[新版]ブルー・オーシャン戦略
昔(’00年代後半)読んだきりだったため、2015年に新版が出ていること、全く知りませんでした。
読んだ本のその後のことは調べない〜逆をつかれました。
という話は置いといて、ブルー・オーシャン戦略の新版。
旧版では「企業間の競争、消耗戦が激しいレッド・オーシャンを抜け出して、競争が少ないブルー・オーシャンに行こうよ」に終始していました。それだけでもメッセージは十分に受け止められていたのですが、新版ではその後のことに言及されています。
具体的には、ブルー・オーシャン戦略の整合性に関する記述を大幅に改め、ブルー・オーシャン戦略の刷新、そしてレッド・オーシャンの罠、が新たに追加されています。
初版が2005年刊行、それから10年が経過して、ケースが増えてきた、それに伴い問題あるケースも分かってきた、のだろうと思います。
今回私が興味を持って読んだのは今回大幅に変わった、もしくは追加されたラスト3章。特に「第11章 レッド・オーシャンの罠を避ける」は常に身の回りに置いときたい内容で溢れています。その内容と個人的メモを書いて、この記事を終わりにしたいと思います。
罠01 「ブルー・オーシャン戦略は、顧客志向であるから、既存顧客を重視すべきだ」という誤解
→ 顧客の想定。既存の顧客からは既存のアイデアのブラッシュアップにとどまるため、周辺、まだ顧客になっていない層に思いを馳せるのが重要。
罠02「ブルー・オーシャンを創造するには、基幹事業以外の分野に進出しなくてはならない」という誤解
→ 戦略なき多角化への戒め。自分の分野、得意なところで価値を見出すのが重要。
罠03「ブルー・オーシャン戦略には、先進テクノロジーが欠かせない」という誤解
罠04「ブルー・オーシャンを創造するには、他社に先駆けるほかない」という誤解
罠05「ブルー・オーシャン戦略は、要するに差別化戦略のことである」という誤解
→ シーズ志向へのアンチテーゼ。技術偏重ではなく価値を考えることが重要。
罠06「ブルー・オーシャン戦略は、低価格を重視する低コスト戦略である」という誤解
罠07「ブルー・オーシャン戦略は、イノベーションと同じである」という誤解
罠08「ブルー・オーシャン戦略は、マーケティングを軸としたニッチ戦略である」という誤解
→ マーケティング志向へのアンチテーゼ。中心は将来の顧客の潜在価値。
罠09「ブルー・オーシャン戦略は、競争が好ましい場合でさえも、悪だとみなす」という誤解
罠10「ブルー・オーシャン戦略は、創造的破壊や非連続的変化と同じである」という誤解
→ 罠09,10はブルー・オーシャン原理主義へのアンチテーゼか。既存市場を壊す、と考えるよりも、既存市場の線を引き直す、補完する、と考えるべき、という話。
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