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人生の主人公になろう〜大企業からスタートアップに異業種異業界転職した話〜

はじめに

2020年年明けに大手監査法人から在インバウンドタレンド向けwebサービスを展開しているITベンチャーへ転職しました。3年間務めていた監査の業界から全くの未知の領域への転職というのは自分にとって大きな転機であったため、ここ1年間の自分の考えを整理するため、また私のような異業種異業界の転職を目指されている方にとって何らかの参考になればと思いこの記事を書くことにしました。

私の簡単な経歴

日本のアニメが好きのがきかっけで、中国で高校卒後日本へ留学することに。1年半の日本語学校を経て、一橋大学商学部に進学し、在学中にいわゆる「手に職を」と考え、日本公認会計士を目指しました。大学卒業後、受験準備しながら正社員として働ける中堅の監査法人に就職しましたが、会計士試験の論文試験(2次試験)に合格できず、方向転換してUSCPAを受けることに。合格後、もっと自分の語学が活かせるグローバルな会社と関わる仕事をしたいと思い、4大監査法人に転職しました。1年間勤務の後、異業種異業界の転職を決意し、株式会社LincにLinc Internという新規事業を推進するメンバーとしてジョインしました。

転職した理由

転職した一番の理由は監査の仕事の性質が自分に合わなかったことと、よりやり甲斐とパッションが感じられる仕事が見つかったからです。
もう一つの理由は、監査という仕事の将来性に疑問を感じ、「このままだと自分の市場価値が上がらないのでは」と焦りを感じ、将来AIに代替される仕事より、人間しかできない創造的仕事をした方が楽しいし、キャリアのためにもなると思ったからです。

転職するまでの経緯

違和感とモヤモヤ

自分のキャリアについてモヤモヤをを感じたのは半年前からです。資格受験が終わり、他のことを考える余裕ができて、「このままで本当にいいのか」を考えるようになりました。4大監査法人に入ったはものの、なぜか幸せではない自分がいます。
財務監査の仕事は決まった会計基準と監査手法に基づいて財務諸表の適正性を検証することです。業績が落ち込んでも、赤字になっても、それが財務諸表に正しく反映されているのであればそれで問題ないわけです。結局売上をどう伸ばせばいいのか、などは監査とは全く関係がないです。監査の仕事は基本ファクトベースで、創造性を発揮する場面がなく、クリエティブティを仕事に求める人に向いていないんです。私は小さい頃から絵を描くことが好きで、無から何かを生み出し、形にすることが好きなので、監査の仕事が自分と相性が悪いと感じていました。
さらに、今監査の現場ではどんどんアナリティクスが適用され、近い将来には監査ロボティクスが導入されます。ブロックチェーンやAIなどの技術がどんどん進化して、未来5年、10年には監査の仕事がなくなるかもしれない、少なくとも今のスキルでは通用しなくなります。「このままで本当にいいのか」と日に日に焦りが強くなっていきました。
 今の仕事が自分に合っていないことは知りましたと、で、自分は何をやりたいの?

自分自身と向き合う

「自分は何をしたいか」を知るためにはまず「自分」を知ることから。なので、私は自己の過去を振り返り、「自分がワクワクする瞬間」「喜びを感じる瞬間」、「気づけば自然と考えていること」とは何かを考えるようにしました。
私は小さい頃から絵を描くのが好きで、頭に浮かんだことを形にすることにワクワクします。さらに課題を発見し、それを解決するためのソルーションを考えることが好きで、気づけばそればっかり考えていて、「それやろう」、「あれやろう」とテンション上がります。
例えば、私は2年前から着物にはまり、着物ほど優秀なファッションはないと思いました。ただ、日本人にとって着物にはいろんなルールがあって、高いし、着付けがめんどくさい、など根強い固定観念があって、普段着として着物を着る人が少ないことに課題を感じました。そこで普段着物の普及活動を始め、週末の時間を使って20以上のイベントを企画し実行しました。100以上の参加者に着物ファッションの楽しさを感じてもらいました。インスタでは1200人以上のファンがつき、さらに去年の秋には代々木公園で行われたファッションイベントで着物スタイリストとして参加し、「和洋ミックススタイル」のファッションを披露しました。一人でも多くの人に「着物って自由に着ていいんだ」と感じてもらう瞬間が一番喜びを感じました。

写真ライブラリ

自分と向き合う過程で、いくつかのキーワードが出てきました、「課題解決」、「デザイン」、「創造」、「企画」…… それらをまとめると、「クリエイティブの手段を用いて課題解決をすること」をしたいのではないかと、なんとなく方向性が見えてきました。

