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サポートをする立場の人こそ、支えられる経験を。

年を重ねてくると、自分の親や身内も年を重ねてくる。

親や身内、子どもやペットといった自分以外の人を
サポートする機会が訪れたりもする。

私は祖父母を見送り
愛犬4匹を見送ってきた。

特にこの1年間の間に
10年、15年、17年を共にした愛犬を見送った。

この1年は愛犬たちの闘病・介護、旅立ち、見送りを
3回経て、死生観・人生観が変わったと思う。


愛犬の介護を経て


人間は介護の施設や医療機関、支援制度があるけれど
ペットには介護施設も支援制度もなく
介護の実情は家族が全て見ることとなる。


言葉を発することができない愛犬の訴えていることを
読み解いていくには「非言語」を読み解く洞察力や
観察力・分析力が必要とされる。

人間よりもアプローチが難しく
人間よりも身体も小さく、純粋な命と向き合うことは
精神力も洞察力も高めていくことと繋がった
と今では思う。

特に長年共にした愛する人や
動物の最期のときを見ることも向き合うことも
とても辛いもので。

旅立つ人や動物は自分の命が尽きるまで
最後まで生きる姿を見せることで
私たちに「生きるとは?」「生き抜くとは?」
という問いかけを与えてくれる。

高齢となってきたり
疾患を患っていたりして
旅立ちが近づくほど

「医療」でできることが
減っていく。


点滴の量が入らなくなってきたり・・・
薬が効かなくなってきたり・・・

できることがなくなってくる。

最善を尽くしても
反応が乏しくなってくる。

そのとき、医療者であったり
支援者となる家族は

「自分にできることがない」と
無力感を覚えたりもする。

介護が佳境となってきたとき


・車に乗ったときに涙が溢れ出す
・ため息がでて脱力する
・動けなくなる
・気力だけで動いていて
 その気力も尽きそうになる

こんな経験をしました。


私が経験し、感じるのは


旅立ちに向かうとき

医療的なことだけが
「してあげられること」ではないということ。

枯れゆく命に対して

人と人との温もりを与えること。
安心感を与えること。

 

「撫でる」
「触れる」
「さする」
「つなぐ」
「そばにいる」
「見守っている」
「声をかける」
「見つめる」
「あたためる」
「良い香り」
「温かいぬくもり」
「心地いい音」


これらは医療・介護者じゃなくても
家族でも身内でもできること。

むしろ、家族や身内だからこそ、できることだと思う。

自らが癒やされる経験を



旅立ちに向かうとき
医療的なことだけが
してあげられることではない。

ただ、自分自身が「してもらう経験」をしていないと
そんな案も出てこないかもしれない。


どんなことをされると、嬉しいのか。
どんなことをされると、ホッとするのか。
どんなことをされると、安心するのか。
どんなことをされると、穏やかになるのか。
どんなことをされると、和らぐのか。

自分がそれらを経験していたら、
その経験を自分が相手に
味わってもらうように提案したり、提供できる。

自分が自分に安らぐことを許可していなかったり
自分が自分のための癒しを取ることを
許可していなかったりすると

目の前の相手にも、それが反映する


支援者こそ、支援される経験を。

支援者こそ、助けてもらう経験を。

自らがサポートを受けた立場になったからこそ
相手の立場も推測して行動できる。

自らが受けたからこそ
アイデアが生まれる。

人に迷惑をかけてはいけない。
身内の問題だから自分でなんとかしなければならない。

そんなふうに思って
人の助けを受け取れない方がもしいたら

こんなことを冷静に
他者から問いかけられたかのように
自分に冷静に問いかけてみてほしい。


・支援を受けることは、いけないことか?
・人を頼ることは、人に迷惑をかけることか?
・助けを求めることは、恥ずかしいことか?
・異なる立場の人に、サポートを受けることは惨めなことか?


ちなみに私は困ったときは助けを求めることを素直にする。
それは自分のキャパシティの小ささを認めているから。

そして、自分が不得意なことやできないことを認めているから。

「できない自分」を素直に受け入れ
「できる方」にサポートをもらう素直さを持つ。

これが相手への敬意にも感謝にも愛にもつながると
知っているから。

私の場合、サポートをもらったことで
得られたことがたくさんある。

一例を出すと

・支援を受けたことで、新たな繋がりが広がった
・頼ったことで、自分にできることがわかった
・助けを求めたことで相手が自分にできるサポートをしてくれた
・異なる立場だからこそ、視る視点が違い視野が広がった

などたくさんある。

支援を受ける立場になると
かける言葉も在り方も変わってくる。

サポートを受けることは
素晴らしい気づきと学びを
受け取れることでもある。

自分にできないことをサポートしてもらうことで
プロフェッショナルの方々の知識や経験への敬意が生まれるし

どんなことが嬉しいか?
どんなことがあると安らぐか?

体感すること自体が
素晴らしい学びになる。

支援をする立場の人こそ
サポートを受ける、助けてもらう
立場にもなろう。


どん底のときを経験して
光の方向性を知っている人はいる。

支援者こそ、助けてもらおう。

一人だと思っても
人は一人じゃないもの。


孤独じゃないのに、孤独にならないで。

差し出されている手を掴んでいこう。

朝が来ない1日はない。
必ず、闇は明けるから。


最近の出来事から綴りました。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。



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