巷に蔓延る「n=1」の勉強法は参考にするべきか?

現在の日本は、「大学進学が当たり前」、という時代に突入し、熾烈な受験戦争を経験している人が多いのではないでしょうか。

それだけでなく、様々な資格や企業に就職する時ですら、何かしらの対策を講じなければ問答無用で足蹴りされる時代です。

それと同時に、今までは紙媒体でしか存在しえなかったものが、インターネットという、国内のみならず国外からでも簡単に情報を仕入れることのできるツールが、ここ十数年で急速に発達・普及してきました。

こうした状況の中で、とりわけ何かの試験や資格に挑まんとする人は、専門の塾や学校に通ったりすることでしょう。そんな中で、そうした場所に様々な理由で通うことのできない人でも簡単に利用できるのが、インターネットというモノです。

ウェブ形式のモノやSNS、そしてYouTubeなど、現在では数えきれないほどの媒体を、勉強というモノに活用することができてしまいます。

これは非常に便利なことであり、機会不平等がいわば緩和されたともいえるでしょう。

しかし、こうしたメリットの裏には、やはりインターネットのデメリットが存在しており、その最たる例が権威性、すなわち信頼に値するか問題です。

個人でも簡単に発信できてしまうことは利点であり同時に見る側からすればデメリットでもあります。

私は塾講師のアルバイトを経験したことがあるのですが、とりわけ受験という世界では、中高生たちの人生がかかっているといっても過言ではありません。

後から振り返って失敗じゃなかったね、とはとてもじゃないですが言えないのが受験の世界です。

そして受験生たちは少なからず心に不安を抱えており、本番が近づけば近づくほど、その不安は焦りとなり、勉強に支障をきたしてしまうことがあります。

今まで勉強をしても成績が伸びなかったり、そもそも勉強の方法がわからない子も一定数存在します。

そうした彼ら彼女らの一縷の望みがインターネットという過分に情報が詰まったツールなのです。

この世界ではもちろん素晴らしい内容のコンテンツも存在しますが、情報がありすぎる、そして個人で簡単に発信できてしまうがゆえに、「n=1」の勉強法というモノが必ず存在します。

「n=1」の勉強法とは言い換えれば、

それってあなたの感想ですよね?

です。

すいません、ふざけすぎました。

正確には、

その情報を発信した個人にとっては最適解であったが、必ずしも万人に当てはまるわけではない

という勉強法のことを、ここでは「n=1」の勉強法と名付けています。

何かしらの勉強に取り掛かろうとする人はまず、

○○ 勉強法 コツ

等を検索エンジンにとりあえず入れてみてから考えることもあると思います。

そしてそこで出てきた勉強法をそのまま鵜呑みにしてしまうことは、私は懐疑的に思います。

とだけ書くと世に蔓延るコンテンツと同じ意見になってしまうので、ここで私の持論を一つ書きなぐりたいと思います。

インターネットにある情報でなくとも、それが学校の先生であれ塾の先生であれ、テレビで有名な人が言っていたことであれ、その情報一つだけを鵜呑みにすることが、最もよくないことだと考えます。

「これさえやっておけば大丈夫!」「実はみんなが知らない最強の勉強法!」

等のいかにもな引きをつけた情報があります。

もちろん、これらを完全否定する気は毛頭ありませんが、世の中そう甘くはありません。何か一つのことを覚えたからと言ってそのものが完璧にできるということはあり得ないのです。

これはスポーツでも何かしらの競技でもそうですが、例えばサッカーでリフティングが100回できるようになったからといってプロになれるわけでもなければ、トラップができるようになったからといってリフティングができるようになるわけでもありません。

基本となる動作一つ一つをしっかりと習得したうえで、それらを組み合わせて初めてできるモノが必ず存在します。

しかし、スポーツができる人、そして勉強ができる人の動きは少なからず私たちにとって参考にすべきところがあるのも事実です。しかしそれが個人にドンピシャでマッチするかはまた別の問題です。

より多くの上手な人、勉強でいえば成績の良い人を観察し、それぞれの良いところ悪いところを自分なりに考えたうえで、どこを真似するかを決める必要があります。

しかし、初めからこれができる人はそうそういません。できるならば自分のやり方でそれなりの所まではすでに至っているはずです。

勉強が苦手な人は何をやったらよいのかがわからないこともあるでしょう。そこで、上手い人、勉強ができる人は何をやっているのかをまず観察してやってみるんです。

つまり、とりあえず最初は何か一つやってみる。そしてその結果を踏まえて、何か改善するかどうかを決めればよいのです。

そうすればおのずと自分に合った勉強法が身につくはずです。


というのが私の持論でございます。

まとめますと、

ネットの情報は仕入れれるだけ仕入れて、そこからスキャニングしていけばなんかうまくいくんじゃね?

です。

このやり方は非常に時間がかかるのは否定できませんが、勉強なんてそんなもんです。人間は学び続ける生き物らしいので、たかが数年の勉強なんてへでもないですよね。きっと。たぶん。


塾講師の端くれだった身としてはこんなテキトーなまとめをして少し憚られるかと思いましたが、どうやら全くそんな気配もないので安心して眠れそうです。

これもまた、ネットに蔓延る「n=1」記事ですので、受け取り方はお任せします。

それでは皆様、よい「n=1」ライフを('Д')


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