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50ccの原付で旅をするということ【日本一周180日目】

昨晩は名護市の快活クラブに泊まった。

調べたところによると、沖縄には名護と、那覇に数軒、快活クラブがあるようだ。

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快活の夜食ラーメンを食べたが、思いの外美味しかった。これで200円だと言うのだからかなりお得だ。


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翌日は、朝から雨が降り続いていた。

天気予報によれば、午後からは晴れるようなので、快活を出て名護のマクドナルドで時間を潰した。


午後になり、雨は止んだものの、天気はどんよりとしたままだった。

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鹿児島ほどではないものの、気温も低い。

防寒着は本土と同じものを着ていないと、寒く感じてしまうほどだ。


マックを出てカブを走らせる。

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昨日は都市部に着くころには日が暮れていたので、町の中をちゃんと走るのはこれが初めてだ。


ハンドルを握る両手がジトッと湿る。ハンドルにセットしたスマートホンも、液晶が少しベタベタしているように感じられた。

本州よりも湿度が高いため、何もしていなくても身体がベタつく。服の中で汗をかいて気持ちが悪い。


しかし本州には無かった不快感の中で、僕は旅が始まって一番といっても良いほど、ワクワクしていた。


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「うおお・・・」


突如道のど真ん中に現れた巨大な樹木の前に、思わず声が漏れた。

こういうのをガジュマルの木というのだろうか?

細いツルのような枝が幾重にも絡まり、巨大な大木のようにそびえていた。


「流石沖縄だな」


思わず本音が溢れる。

街並みも、気温も、湿度も、建物も、何もかもが本州とは違っていた。

どこか自分が、東南アジアの別の国にでも迷い込んだのではないかと錯覚するほどだった。

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一軒家は、本州のものとは異なり、屋根は平らで、平家が多かった。

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家の周りは、高い塀で覆われていた。そのため、塀にすっぽりと家が収まっているように見えた。

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細い路地を、50ccのカブで軽快に走る。

目に止まるものがあれば、脇道にカブを止める。


首からぶら下げる愛機は、富士フィルムのxpro3。

装着しているのはXF16-55mmF2.8の標準ズームレンズだ。


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24mm、35mm、50mm、85mm

撮りたいイメージに合わせて、ズームリングを回し、ピントを合わせ、シャッターを押す。


面白いものが目に入ったら、すぐにカブを止まる。

安全を確認して、素早く写真を撮る。


時間を忘れて、これを繰り返した。


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思い返せば、北海道を出てから、

僕の旅はずっとこんな感じだった。


日本一周をするにあたって、

移動手段というのはとても大切な要素だ。


沢山の選択肢のある中で、

僕が選んだのは50ccのスーパーカブだ。


厳密にはスーパーカブ50 プロと言って、郵便局の人が使うバイクである。


原付なので速度は30kmしか出せないし、高速道路はもちろん走れない。

道を走れば邪魔もの扱いで、トラックに煽られただけで車体が大きく揺れる。

雨が降っても思うようには動けない。

他のライダーとツーリングもできない。


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それでも僕は、旅の相棒にコイツを選んだ。


北海道を出て180日。早いとは口が裂けても言えないけど、自分のペースでここまで来ることができた。


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実は大阪で一度、結婚式に呼ばれて北海道に戻ったことがある。

カブで2ヶ月かけて進んだ距離を、わずか2時間の空路でたどり着いた。


その時に思ったことがある。


現代人は、急ぎすぎなんじゃないだろうか。

たしかに飛行機や新幹線は早い。


でも、飛行機で2時間で行く道のりには、なんの思い出もない。


ただ目的地に着くだけだ。


道端に咲く花の香りも、季節を纏う風も、午後の暖かい日差しも、日が暮れてからの段々暗くなっていく時間も。


何も感じることはできない。


もちろん速いことによる利点はたくさんあるけど、それにもり見落としてしまうことも沢山あると思うのだ。


僕のこの旅は、これまでの人生で、落としてきてしまった大切なものを、拾い直す旅なのかもしれない。


カブで旅をしていて、たまにそう思うことがある。




ようやくたどり着いた沖縄。

これからも、これまで通り、

沢山の景色をみて、写真に残していきたい。


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ディープな街並みが残る名護を抜けると、緑生茂る道に出た。


さながら、熱帯雨林のジャングルである。

極彩色の巨大鳥が、今にも翼を広げて飛び出してきそうだ。


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植物も本土とは違って、派手で大きなものが多かった。


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気がつくと、雲の切れ間から青空が見えていた。

しかし時刻は夕方で、日没まで1時間もなかった。


ナビを開くと、どうやら東村という場所らしい。

暗くなる前に野宿する場所を探すことにした。


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東村の中心地から少し外れた、誰もいない海岸で、良さそうな場所を見つけた。

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シャワー室のようだが、この気温では使う人はいないだろう。


周りに誰もいないことを確認して、テントを設営。なんとか日が沈む前に寝床を賛完成させることができた。


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日没になってようやく晴れてくれた。

天気予報によれば明日は快晴らしい。早起きして沖縄の最北端へ向かおうと思う。


電波が悪く時間がかかってしまったが、本日のnoteはこんな感じで〆ることにする。


noteを書いているとかにコーヒーをテント内にぶちまけたり、箸がなくてアイススプーンでインスタントラーメンを食べたりしたが、些細なハプニングである。


それでは、また明日。









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