神時間術

【読書メモ】神・時間術

精神科医でもあり、作家でもある樺沢紫苑(かばさわ・しおん)氏の著書「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・仕事術」を読んだ。

神時間術

仕事の質を高め、時間あたりの仕事量つまり生産性を高めるためのノウハウ、時間の使い方が書かれている。
仕事の量は「集中力(仕事効率)」×「時間」で表すことができ、著者はこの「集中力」×「時間」のことを『集中時間』と呼んでいる。
そして、いかに集中力を高める時間を作り出すか、そして、その時間に集中してやるべきことをやるために使うことを提唱している。逆に、集中力が必要のない作業は集中力が低下した後に行えば良いとしている。例えば集中力が最も高まる起きてからの2〜3時間しかない「ゴールデンタイム」にメールなどの返信に時間を費やすのではなく、集中力が必要な仕事に時間を使い、生産性を高める、メールの返信はそのあとで良い。さらに言うと、朝7時に起きたとすると、9〜10時までだ。仕事は9時に開始するならせいぜい出社後の1時間ほどしかない。この重要な時間にメールの返信に使うのは無駄で、10時に返信を始めても問題ないと言う。全くもってその通りだと思った。

15・45・90の法則

個人差があるものの、一つの目安として人がかなり深いレベルで集中力を持続させる時間は15分。
パソコンなどの仕事をする場合は15分×3セットで45分程度で一旦休憩を入れたほうが良い。
さらに、人には24時間周期の体内時計ともいえる「サーカディアンリズム」と言うのが知られているが、最近では90分周期である「ウルトラディアンリズム」に注目が集まっている。
人間の脳波を調べると各精度の高い90分と、眠気の強い20分が交互に訪れる周期があるとのこと。
さらには、この集中した時間を使った後は、必ず休憩を入れること。
これらを知った上で一つの仕事・作業に集中した時間を割り当てるのが良い。すでに備わっているリズムに逆らわず、波に乗ることが大事。

雑念の排除

雑念には4つあるとして居る
・ものによる雑念
・思考の雑念
・人による雑念
・通信の雑念

いわゆるスイッチングコストの話。雑念により集中力が途切れると、元の集中力を取り戻すのに15分かかる。雑念を取り除く、あるいは雑念が発生しないようにする方法について触れられている。
思考の雑念の例として、「未完了課題についての記憶は、完了課題についての記憶に比べて想起されやすい」。つまり、未完了タスクを抱えていると、それだけ雑念として思考の邪魔をしやすいと言うこと。これを避けるために、未完了課題を一旦紙に書き出す事で思い出す必要がない状態にする方法が挙げられている。付箋なりに書き出して見えるところ(直ぐに見れるところ)に置いておく。脳内を吐き出す事で一旦忘れてしまえば思い出すこともない。

やってはいけない朝の習慣

テレビを見ること。脳は寝ている間に整理されるため、朝の脳内は綺麗な状態。テレビは情報の嵐であるため、テレビを見ると言うことは脳内を余計な情報で撒き散らすようなもの。これをやるだけで朝のゴールデンタイムが台無しになってしまう。

午後のリセット術

集中力は時間の経過と共に低下していくため、通常なら午後以降は集中力を発揮できないことになってしまう。それを回復させる手段が昼休みである。ここを有効活用できるかどうかが午後のパフォーマンスに影響を与える。
・食事への集中
・20〜30分の仮眠
・10分ほどの運動
これらを組み合わせることで午後のパフォーマンスが大幅に改善する。
食事の際にスマホを見る人がいるが、視覚からの情報は脳を疲れさせるため、スマホなどは持ち込まずに食事に集中するべき。また、外に出て少し歩く、日光を浴びると言うことも重要。デスクで弁当を食べることは集中力の回復には効果はない。歩いて場所を変えて食事する、これだけで運動、日光を浴びる、場所を変えてのリフレッシュなどが一度にできてしまうのでお勧め。

集中力リセットのための運動

1日の終わりには有酸素運動を1時間ほど行うことで翌日の集中力回復に効果的。やりすぎは逆効果なので注意。知的重労働には運動が必須としている。
逆に、寝る前3時間以内の運動は睡眠の妨げにもなるため、やってはいけない。
時間がないから運動しない選択をしてしまいがちだが、運動しないから時間がなくなると言っても過言ではない。

寝る前15分の記憶のゴールデンタイム

睡眠中に脳が整理されるため、寝る15分前に英単語を覚えるなど、記憶が必要なことに時間を使うと記憶力が格段にアップする。この時間にスマホをいじったり、ネガティブなこと(1日の反省など)を行うと翌日のパフォーマンスが出ない。特にネガティブなことを考えて寝ると脳内がネガティブなことに支配されて整理が行われるため、うつ病にもなりやすい。

「今でしょ」仕事術

2分で終わる内容は先送りにしない。先送りにすると思い出す時間、調整の時間が取られるので、直ぐに終わることは今やる。迷っている時間が無駄である。
今できないのであれば、「いつやるか」を決めてそれまでは一切手をつけない。中途半端に残すと、思考の雑念として仕事の邪魔をする。

感想

意識しないとできない事ばかりだが、仕事をその時その時で頑張るやり方ではなく、持続的にパフォーマンスが発揮できる、集中できるようにすることの重要性に気づかされた。また、集中力が高い状態をできるだけ長く維持することも意識しないといけない。
15・45・90の法則を取り入れる。間に休憩を挟む。昼休憩を情報収集ではなく、回復のための時間として使う。適度な運動をする。寝る前の時間はリラックスする。
分かっていても持続するには努力が必要だが、リズムを作り出すことで集中時間を確保することが重要だと思う。

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