一口読書感想文「読書は格闘技」

Amazonで急にオススメされたのでなんとなく買った。
もう亡くなった投資家の、瀧本哲二さんという方が書いた本。同じ著者の「君に友達はいらない」というタイトルをちょっと前に本屋の棚でよく見かけた気がする。

読書を格闘技と呼ぶ理由は何かというと、本に書いてあることをただ素直に受け入れるだけではなく、批判的な目線を持ち、作者と自分の意見を闘わせることで読書体験がより良いものになるからということらしい。
それぞれのチャプターごとに2冊ずつ本が紹介され、本Aと本Bと著者の意見を三つ巴の形で戦わせて行き、読み進めて行く過程でディスカッションスキルを身に付けることを(多分)狙いとした面白い構成だった。
ジャンルもビジネス書、伝記、小説、児童文学と幅広いしチャプターの最後にはそれぞれさらに4冊くらい本が紹介されているのでブックガイドとしても良い本なんじゃないかと思う。

ここに紹介されている本は著者からすると少なくとも批判に値する良著なわけなんだけど、じゃあ、批判に値しない本は何かというと、エビデンスがあやふやだったり、本の内容を正しく見せるために偏りのある情報を掲載していたり、要するに議論から逃げているような本。それらは読む価値がないとわりとはっきり書いてあった。
たしかに。でもそれって本だけじゃなくてあらゆる作品、そして人間にも同じことが言えるよな〜。
話し合いの中で正当な批判を意見として受け入れる力はビジネスだろうが学問だろうが恋愛だろうがどんな場面でも建設的な方向に進む上で最低限必要だから、それが出来ないあらゆる物や人は出来るだけ避けて生きた方がいい。
瀧本さんはきっと、可愛い女の子たちがロクでもない男に引っかからないで欲しいナと思ってこの本を書いていると思うよ。(絶対違う)
ただまあ、「良し」だけに触れていても物事の良し悪しは分かるようにならない訳で、体験として多くの「悪し」にも触れる必要は絶対にあるとは思う。

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