『繁城之下』 中国ドラマ 鑑賞記録
「こんな脚本みたことない！」 これが鑑賞直後の感想です。
驚きのプロットで息つく暇もなく、気付けば怒涛のようにラストまでもっていかれてました！！ 本当に面白かったです。
前評判を聞いていたわけではなく、正直特に惹かれるキャストではなかったのですが、面白そうな香りに釣られて何とな～く立ち寄ってみたら序盤からググっと引き寄せられてしまいました。
こういった自分にとって大当たりな作品に偶然出会えると、ワクワク気分もひとしおです。
かつてここまで鮮やかに騙してもらえた複雑怪奇なトリック、かつスピーディーな展開の作品を観た覚えがありません。
ただ、中国語字幕で１度視聴しただけなので細かな部分に隠された伏線全てを理解できている自信は全くなく…（汗） 早期の日本語字幕放送を熱望中です。
クライムサスペンスなのでネタバレする訳にはいきませんが、何とか面白さが伝わればいいなと思います。
では、いきますね～！
繁城之下
配信 2023年10月13日 腾讯视频
全12話
筋書き
いきなりグロい描写から始まる。 怖っ！！っと狼狽えたのたが、すぐに物語の展開に引き込まれ、怖いのは最初だけなのを期待しつつ観進めた。
時は明朝。刑事の 曲三更（白宇帆 演）は敬愛する上司 冷捕头（王策 演）を惨殺されるという悲劇に見舞われる。復習を誓う 三更。それを助けるのは同僚の 高士聪（刘怡潼 演）、友人で文士の 凤可追（张昊唯 演）、冷捕头の娘 冷桂儿（向涵之 演）、そして敵か味方か判然としない 宋（辰）典使（宁理 演）だ。
捜査を進める内、彼らは20年前に起きた 陆家の大火の謎に突き当たる。現在の陆家当主は 陆远暴（张晞临 演）。
物語は20年前の謎を解き明かしていく流れになるが、そこには 三更の周りの人物も複雑に関わっている。
登場人物は他に 冷捕头の恋人で遊郭 翠华楼のトップ芸妓 林四娘（曾黎 演）、陆家の高級書童 陆直（于垚 演）、その幼馴染の翠华楼で働く 小宝子（武泽锦熙 演）、陆远暴 の甥 陆不忧（吕梓航 演）、判事の 魏知县（宗俊涛 演）、他多数。
物語は時系列を崩してランダムに編集されており、それぞれの事象は時間軸が繋がっている訳ではない。
また途中で判明するのだが、子役と成人で役者が違っていたり、それどころか…… とこれ以上は言えないが、通常のドラマ鑑賞スタイルでは全く歯が立たない脚本。
最初はああかな、こうかな、と自分なりに推理してみたのだが話が複雑すぎて手に負えなくなり、もうひたすらドラマの流れに身を任せるのみであった（笑）
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正しさとは何なのか
現代のように文明が十分発達しておらず、世の中全体が今ほど豊かではない時代。理不尽なことが横行する未熟な社会。そんな中で ”正しさ” を全うするのは並大抵なことではないだろう。
誰しもお腹がすいたらご飯を食べたい。そのご飯が食べられない時、他人のものを奪わないためには強い意志や道徳心が必要なのだと思う。
そんな時代に、尊敬する师父を無残に殺されてしまった 三更。
あるいは少年の頃に出会った美しい女の子がたまたま遊郭の籠の鳥だった 冷捕头。
超優秀で将来を嘱望されていたにも関わらず冤罪で追い落とされ壮絶な経験を経て復讐を誓う 宋典使。
彼らの無念は想像するに余りある。
そこで選択するそれぞれの行動と、対する "悪" の所業の数々。
夢中で追ってしまう謎解き形式の表層。その水面下にはそれらの人間模様が深く鮮烈に刻まれている。世の中の、時代を超えた普遍的なテーマ。そんなことを思わず考えてしまう、感動的なドラマだった。
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映像美
時に笑いを交え、過去と現在を行き来しながらの構成だけでも十分魅力的なされる作品だが、映像にも魅了される。
詩的情緒漂う情景の美しさは、過去鑑賞した中でも屈指。そのまま絵画として成立しそうな、絶妙な切り取り方。
そしてカメラアングルの斬新さ。事件の凄惨さとの対比が大変効果的な映像美であった。
その映像から描き出される、余韻を残す心理描写も巧みだった。
特に若かりし頃に出会った冷捕头と林四娘の提灯の明かりの下での時間は印象深い。主役、脇役からちょい役、お笑い担当まで全ての俳優陣の演技も素晴らしかった。
そこにプロットの秀逸さ、脚本と演出の素晴らしさが相まって、極上の作品に仕上がっていた。（書いている自分でも過去最大級の絶賛だと思う 笑）
笑顔に救われる みんな幸せになって！と祈らずにいられない 繁城之下 微博
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結末を知った今、おそらくは随所に張り巡らされているであろう伏線探しの旅に、もう一度出かけたい。
クライムサスペンスがお好みの方には、とにかく観ていただきたい作品である。
いつもながら嗅覚頼みの視聴作品選び、今回は功を奏してよかったです（笑）
超人気者が出演している訳ではないし、絵面は地味でラブも少な目。
数ある秀作ドラマの中に埋もれかねない作品ですが、本っ当に面白かったです。
一概に基準にはできませんが、豆瓣ポイントは現在 8.5
是非ともどこかの配給会社さんが買い付けて、早く観せてくださることを願ってやみません。
拙い文章をお読み頂きありがとうございました！