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リスキリング

従来働き手の能力再開発は主に勤務先経由で行ってきたが、個人への直接支援に切り替えるという。

(日経新聞記事より)

とのことで、”リスキリング”をテーマに、「複眼」での取材をいただいた。

 日本の会社で働く人も、起業家やフリーランスでなくても、ここで日立製作所の中畑専務も仰っているように、「自分のキャリアは自分でつくる」というのが大原則である。なぜなら、新卒で会社に入り定年まで同じ会社で勤め上げる「終身雇用」の時代は、とうに終わっているからである。

 ただ、会社、特に大企業に属していて忙しくしていると、「一生懸命目の前の仕事をしていれば、キャリアの心配はない」と勘違いするか、またはそう思い込んでしまう。

 ただ、会社はその人の人生を保障してくれるわけではない。成果を出せば重用するし、そうでなければそれなりに、ということで是々非々で対応するだけである。もちろん、一人ひとりのキャリアに寄り添ってくれる会社もあるだろう。しかし、保障してくれるわけではないのだ。

 だから、目の前の仕事で成果を出すべく注力するとともに、自身のスキルを身につけることが大事なのだ。

 そして「リスキリング=学び”直し”」ではない。常に学び続ける、ということだけだ。学ぶのは学生時代、社会に出たら実践の中で学ぶのみ、という勘違いがあるから「リ(〜直し)」と言われる。

 そもそも、学生時代に社会で活躍するために必要なスキルをどれだけ学んでいるだろうか。研究職の方は、学部や院で学んでいるかもしれない。でもそれ以外の方は、社会で活用できるかどうか、という点ではほとんど役立たずなのではないか。

 そして社会に入ってからも、仕事に必要な知識以外に学ぶことはたくさんある。
例えば頭を働かせるためのロジカルシンキング、クリティカルシンキング。コミュニケーションに必要なリスニングやプレゼンテーションなどのスキル。

 戦略的にものごとを進めていくための戦略思考。マーケットに接する時にどう考え、実行したらよいかのマーケティング。その事業の収益性を考えるうえで必要なアカウンティングやファイナンス。

 さらに現在、仕事をするうえでは切っては切り離せない、IT、AIの知識、スキル。今多くの方がChatGPTなどの生成型AIに触れたことがあろうが、これをどう仕事に使えるか考え、チャレンジされている方はどのくらいいるだろうか。

 私たちは頭をフルに動かすスキル、仕事の成果を出すための実践スキル、ITなど未来をつくるためのスキルなど、とにかく学んで、鍛えることばかりである。

 もちろん、学んで鍛えればよりどんどん成果をだしやすくなるし、鍛えなければ成果は出づらい、または現状レベルで満足、というだけなので、成果を出さなくてよいのなら鍛える必要はない。それだけだ。鍛えないで、単に一生懸命、目の前の仕事をしていれば結果が出続けるほど、甘い時代ではない。

 さあ、私たちは、学び続けるか、学ばないでぼーっと仕事するか。

 冒頭の話に戻ろう。だからこそ、会社主導の能力開発ではなく、個人が主体になっていく。望ましい方向だ。自分のキャリアは自分でつくるのだ。

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