ありがとう鹿児島とこんにちは沖縄【日本一周175−179日目】
【日本一周175-177日目】
沖縄行きのフェリーが出港するまで鹿児島で待機することにした。
フェリーが運航するまで、鹿児島の反対側を回ろうかとも思ったのだけど、日本全国に直撃している寒波の影響を受けて、鹿児島でもちらほらと雪が降っているような状況だった。結局無理せず鹿児島に滞在することに決めたのだ。
宿は快活クラブ。
たまたま割引中で、24時間滞在して約2500円という価格だったため、結果としてここに3連泊した。
寒波の鹿児島で、3日間Uberで配達をした。
調べてみたところ、鹿児島から沖縄まで原付を乗せていくだけで往復4万円。
そこから沖縄の先の波照間や与那国に行こうと思ったら、結構なお金が飛んでいくことが発覚したので、少しでもフェリー代を稼ごうと思ったのだ。
荷物を快活に預けて、最低限の荷物とウバックを持って鹿児島市内へ。
アプリを開いて「出発」ボタンを押す。
そうすると、現在地を中心に配達依頼を探してくれるので、少し待つ。
依頼が届くと、こんな感じで受注選択ができるので、ポチッと押して受注完了
道中はGoogle mapと連動してくれて、ナビでお店と配達先までは案内してくれる。
お店に到着したら、受付で品物を受け取る。
汁物や飲み物も多いため、ウバックの中の仕切りは必須だ。僕は日本一周看板を仕切にしたり、雨具やらタオル、空のペットボトルなどを使って品物を固定する様にしている。
あとは配達先まで届ければ依頼は完了。これを何度も繰り返し行う。
大体僕の体感だと、時給は1000円行くか行かないかくらい。
だけど、やりたい時にやれて、やりたくなくなったら辞めればいいから、精神衛生上は凄く楽だ。
配達したお店の方から、飲み物を頂いた。
Uberをすると、その土地の気候や風土はもちろん、美味しいお店などもわかる。
旅の延長のような気持ちでできるので、ちょっと楽しかったりもする。
鹿児島市のシンボルとも言える、桜島。
山頂からはモクモクと煙が上がっていて、それが活きた火山であることを実感する。
鹿児島市では、町の至る所で、
この桜島を見ることができた。
鹿児島市民にとって、桜島は生活の風景の一部なんだろうな。
日中は天気がよくて暖かい1日かと思いきや、夜になると雪が降ってきたり。不思議な気候の中で、3日間を終えた。
Uberをしていると、もう一つわかることがある。それはその地域の飲食店の様子を直接見ることができるということだ。
この時点で鹿児島は政府の緊急事態宣言はこの発令していなかったため、20時の時短営業もされてはいなかったけど、それでも席の半分も埋まっていないお店が多かった。
マクドナルドやモスバーガーなどのチェーン店は比較的人は多かったけど、個人経営のお店ほど人が少ないように感じた。
託された食べ物の箱には、
「ご注文ありがとうございました☺️」
「美味しく頂いて貰えますように」
といった店員さんの手書きのメッセージが書かれているものも少なくなかった。
僕が品物を取りにいくと、
「寒かったでしょう。ありがとうね。」
と暖かい言葉をかけてくれるお店がたくさんあった。
僕はちょっとだけ鹿児島が好きになると同時に、
少しでも速く、崩さずに品物を届けられるように努めた。
お店に入ったら元気よく挨拶をして、大きな声で「行ってきます」と伝えてお店を出るようにした。
飲食業界が大変な中で、少しでも力になりたかった。
こうして、鹿児島での3日間のUber生活は幕を終えたのだった、
【日本一周178日目】
2021/01/10
ようやく鹿児島から沖縄行きのフェリーが動いてくれた。
夕方18:00の出港。
到着は翌日の17:00頃。
約23時間の船旅だ。
この日は出港時間まで数時間Uberをして、鹿児島新港へ向かった。
受付では乗船申し込み書を記入して、
体調や渡航歴についての簡単な項目にチェックを付けた。非接触の体温計で熱を測ってから、料金を支払ってチケットを購入。
鹿児島から沖縄本部までで、人が約13000円。原付が約6000円。往復で約4万円だ。
決して安くないお金を支払い、愛車と共にフェリーへ向かう。