UIUXデザインとの出会い

それと同時に、「デザイン経営」、「デザイン思考」、「MBAよりMFA」といった内容の記事がよく目にすることになりました。ビジネスとは無縁なデザインがなぜかビジネスニュースにも登場してきています。「デザイン」は昔からずっと興味があって、美術大学に行くかどうか迷っていたくらいでした。ただ、10年前はデザインというと、グラフィックデザイン、インテリアデザイン、ファッションデザインなどを連想させる言葉で、周りにデザイナーもなく、憧れはあるものの、兎に角とても遠く、自分のキャリアとは無縁の存在でした。
色々調べているうちに、goodpatchのCEO土屋さんのnoteを見つけて、始めてデザインがビジネスに与えるインパクトがそんなに大きいのかと知って、衝撃を受けました。そこから初めてUIUXという言葉を知り、「UIUXって何、おいしいの?」という状態からどんどん興味が湧いてきて、いろいろ調べているうちに、デザインに対する認知が一新されました。

なぜUIUXデザインに興味を持ったかというと、デザインの中でも特にビジネスと緊密で、ビジネスに一番インパクトを与えるからです。「デザイン」というと、プロダクトの見栄えや表面上の見た目を綺麗に整えることだと思う人が多いかもしれません。つい少し前は私もそう思っていました。

特にUXデザインは取り扱う範囲がとても広くて、ユーザーがサービスを知ってから忘れ去るまでの全ての体験が含まれます。横が広いだけでなく、縦もすごく深い。普段私たちが目にする表層の部分は全体のほんの一部分で、表層→骨格構造→要件→戦略、各要素が緊密につながっていて、そして「戦略」が全ての土台になっています(UXデザインの5段モデル)。「content is king, UX is queen」継続的にユーザーに使ってもらい、ビジネスを成長させるためにはUXデザインはなくてはならない存在。それでUIUXデザイナーはデザインの中でも特にサービスの上流から関わることができると考えました。
「クリエイティブの手段を用いて課題解決をしたい」と言いましたが、それ手段の一つにUIUXデザインのことかもしれないと、やっとやりたいことを見つけたことに興奮を覚えました。

一歩踏み出すまで

ただ、今自分がいる場所はあまりにもUIUXデザインに遠いところで、どうすればそこに行けるのか全く分かりませんでした。南極と北極くらい遠いじゃないかと(笑)。「悩むより行動しろ」と、とりあえずデザイン本を買って、オンラインの学習動画を見て、Adobe XDを使って実際やってみることにしました。やっぱりとても楽しくて、週末の時間を全部UIデザインの勉強に費やしました。さらにcocoda!というデザイン学習サービスを知り、仮想のお題をやったり、cocoda!の交流会にも参加して、未経験でデザイナーになった人もたくさんいることを知りました。真っ暗のトンネルに光が射し込んだように感じたので、cocoda!は本当におすすめです。

いろんな未経験でデザイナーになった人のnoteを読みながら、真似すればいいのか、それとも自分に合ったやり方は他にあるのか、UXデザインは範囲が広いからこそ、切り口をどこにするか本当に悩みました。いろんな人にも転職の相談をしましたが、皆違う答えで、どう次のステップに行くかは分かりませんでした。

現在地から目的地までの距離は一歩では到達できないとしたら、間にステップを挟む必要があると感じましたまずはデザイナーじゃなくても、アイディアを形にする過程、つまり新規事業の立ち上げの過程に関わることはできないかと考えました。もちろん、今の仕事を辞めてデザインを勉強することも考えました。ただ、まだビジネスに対する理解が深くない中でデザインの領域に踏み込むと、どっちも中途半端になる気がして、UXデザインとシナジー効果のあるビジネス職から入った方がキャリアの差別化になるんじゃないかと思いました。まだ頭が整理し切れていないですが、とりあえず、wantedlyでもっとクリエイティブに働ける仕事はないか探し始めました。

スキルなし経験なしでスタートアップに転職

wantedlyで株式会社Lincのを見つけたときピンときました。戦略から実行までのopen positonで応募しましたが、最初は軽く話しを聞く気持ちで行きました。CEOの仲さんが自ら出向いて、Lincのミッション・ビジョンを熱く語ってくれました。「インバウンドタレントが日本社会で生きていく上での機会損失を無くし、国籍関係ない「個」が輝ける多様性と包容力溢れる社会の実現したい」、を聞いたときは、自分の留学時代を思い出して非常に共感しました。日本語学校と大学時代は視野が狭くて、社会ともあまり接触がなかった、それで「自分がやりたいこと」を見つけるのに時間がかかったのではないかと思いました。カジュアル面談が終わったすぐ仲さんが「うちにジョインしませんか」と私に言いました。そんなにあっさりでいいの、て耳を疑いましたが、とても嬉しかったです。
面談から2週間後には上司に転職することを伝えて、12月末やめることにしました。上司も先輩もびっくりして、私自身もそんなに早くやめるとは全然思ってませんでしたが、「今挑戦しないと一生このままだ」と、挑戦して失敗してもその経験が次に繋がるから、むしろ何も挑戦しない方が、いつ「茹で蛙」になっても分からない、今の時代はリスクを取らないことが一番のリスクと思いました。外の人から見ればとても軽率な決断だったかもしれませんが、何の迷いもありませんでした。

