保健所の仕事

最近、何かと注目を浴びていた保健所の仕事やどんな人達が働いているのかについて、過去に3つの自治体の保健所で働いていた経験から内側の視点で説明したいと思います。

1.保健所の仕事について

 保健所の仕事は大きく3つに分かれます。

①人の健康に関する仕事

②生活にかかる衛生に関する仕事

③その他(助成金や保健所の運営)

 今回のコロナは①に該当します。そのグループの中で特に大変なのが、結核患者がちゃんと薬を飲んで回復するか管理する(比較的外国の方が多い)、精神疾患の方の相談や措置入院(警察と一緒になってやる)の2つの業務でした。

 この2つは通常時ですでに激務で、ほとんどの方が残業をしてるような状況でした。(私が働いた3つの自治体でどこも状況は同じでした)、コロナウイルスが蔓延してからはこの2つの業務に加えて感染症の動向把握をしているところが炎上し、感染症の担当者だけでは回らないのでみんなで手伝いながら、業務が終わってから本業の事務作業をやるような状況で本当にカオスでした。(保健所開始と同時に電話回線が2時間以上埋まりっぱなし)

2.保健所ってどんな人が働いてるの?

 保健所で働く人は、主に医師、獣医師、薬剤師、保健師、栄養士、精神福祉士、一般事務職員、動物愛護職員、臨時採用職員、たまに歯科医師(昔は採用していた)の方がいます。(1番多いのは圧倒的に保健師)

 医師は基本的には保健所長だけです。若手の医師は公衆衛生系離れがすごく(激務で薄給、保健師からのプレッシャーに耐えられない)各自治体で人材が全く育っていないのが現状です。法律改正しないと保健所長いなくなりますね。

3.保健所で働くには?

 保健所の多くは県営の保健所が多いので、県職員になる必要があります。政令市、中核市、保健所設置市は市が運営しているため、市職員です。保健所で絶対働きたい!と考えている場合は、専門職になると良いと思います。

ただ、職員になってもずっと保健所にいれるというわけではないのでご注意ください。県職員も市職員も3、4年度で異動があります。

4.保健所の仕事は大変?

 配属先と一緒に働く人によって驚くほど仕事の忙しさが変わります。私は幸運なことに働くメンバーにはかなり恵まれましたが、同じ職場で同じ業務でも年度によってびっくりするぐらい違ってました。自分ではコントロールできないのでストレスがかなりかかります。

公務員は真面目で頭は良い人が多かったのですが、性格に問題があったり、やる気が全くなかったりといった人が一定数いました。そういう人と一緒になると本当に大変そうでした。運ゲーです。

あと、公務員は精神を病んでしまう人がかなり多い。(保健所だったからかもしれませんが)どの職場にも必ず何人か来れなくなってしまった方がいました。

5.保健所で働いて良かったこと

 保健所で働いて良かったと思うことは、「いろいろな業種や生活環境の方から様々な話が聞けたこと」です。

 私は13個の法律に関わっていたので本当に様々な企業の方や県民の方の相談に乗り、困っていることや新しい事業のことなど色々な話が聞けて視野が広がりとても勉強になりました。

6.さいごに

 保健所は間接的に人のいのちや生活を救うことができる職場です。コロナウイルスの関係で、将来保健所で働きたいと考えた方が少なからずいるかとは思います。少しでもそういった方の参考になればと思い書きました。マイナスのことも書いてしまいましたが、保健所はやりがいのある仕事だと思っています。もし、もっと詳しく聞きたいことがあれば直接メッセージを送っていただけたら色々とお話しできることがあると思いますので、気軽にメッセージをください。

https://www.facebook.com/yuusuke.kurokawa/



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