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変形性膝関節症の筋力強化~股関節外転のトレーニング効果~

変形性膝関節症(KOA)における四頭筋の筋力強化や有酸素運動、神経筋トレーニング等の運動は推奨されています。

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四頭筋をトレーニングすることで、「膝関節の安定性改善」「膝関節周囲の血流改善」「疼痛閾値の上昇」などの効果が得られ、KOAの方の疼痛の軽減や機能改善に有効です。


では、KOAの方に対するアプローチとして、
四頭筋のトレーニングや有酸素運動だけでよいのでしょうか?

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例えば、KOAの方では四頭筋だけでなく、股関節外転筋力も低下していると報告されています。じゃあ、「外転筋の筋力トレーニングも必要」と単純に考えるのではなく、”なぜ?外転筋力が低下しているのか?”を考える必要があります。

股関節外転筋力が低下しているから、股関節外転筋のトレーニングを実施するという、考えのない介入は効果的なアプローチに繋がるはずがありません。

1.なぜKOAでは股関節外転筋力が低下する?

KOAの方は内反アライメントを呈している方が多いです。内反アライメントが強いと、外部膝関節内転モーメント(KAM)が大きくなります。このKAMは変形性膝関節症の疼痛や病態の進行に関与すると考えられています。

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KOAの方は無意識的にKAMの軽減、または疼痛を軽減するために代償的な歩行戦略をとる場合があります。それが「患側への体幹傾斜や歩幅の減少」になります。

代償的な歩行はKAMの低下、疼痛の軽減に関与しますが、股関節外転筋を同時に使う必要性が低下し、筋力低下が生じる可能性があります。

代償性の歩行戦略は股関節筋力低下が生じますが、「KAMが減少し、膝関節の疼痛も軽減するなら良い代償戦略ではないのか?」と考えられます。しかし、股関節の筋力低下はさらなる骨盤の側方傾斜を引き起こし立脚期の前額面の安定性を低下させる可能性が高いです。

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