が集まる中で「四条河原町」に差し掛かるとかなり身動きが取りづらくなって、なかなか進めなくなってしまった。この場所は「辻回し」という方向転換がダイナミックに行われていて、最大の見せ場。やっぱり見たいがために滞留していたのだろう。「ちゃんと誘導してよ!!」という怒号も聞こえ、危険を察知した僕は流れができた来た道を戻って危険な雑踏から抜け出した。

遠目で「辻回し」
長刀鉾は「絶対センター」的で毎年先頭でやってくる。
それ以外の鉾は毎年、市議会場で行われる「くじ取り式」で順番を決めている。

とはいえ、テレビで見てきたのを間近で見れたのは良いもんだった。

ライブで

コロナ以前のライブでは公演が始まるとステージ方向に人が密集したり、「モッシュ」と呼ばれる「ド突き合い的おしくらまんじゅう」と言ったのがよくあったりする。僕は基本的にそういうのに乗らないし、バンドにもよる。ただ、3年ぐらい前に行ったとある対バンライブで予想に反して「モッシュ」に巻き込まれたことがあった。最前から2列目、真ん中あたりに陣取っていて、最初のバンドは幾分「平和」だった。しかし、後半のバンド2曲目ぐらいで唐突に3方向から「ド突かれて」潰されるような勢いで危険な密度。さらには僕のズボンポケットで「スろうとしたな」と勘づく手のうごめきが気持ち悪かった。幸い1度目のMCでなんとか後方へ抜け出し、貴重品類は全て無事だった。コロナでこういうことはゼロに等しくなったが、「スタンディング」であんなとこに行こうとは思わなくなった。「すみっこ」が落ち着く。

皮肉にも

ビジュアルを見たい気持ち、ライブだと暴れたい気持ちはあれど、それが集った人混みは嫌な結果を招くことが多かったりする。特にライブに行ったらトラウマを持つようになった人もそういうことがあったわけだ。コロナきっかけこういうのがほぼ無くなったというのは皮肉にもありがたいと思う。

違う意味で人混みが忌み嫌われるようになっても、歴史は繰り返す。約20年くらい前に兵庫明石で似たようなことが起こって、警備の不備が指摘されてる時点で「あーまたか」と思ってしまった関西人は少なくないだろう。思えば「モッシュ」「ダイブ」を禁止してもバンドによってやる人はやってしまうし、かつてはあまり咎められなかったから、あのような大ごとになっても不思議じゃない。ライブに限らず、「ラストラン」や「レア車両」といった鉄道にまつわることや「大物スター」を見たいなど注目されるいろんなことに言える。結局痛い目見るまで分からないのが人間の本能みたいなものかもしれない。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。