車庫の奥にバイクを停めて、いざフェリーの内部へと向かう。
外では、トラクターが忙しなくフェリーと港を行き来して、大きな貨物を次々にフェリーに積んでいた。
沖縄の物流を支えている船でもあるようだった。
簡単に荷物を置いて、甲板に顔を出してみる。
時刻は17:40。出港直前の時間は、ちょうど夕暮れだった。雲の切れ間から差し込む夕日が、大きな金属の塊であるフェリーを照らしていた。
フェリーの中では電波はほとんど入らないようなので、snsなど軽く確認してから、フェリーの中に戻ることにした。
フェリーの中では、簡単な売店や食堂など、生活に必要なものは最低限揃っているという印象だった。
お風呂もあるのだけど、コロナの影響で入浴は出来ず、シャワーのみだった。
翌日の中は冷え切っていて、床も冷たくて全然温まることは出来なかった。
こちらが僕が滞在する2等客室。布団が交互に並べられていて、一応密に配慮した並びになっていた。
この日は食堂でチキン南蛮弁当(750円)を食べた後
自販機でオリオンビールを買って
軽く晩酌。
電波が通じないので、持ってきていた本を読んだりして過ごした。
すぐにお酒が回ったのと、船の揺れや音によってすぐに疲れてしまい、この日はそのまま寝てしまうのだった。
【日本一周179日目】
船の揺れと、波の音で目を覚ました。
船酔いとまではいかないが、永遠に続く船の揺れにより、体調は万全とはいえなかった。
時計を見ると午前中10時。
早朝のうちに奄美大島を通り過ぎ、沖縄へと船は向かっているようだった。
沖縄に到着するのは16:40予定。
それまでは暇なので、船の中で本を読んだりして過ごしていた。
そして16:00を過ぎたくらいから、沖縄本島がその姿を現し始めた。
思わず甲板に出てみると、
「ヌワッ」
という生暖かい風が頬を撫でる。
違う。昨日までいた鹿児島とは全く違う風だ。
北海道を出て半年以上。ようやく沖縄の地を踏めるということで、僕のテンションは否応なしに高まっていった。
車庫に戻り、カブのエンジンをかける。
ぶるるん!と、勢いよく音がした。
ようやく、、ようやくだ。
実は沖縄は、大学の卒業旅行で一度だけ行ったことがある。
その時は飛行機で、一緒に行った子たちが決めた、定番の観光地やショッピングがメインだった。
今回のような一人で、完全に自由な沖縄旅は初めてだ。日本をここまで旅した自分の目に、沖縄はどう写るのだろうか。
タンタンタンタンッ
フェリーの車庫の中の凸凹した突起の上を、車体を揺らしながらゆっくりと出口に向けて進んだ。
そして、、、
タンッ。
23時間の花束の鬱憤を晴らすかのように、勢いよく飛び出した。
途端。ムワッとした空気が全身を覆う。
甲板で感じたのと同じ空気。鹿児島や本土とは違う、南国の空気だ。
「ととと、、、」
僕は本部港の敷地を出ると、出来るだけ港に近い場所にカブを止めた。
やっと沖縄にこれた。
この興奮が冷めないうちに、写真を撮りたかった。
日本一周開始から179日目。
ようやく沖縄の地に降り立った。
カブを止めたすぐ近くに砂浜があった。
あいにくの曇り空だけど、海の水は透明で、砂浜の底が見えるようだった。
写真を撮っていると、あることに気がつく。
カメラが湿っているのだ。汗ではない、別の何かによって。
直感的に、これが湿度によるものだと理解した。
多湿な空間では、カメラ機材はカビを生やしたり、故障のリスクが高くなる。沖縄ではより丁寧に機材をメンテナンスしなければ。
写真を撮り終わり、名護に向かおうとすると、突然通りがかりの男性から声をかけられた。
沖縄に住む「しもじさん」
なんと徒歩で沖縄を一周しているらしい。
徒歩の旅を初めて3日目で、たまたまフェリーを降りたばかりの僕と遭遇。
元々は沖縄で暮らしたいて、定年退職してから旅をしようと決意。まずは沖縄を徒歩で回ることにしたのだそうだ。いずれは日本も回ってみたいそう。
一緒に記念写真を撮って、別れた。
沖縄にきた直後だったけど、思いがけず素敵な出会いに恵まれた。
僕は少し浮かれたまま、名護を目指すのであった。
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