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ワクワクするようなローカル・モビリティは、今後いつ生まれてくるのか?

(この記事は、『ローカル・モビリティ白書2020』の最終章を、ほぼそのまま掲載しています。ご購入の際はご注意ください。)

ローカル・モビリティに特化した書物がどれだけ探しても見つからないので、「ないものは自分で作ってみよう」という狼煙のもと作り上げたのがこのローカル・モビリティ白書。とにかく、調べるといろいろなことが出てきて、「しらべる・まとめる」のが性分の筆者はそれだけでワクワクしてきた。しかし調べれば調べるほど、ローカル・モビリティの奥深さに気付かされたのも、紛れもない事実である。ローカル・モビリティ沼のようなものか。

とにかく先人たちに、学ぶことが非常に多かった。制度にしても、システムにしても、技術にしても、実はじゅうぶんに考え尽くされ、試されてきた結果が今だ、いうこともわかってきた。短絡的に今が不便、というわけでもないし、今が便利というわけでもない。移動時間の短縮という側面で見ると便利になったのかもしれないが、かつてはもっと多様な時間に動けていた区間も、無限に沢山あったりする。単に公共交通網の有無だけで測れない利便性や快適性もある、ということも分かってきた。電気自動車バスは、なんと戦後すぐから走っていたわけだし、地域公共交通の活性化に向けた取り組みも、昭和のころから盛んだった。

じゃあなぜうまくいかないのだろうか。じゃあなぜ課題だと言われているのだろうか。ここからは、白書という体裁から外れてしまうかもしれないが思いっきり私の私見を書かせてもらいたい。

1.日常的な「ドキドキ・ワクワク」の復権

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