採用基準

【読書メモ】採用基準

元マッキンゼー採用マネージャーが語る「採用基準」を読んだ。内容は採用基準というより「リーダーシップ」をいかに重視しているか、求めているかについて書かれている。

採用基準

マッキンゼーの採用基準として下記の「誤解がある」としている。
・ケース面接に対する誤解
・地頭が良い人を求めているという誤解
・分析が得意な人を求めているという誤解
・優等生を求めているという誤解
・優秀な日本人を求めているという誤解

結果的に上記のように見える人たちが集まるために誤解を生みやすくなっているのかもしれない。ここでいう採用基準は「将来のリーダーとなるポテンシャルを持った人」を指す。

マッキンゼーが求職者に求める最低レベルは他の多数の企業と比べると高いのではないかと推測するが、本書で語られている「リーダーシップ」はどのような企業でも求めるべきもので、そしてそれは育てることが可能なものである。リーダーとしてのポテンシャルを採用基準に考えるのは是非とも取り入れたい。

リーダーシップがあるというのは「自分の意見が正しいとして主張を行う人」ではない。リーダーシップのある人が多いと組織は「船頭多くして船山に上る」と考える人は本書に書かれているリーダーシップを誤解している。そういう人は是非本書やそれに類似する書籍を読んでもらいたい。例えばスタンフォード式 最高のリーダーシップは合わせて読みたい本のうちの一つ。いわゆる「みんながリーダー」ということに尽きる。

リーダーシップがあると何が良いか。

・解くべき課題を解決する一連のプロセスにおいてリーダーシップを発揮し、答えの質そのものの向上を追求することができる。

・様々に異なる自説を持つ人がいても、成果達成のためにどの意見が最も役に立つだろうか、と考え、自説が採用されることより成果を出すことを優先出来るようになる。

・自組織の利益最大化という成果達成のため、誰に命令されなくても必要なことをやるべき責務を持っていると理解している。

・自分がリーダーだったらこのように判断する、という考えのもと提案し、行動する。

これだけを見ても自組織において必要なスキルを身につけている人物であると容易に想像できる。

また、「リーダー」とは決めることができる人。未来のために決断できる人だとしている。情報があれば誰でも適切な判断ができるが、そんな状態には結果が出るまでわからない。情報が少ないからこそ判断する必要があり、リーダーが行うべきことである。

このリーダーシップを学ぶ方法として下記をあげている。

・バリューを出す。
・ポジションを取る。
・自分の仕事のリーダーは自分と考える。
・ホワイトボードの前に立つ。

自分の仕事はどのような価値を生むのか、を強く意識し、アウトプットしていく。説明の場においても結果をまず説明し、議論になった際にプロセスについて触れる(プロセスに触れるのは分析がよくないというシグナルと考える)。

ポジションを取る=結論を出す。まずは決めてから問題点を洗い出し対策を考えていくのは、新しいことを試す際の一つの手段としている。

リーダーシップを発揮し、自分がやるべきことを自分で判断し、それによって起こるかもしれない非難や苦情は自分で受け止めると決め、行動できるようになる。

リーダーは特殊な人とするのは誤った考えでる。リーダーシップは誰でも学び、鍛えることができる。

リーダーシップ思考の手法やフレームワークを学ぶだけでは問題を解決することはできない。世の中の大半の問題の解決には、他者やグループ、組織を動かすことが必要で、そのためにリーダーシップが必要である。

リーダーシップを身につけると自分の仕事やライフスタイル、生き方のポリシーを既存の組織や団体の器に合わせるのではなく、自分自身が実現したいと考える世界をそのままストレートに追求できるようになる。自分の物差しで物事を評価することができるようになる。自分自身で状況を変えていけるようになる。

このような力、ポテンシャルを持った人を採用する際の基準とすることに大いに賛成。加えて自組織で働く方々にも求め、伸ばしていける環境を作る必要もあると思う。



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