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社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学"の舞台裏


道徳心理学に関する本を読み終わりました。


アメリカの社会心理学者ジョナサン・ハイトによる
「社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学」です。
ハイト氏は、道徳に関する心理学の専門家で、本書ではアメリカの政治状況を元にリベラル派と保守派の間の分かれ方を解説しています。
この視点は、日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、ハイト氏の視点から新鮮に感じること間違いなしです。
特に、社会集団や組織に所属する方や、道徳について深く理解したいと思っている方には、おすすめの一冊です。


前提として

この世界は、全員が協力しながら生きていく場所です。

だからこそ、本書から得たいくつかの教訓・メモを共有したいと思います。

異なる道徳観を持つ人々と交流する際

即断せず、共通点を探し、信頼関係を築くまでは道徳の話を避けること。そして、話す際には相手への敬意と興味を表すことが大切だと学びました。

道徳心理学の原則①:「直感→戦略的思考」

私たちは無意識に「自分がどう見られているか」を考え、直感が先行してから理性が働く傾向があることを学びました。
そのため、道徳や政治に関わる時には、自己中心的よりも集団中心主義的に振る舞うケースが多いのです。

道徳心理学の原則②:「6つの道徳基盤」

さらに、ハイト氏は、一つの心理的な道徳観だけで人間社会が成り立っているわけではないと説明します。
社会は複雑であり、何が必要であったり問題であったり正義であったりするかは状況により変わります。
彼によれば、どの社会も特定の6つの道徳基盤(ケア/危害、権威/転覆、忠誠/背信、公正/欺瞞、自由/抑圧、神聖/堕落)によって成り立っていると述べています。
さまざまな価値観が混在する中で、社会保守派やリバタリアン、保守派それぞれが重視する道徳基盤が異なるとの見解は興味深いです。

道徳心理学の原則③:「90%利己主義10%全体主義」

さらに、私たちが90%はチンパンジー(自己中心的)で、残り10%がミツバチ(集団志向)のように行動するという指摘もされています。私たちは自己の利益を二の次にし、全体の一部となる能力も持ち合わせているのです。

集団志向へのスイッチを押す方法

・多様性を追求するよりも、類似性を強調
・同調性を活用することが
・個人間ではなく集団間で健全な競争を行うこと

そんな感じでまとめてみました!

ハイト氏の本書は、単なる道徳心理学だけでなく、社会をどのように理解し、他者と協力し、共生していくべきかのヒントを与えてくれます。その視点と教訓は、これからの生活や人間関係に大いに役立つはずです。
ぜひ、読んでみてください~

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