【不思議体験】新築マンションの怪(小学生)

小学4年生に上がるタイミングで6階建ての新築分譲マンションに引っ越しをして高校2年生まで住んでいました。が、そのマンションは新築なのにとても不気味な家でした。

マンションの内見の日 家族皆で行く予定でしたが、私は体調が悪く1人でお留守番をすることになりました。
あの日、家族と一緒に内見に行っていればよかったと今でも思います。

そしたら、この家は嫌だと反対できたのに。

そのマンションは、大雨の日に崖崩れがおきた場所に建築された あまり良いイメージの無いマンションでした。

正面から見ると普通のマンションに見えますが裏側は4階まで覆うように斜面の壁があり、1階と2階は埋もれた様な状態で窓がありません
崖の前に作られたマンションだったのです。

我が家は、4階の角部屋で4LDK
6畳の和室が2つ、絨毯敷の6畳と4畳半の洋室が1つずつ、8畳ほどのダイニングキッチン

小学生の時は妹と同じ部屋で、和室6畳間にお布団を敷き寝ていました。

引っ越しをして間もない小4のある日、夜中に目が覚めて 常夜灯のオレンジ色の光で薄暗い部屋の中、静かに頭を動かし右隣で寝ている妹を確認して、反対側のカーテンの閉まったベランダ側に目をやると、ふと私の左足の膝 横辺りに背中を丸めた小柄なおばぁさんが座っていることに気が付きました。
見知らぬおばぁさんです。
私の方を向いて手を合わせて祈るような姿で正座をしています。
声は出さず心臓が跳ね上がりました。

おばぁさんの方を見ない様に目をつぶっていましたが、怖くて眠れないし、どうしても気になるので、おばぁさんに話し掛けてみようと思い、意を決してガバっと起きて座り、おばぁさんの座っていたところを見ましたが誰もいませんでした。
ホッとした気持ちと、荒くなっていた呼吸を整え布団を深くかぶって眠ることにしました。

それから数カ月後の秋。
また夜中に目覚め妹の寝顔を見て、もう一度眠りにつこうと上向きに目を閉じると、どこからともなく音がします。
文字にすると「けけけけ けけけけ」というふうに聞こえてきます。
座って辺を見る、また「けけけけ けけけけ」と聞こえます。

妹は寝てるし気持ち悪いし

布団に潜って耳を塞いで目を閉じました。

すると突然、リビングの横にある電話が鳴りました。
真夜中です。
夜中の電話に良い知らせは少ないように思います。

電話に出なくちゃと目を開けると私、ベランダの戸を開けて裸足でベランダに直立で立っていました。
いつからそうしていたのか
びっくりして電話にも出ず、布団に戻りなぜか寝たふりをしていると、やっと母が起きてきて電話に出ました。

電話は、父方の曽祖父の危篤の知らせでした。
父は慌てて家を飛び出していきましたが間に合わなかったそうです。

あの時、電話が鳴っていなかったら私はどうしてたんだろう、ベランダで。

なんとなく初ひ孫の私を曽祖父が助けてくれたのかなと今は思います。

とにかく、昼間でも家に1人でいると バタンッと、洋間のドアが閉まる音がするので、恐る恐る見に行く。けれど どこのドアも閉じていないと言う事は日常で、いつも誰か人の気配を感じる家でした。

中学生編へつづく


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