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バースデイきっぷ3日目

バースデイきっぷ最終日。琴平に寄った後は徳島へ向かいフェリーで関西に戻っていく。

ことでんとホムカミとくるり

宿を後にし、まずは乗ってみたかった「ことでん」こと「高松琴平電気鉄道」で瓦町から琴電琴平へ向かう。

この日の始まりである瓦町駅は黄色い琴平線、緑の長尾線、“離れ”から出ているピンクの志度線という「ことでん」全路線が集結するいわば「ハブ空港」。京急線、京王線、名古屋地下鉄で走っていた電車が未だ現役だし、「こくみん共済coop」「こんぴらさん」ゆるキャラの「ことちゃん」などラッピング電車もあってバラエティ豊かで1日乗っても飽きない。加えて、この駅上には「瓦町フラッグ」という商業施設があったり、駅前はビルが林立するなどの繁華街で「ことでん」の中心である。

一通り撮り終えると琴平行きに乗り込む。

ここに来て是非聴いて旅してみたかったこの曲。元々瓦町駅1番線(琴平線からの高松築港行き乗り場)の発車メロディとして「くるり」岸田繁さんが手掛けた曲をフル楽曲化したもの。メロディ、歌詞を付け足し、シンセサイザー調にアレンジ、さらに瓦町駅の放送を楽曲に入れるなどコテコテのファンである岸田さんらしさも盛り込まれる。ジャケットA面には琴平線の黄色い電車が描かれている。

そんなプレイリストは「くるり」とゲストボーカル畳野彩加さん擁する「Homecomings(ホムカミ)」縛りで選曲。後者が好きなのでそっちが多めだが、「ことでん」のスピードと「ホムカミ」の曲調はよく似合う。そして乗ってる電車は京急出身でそれを元にした『赤い電車』もええ塩梅だった。

この前日、高松に到着し、瓦町の宿まで向かうときにも「ことでん」の長尾行き(緑)に乗りこの曲を聴いた。夜でも似合う。

荘厳な駅と置き土産な電車

琴平までやってきた。

「こんぴらさん」こと「金刀比羅宮ことひらぐう」のお膝元で「小京都」のような雰囲気。

「ことでん」JRの駅ともにレトロで荘厳な雰囲気だ。

JR駅ナカの「セブンイレブン」も雰囲気に合わせるべく看板がモノトーンになっていた。四国一のお宮さんは格が違う。ただ、徳島からのフェリーの時間に間に合わないため「こんぴらさん」参拝は諦めて高松へ先着する普通列車で急ぐ。

今回乗るのは7200系電車。前日夜に乗った快速と全く同じだ。発車まで時間があるのと昨日は混んでいてできなかったも観察もせっかくだからしてみる。

うっすら見える文字跡はかつて名乗った「121系」の番号。JR発足が迫る中で、高松近郊の電化完成に合わせてデビューした「国鉄の置き土産」的電車。ギリギリの財務だった故に新品のステンレス車体で台車などに「おさがり」を多用するなど徹底的にコストダウンしたのが特徴。後に製造30年経った際に車体はそのままにモーターや台車などを新品に、車内の座席レイアウトを変え、番号も変えた。その上、台車が「カワサキ」製であることからバイクでお馴染み黄緑の帯が追加され、省エネな電車をアピールする「eco7200」のロゴも。

座席はボックスとロングのミックスが交互に配置。関西では見られない違和感ある光景。でも、ボックスを見ると自然と懐かしさを感じる。

ちなみに琴平で停車中にすれ違った高知行き「南風なんぷう」は「黄色いアンパンマン列車」!!旅してたらいろいろ奇跡起きるもんですな。

快速のときとは違って、ゆったりしたスピードで讃岐平野を駆けていく。「宇宙コンビニ」の曲や『うれしくって抱きあうよ』がよく似合う。

特急うずしお11号

高松からはすぐ特急「うずしお」に乗り換えて徳島を目指す。

今回乗ったのは2600系。「南風」で乗った2700系とは違って、緑の帯が省略されている上に、振り子ではなく新幹線や特急「しおかぜ」と同じ「台車の空気バネを傾ける装置」でカーブを通過する。元々は「南風」向けにもこれを導入するはずだったが、急峻で急カーブの多い四国山地の渓谷にはこれが不向きだったことで増備は見送り。試作車4両のみが比較的カーブの少ない区間を走る「うずしお」でひっそり活躍している。

車内は基本的に「南風」普通車と同様。こちらは可動枕もついている。乗り心地も振り子がないということで妹が酔うまでにはならないかも?

和歌山で夏日を記録したほどの暖かな日差しと眼前に広がる瀬戸内の海、そして、夏っぽい曲で駆け抜ける高徳こうとく線は心地よかった。

「うずしお」を持って、「バースデイきっぷ」の旅はフィニッシュ。指定席が使える乗り放題きっぷはJR西日本「どこでもきっぷ」で経験済みではあるが、駅によって「みどりの窓口」「みどりの券売機」「みどりの券売機プラス」でやり方が違う。ちょくちょく苦労もあったが、破格のいい旅をさせてもらった。使える期間が限られるものの、なかなかすごいきっぷでオススメしたい。

このあとはフェリーで本州へ帰路に着くことになるが、これはまた次回以降。

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