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空虚なものを示すオブジェクトを構造化するための試作

前提

本テキストは、展示空間には示されない。制作物を置く空間をショーケースに見立て、それを時間的、空間的に外から鑑賞するときのために示される。

説明

制作物は、スーツケースの中にある2つフレームに入れられた木パネとそれとは独立した別の木パネに、2つのフレームの間に入る透明な板と本と手紙と糸で構成されている。本は開かれてフレームの土台におかれ、うち1ページが自立しているようにみえるが、フレーム外側の木パネとフレーム内の木パネに接続された糸によって支持されてる。

要素

■フレームの外の木パネ
2つのフレームでつくられる密閉区間でない第3の可能性を示唆するもの。もしくはその土台。

■フレームの中の木パネ
制作物を置くための土台である。

■フレーム
外界からの境界であり、内側には密閉された空間もしくは面をつくることができる。

■本
フレームにつくられた空間にある木パネの上に位置しており、密閉された空間にある土台の中にさらに本という土台をつくるが、記述される内容はない。一度綴じられたものが外に開いている状態を示す。

■手紙
フレームにつくられた空間にある木パネの上に位置しており、本とは異なる密閉された空間にある。密閉された空間の共有と時間のズレ(書き手と読み手の)を示す。

■糸
フレームの内側と外側の木パネをつなぐ線。本の姿勢を保持するための支持体でもある。

■透明な板
視覚的情報は透過するが、直接的な接触を断つ装置。

コロナ下でのあたらしい様式に沿って解釈するならば、人の行動にズレがつくる、時間と空間のズレを示唆している。そこに現れるのは、いつもの感覚ズレと知っているはずのもの同士の認識ズレかもしれない。

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空虚なものをつくること

全体として空虚なもの同士を組み合わせた構造体をつくる。意味がないオブジェクト同士を構造化させることで機能を与える。各オブジェクト当時の関係性の中でつくられる機能や意味は、箱全体としてみたときに1つに収束しない。

1つの箱にたくさんの要素をいれること

スーツケースという箱にたくさんの要素をいれてみた。普段なんでもないものを組み合わせることで機能を与えることで要素を重ねることをしている。

フレームの中にフレームをいれて入れ子式にすること

フレームの中にフレームをつくることは内側にむかっていくことだが、内側に向かうほど、内側は空虚になり意識が外側にむかう。

本はページをめくっている姿勢を保持している。

ページをめくるという人がつくる本のしぐさや動きを姿勢を保持することでカタチにしている。




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