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マイクロン第4四半期決算:Huawei禁輸措置の影響で、ガイダンスは予測を下回る

概要

マイクロン・テクノロジー【MU】が第4四半期(6─8月)の決算を発表しました。売上、EPSともに事前のコンセンサス予想を上回るも、Huawei禁輸措置の影響で、次期第1四半期の(9-11月)の売上高見通しは、アナリスト予想を下回りました。

業態:DRAMで3位、NANDで4位のメモリメーカー

マイクロンはDRAMやNANDと呼ばれる半導体メモリを製造するメーカーです。NANDメモリは、SSDやSDカードなど記憶媒体として使われています。FY19の売り上げは23,406百万ドル(約2兆4000億円)です。売り上げの比率は、DRAMが7割、NANDが約3割です。SamsungやSK hynixが競合です。半導体業界の例にもれず、メモリ業界も、買収による統合が進み、寡占化が進んでいます。

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出典:Objective Analysis


第4四半期決算:アナリスト予測上回る増収増益

売上高は60億6000万ドル(前年同期比+24%)で、アナリスト予想(58億9000万ドル)をわずかに上回りました。
純利益は9億8800万ドル(前年同期比+43%)、1株当たり利益は0.87ドル(前年同期比+45%)です。一時項目を除いた1株利益は1.08ドルで、アナリスト予想の0.99ドルを10%近く上回りました。

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本四半期は、増収増益で、アナリスト予測も上回り、ここまでは好決算と言える内容です。好決算の理由として、クラウドやPC、ゲーム機向けにDRAMの売上げが堅調だったこと、NANDの出荷が急増したことを挙げています。

“Micron delivered solid fiscal fourth quarter revenue and EPS resulting from strong DRAM sales in cloud, PC and gaming consoles and an extraordinary increase in QLC NAND shipments,” said Micron Technology President and CEO Sanjay Mehrotra. “We look forward to improving market conditions throughout calendar 2021, driven by 5G, cloud and automotive growth, and we are excited by the continued momentum in our product portfolio.”

ガイダンス:Huawei禁輸措置の影響で予測を下回る

好調だった本四半期とは対照的に、第1四半期の売上高見通しは、52億±2億ドルになると予想しています。これは、アナリスト予想平均の53億1000万ドルを下回る数値です。

1株当たり利益は0.39±0.07ドル、一時項目を除いた1株利益は0.47±0.07ドルと、本四半期の約半分もしくはそれ以下の数値になっています。

この背景には、Huaweiへの半導体輸出規制の影響があります。第4・四半期の売上高に占めるHuaweiの割合は約10%を占めるようです。そんな大口顧客であるHuawei向けの出荷を9月14日に停止したと発表しました。輸出規制の決定から発効までに1か月ほどしかなく、Huawei向けの製品を他の顧客に出荷することもできなかったと発表しています。

この輸出規制は、第1四半期に影響を及ぼし、第2四半期も、第1四半期ほどではないものの、ある程度影響を及ぼすとのことです。

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