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日記のようなお手紙Ⅱ

ゲストハウスでの出会いは運命的だった。
東京に到着した日。ドミトリーのドアを開けた瞬間、目線が衝突した。隣同士の私とあなた。「はじめまして」と言いながら、昔から見知っているような感覚がした。きっと魂が近いところにいる。自然と私たちはカフェに行く約束を交わした。

音楽をしているあなたは、言葉よりも音がコミュニケーション手段。私も何か音楽をしていればと一瞬後悔した。その一瞬の後悔も忘却するほどに心地いい感性を纏っているあなたとの会話は、私がずっと求めていたものだった。あなたもたくさん悩んで苦しんで、それでも前に足を進めて今私の前にいるんだね。手懐けられない感受性、不器用で実直、必要以上の責任感……。真正面からぶつかって転んで。必要でない持ち物を少しずつ脱ぎ捨てて。逞しい目の輝きは本物。

私たちは再び生まれようとしている。今は子宮の中で栄養を吸収しながら、じっと肺に酸素を入れる日を待っている状態。心が流れるままに身を任せて。それだけで十分。いつ生まれるのか、どこで生まれるのか、それはきっとギフト。

あなたがどんな選択をしたとしてもそれは正しい。正しさなんてこの世には存在しないことは知っているけれど、あなたに関しては正しいと言わせて。あなたの信じるものはすべて味方してくれるよ。
お互い生まれたらハグしようね。

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