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『ゴールド・ボーイ』 ワールドプレミア & 舞台挨拶 鑑賞記録


2023年10月29日、東京国際映画祭ガラ・セレクション部門のワールド・プレミア上映で鑑賞しました。公開は2024年春の予定です。
原作小説は未読ですが、ドラマとなった『隠秘的角落』(バッド・キッズ)は過去鑑賞作品の中でも指折りのお気に入り。(iQIYI の『迷霧劇場』シリーズは好みのドラマが多い)

制作発表時からずっと注目していた映画なので、映画祭で一足先に鑑賞できてラッキーでした。監督始め制作、企画の方や子役3人の舞台挨拶もあって背景もお聞きすることができ、作品の知識がアップして楽しく鑑賞できました。

しかしながら題材が題材。ネタバレ厳禁!と上映会の席でも釘を刺されているので、ここでは筋書きには触れることができません!
なので舞台挨拶の様子も含めた記事にしようと思います。

どうぞお付き合いくださいね。




ゴールド・ボーイ
監督 金子修介
原作 紫金陳 著  小説「坏小孩」(The Gone Child) 
公開 2024年春 
第36回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門正式出品作品

トップ画像 上映館入口にて 撮影 らん



概略と舞台挨拶


作品解説(2023 東京国際映画祭 公式サイトより)
” それは完全犯罪のはずだった。まさか少年たちに目撃されていたとは…。総再生数20億回! アジア最高峰のドラマ原作を日本映画化! 殺人犯と少年たちの心理戦が幕を開ける。”

日中共同出品作品。主演は岡田 将生黒木 華北村一輝江口洋介松井玲奈羽村仁成星乃あんな前出燿志 ほか 出演。

監督は 金子修介。監督40年のキャリアだそうである。脚本は監督が信頼を寄せる 港岳彦。この日のために髪をゴールドに染めて登壇された製作総指揮の白金、企画は 許曄
舞台挨拶は監督以下子役3人を含め、6人で映画上映前に行われた。

映画は今年 6月に沖縄で撮影され、10月15日に初号試写、そしてこの日 10月29日にプレミアというスケジュールだったとのこと。映画のポストプロダクションはもっと長いのが一般的だと認識していたので、そのスピードに驚いた。
監督が「本当にホットな映画です」とおっしゃるように、まさに生まれたてホヤホヤの映画を鑑賞することができて感激である。

金髪プロデューサーの白氏の言葉が印象に残る。「産業革命以降は国の境界線がなくなっていっています。我々は境界線を越えようと今チャレンジしています」 とても感銘を受け、共感し、応援したいと思った。

子役の3人はオーディションだったそうで、皆さんとてもフレッシュ。映画は初めて、レッドカーペットは初めて、と口々に言いながらも、しっかり映画の宣伝もしていて頼もしい限り。しかも、かわいい。
東出くんの「岡田さんはとても美しく、尊いです」は、上映後のSNSにパワーワードとなって駆け巡っていた。これにはわたしも大きく頷けるところだ。


本編

さて、映画の世界に入ってみよう。
小説を読んでいない理由として、ドラマよりもエグいと聞いたことがある。そのエグさが映画に反映されていたのかどうか… は別として、ドラマとは違う設定、ドラマにはなかった描写があったことは、この映画には小説寄りの部分がいくらかあるのかもしれないという推測に繋がった。

舞台は沖縄。
岡田将生が演。主人公 東昇を演じる。ドラマ版ではあの秦昊が演じた役である。
江口洋介 演じる 刑事の東巌は 東昇の妻 東静 と いとこ同士の間柄。この関係性はドラマにはない。
また子供3人のうち、上間夏月(星乃あんな 演)と 上間浩(前出燿志 演)の、血縁関係はないながらも兄妹(同い年)という設定もドラマとは違う。
もう1人の安室朝陽(羽村仁成 演)はほぼドラマと同様の家族関係。 

ちなみに上間浩 はドラマの厳良にあたる役柄だが、ドラマよりも単純でチャラい、人のよさそうな不良少年という役処になっていた。
主人公 東昇 の妻 東静が東家という地元の有力一族という設定も、映画のオリジナルであろうか。

登場人物が絞られていることもあり、ドラマ版の12話が2時間という映画の枠の中でサスペンスを主軸に上手くまとまっていた。
ただもう少し上記のような設定を簡略化して、事件の根幹の描写に時間を割いてもよかったかなとも思う。
時間的な理由かどうかは分からないが、キャッチコピーにある「殺人犯と少年たちの心理戦」のラインがやや弱い印象だった。

とはいえ大変に面白かったことは確かである。
最初から最後までゾクゾクする緊張感が途切れず、見事な脚本と演出だと思った。
キャストについても子役3人はそれぞれの役柄を全うしていたし、中でも 岡田将生は殊更に素晴らしかった。殺人犯の鬼気迫る演技を彼の美しさがより一層怖ろしくみせていて、効果抜群! 北村一輝の素朴な味わいも沖縄という土地によくマッチしていた気がする。


プレミア終了後のSNS上のコメントを集めたポスター 映画公式X



もう一度観なければ!

原作もドラマも "三部作" と呼ばれ、ドラマは今回の『隐秘的角落』(バッド・キッズ)のほか、『无证之罪』(バーニング・アイス)と『沉默的真相』(ロング・ナイト)で構成されている。
そして3作すべてに「厳良」というキャラクターが登場する。本作が対応する『隐秘的角落』(バッド・キッズ)では3人の子供の一人 上間浩に該当する人物だ。

と、ここまで書いてから某ブログで教えていただいたのだが、小説ではその 厳良は子供ではなく、大学教授であるとのこと。そしてその役柄は 本作に当てはめれば 東静ととある関係性のある人物。
なるほど! !  刑事 東巌 だ。ドラマとは異なる、小説準拠のキャラクター。だから彼の設定が必要で、名前も 東  "巌" だったのか! この役処の意味付けについて、実は疑問に感じていたのだがこれで謎が解けた。

小説も、ドラマも、そして映画にも接していない方からすれば、何が何やら、、な状態かと思う。書いている自分も大分混乱してきた。(笑)
要は、よく練られた脚本だということだ。

まだまだ気付いていない布石や伏線が隠れていそうだし。
これはやはり、必ずもう一度観なければ!
できればそれまでにドラマも復習しておきたい。

とにかく最初から最後まで、引き込まれる展開の連続。
観ておくべき作品だと思う。




本作は中国と日本の共同出品作となっています。監督、キャスト他見える部分は日本人ですが、企画制作には中国側が関わっている日中合作のようなので、中国映画の範疇としてこちらの note に入れました。

ドラマ版を観たのは大分前で、記憶が曖昧な部分もあります。勘違いなどあったらごめんなさい。

時間を忘れる2時間です。公開とそれまでのプロモーションも楽しみ!
あとその時は岡田くんも沢山お顔見せてください(笑)

お読みいただきありがとうございました。


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