新しい仕事始めて1ヶ月の所感

とにかく時間過ぎるのが早過ぎる、気づいたらもう1ヶ月か。大企業と比べ一番の違いはやっぱりマインドセット。大企業を10000人が乗っている大きな船に例えれば、スタートアップは10人で漕いでいる小さな船。大きな船だと、別に自分が少しサボっても船は問題なく進むんですが、10人の船だと、誰一人サボっても船は沈んてしまいます。要は、スタートアップでは自分がやらなければ誰もやる人がいないので、圧倒的な主人公意識が必要です。まさに行動指針にもあるように「今やる、すぐやる、私がやる」。そして圧倒的な目的意識が求められます。以前の仕事は任された作業をやるだけでよかったんですが、今の仕事はそもそも「なぜやるか」、「それは優先的にやるべきか」、「それをやることによってどんな状態にしたいか」から考えなければなりません。

私がやっているのはLinc Intern という外国人留学生と日本企業の長期インターンをマッチングする事業です。外国人留学生にとって本当の意味での日本社会への第一歩、そして自分のキャリアと人生を深く考えるきっかけにもなる長期インターンの機会を提供する仕事で、とてもやりがいを感じながら、本当に何も出来なかったって痛感して、人生の中で一番失敗が連続した1ヶ月でした。逆に今までそれだけ挑戦してこなかったとも言える、挑戦がなければ失敗もないわけですから
答えのある世界から答えのない世界に、全くマニュアルが存在せず、全てのことは目的から考え、仮説を立て、検証して改善していく、PDCAを鬼回す日々。
ビジネスの進め方からヒアリングの仕方、クライアントへ送るメッセージまで、どんな些細なアクションでもCEOとCOOからフィードバックを頂きました。そんなに従業員と対話し、フィードバックしてくれるCEOは見たことないので、本当に感謝しかないです。
これからも圧倒的な目的意識と主人公意識を持って果敢に挑戦していきます!

幸せについて考える

日本や中国では小さいごろから自分自身を知る、自分と対話するための教育があまりなく、自分が何をやりたいのか、どうすれば幸せになれるのかについて考えてこなかった人が多い。その結果、自分の人生において主人公意識がなく、世間一般が言う「幸せ」になるためのレールに乗せられ、結局全然幸せじゃないと後から気づきます
人生において自分の意識で意思決定した回数は何回ありますか?大きな決断と言うと、私は今まで2回しかなくて、1回目は日本留学、2回目は今回の転職、よく考えれば意外と少ないことかもしれません。幸せに影響する要素はたくさんあると思いますが、自分の意志での意志決定回数が一つのKPIかもしれません。そのKPIに影響する要素は「外の世界に対する認知」(情報)と「自分自身に対する認知」があると思います。自分自身と向き合い、心の声を良く聞き、そして好きなこと(或いは嫌いではないこと)をやってみる。現在地から動いて初めて新しい景色が現れるので、現在地でクヨクヨ悩んでいる時間があったら、まず何か新しいことを始めればいいです。新しい本を買って読んだり、新しいイベントに参加したり、新しい人と会ったり、新しい習い事を始めたりしてみてください。
「好きなことでは食べていけない時代」から「好きなことをやっても食べていける時代」、そして「むしろ好きなことをやらないと行きていけない時代」へとなろうとしています。せっかく良い時代に生まれたので、やりたいことをやらないと人生めちゃくちゃ損しますよ
 「人生で一番悔いが残るのは挑戦しなかったこと」、この言葉を胸にこれからを生きようと思います!また明日から新しい仲間たちと新たなチャレンジが始まります!

最後に

Lincでは「個」が輝く包容力、多様性溢れる社会を実現していく仲間を絶賛募集中です!中国語と日本語が飛び交う風通しのとてもいい組織なので、興味ある方ぜひオフィスに遊びに来てください〜

wantedlyはこちらから

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(先日の新メンバー歓迎ランチの様子)

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(経営陣による戦略共有会議の様子)

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