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循環する暮らしを学ぶ。コンポストのお話会

昨日は、八ヶ岳南麓にあるぐうたら村にて、たいら由以子さんのお話会がありました。たいらさんは、LFCコンポストの代表です。

以前、コンポストについて書いた投稿を貼っておきます。

福岡にお住まいのたいらさん。
非常に説得力があり、広い視野での話も分かりやすく、ご自身で描かれた絵を使ってあたたかなスライド。かと思えば、コンポストの実践面で、細やかな説明やコツ、そして数々の実践を写真を交えて紹介してくださり、何度も聴きたいお話でした。

ほんの一部ですが、こちらは広い視野でのお話です。

都市部など人が多ければ、栄養も集約します。都市部で出る大量の生ゴミを、石油を使って運搬して焼却している現状があります。その栄養を循環させることができたら。ゴミ処理にかけている膨大な費用を、別のことに宛てることができたら。

お話の中で「2km圏内」での栄養循環という話がありました。もとは主婦の生活圏からの着想だそうですが、日本ミツバチの生活圏も2km、スポーツセンターなども2kmごとに点在しているそう。ものごとを自分ゴトとして捉えることができる範囲だそう。人間(動物)と土と植物の健康はつながっていると言います。

都市部の生ゴミを運搬するには運搬費がかかります。ゴミの9割は水分だからです。各家庭でコンポストすることで、栄養を濃縮した上で運搬することができるようになります。ゴミを減らすこともできます。

実際、LFCコンポストで熟成してもらった土を、集めて農家さんに回収してもらう取り組みを、まず福岡で、そして東京で行ったのだそう。1時間かけて持ってきてくださる方もいるのだとか。ゴミを発酵させたものですが、電車で運んでも大丈夫だったとのこと。
私も今日は、熟成中のLFCコンポストバッグを持って行ったのですが、ファスナーさえ閉めておけば、中にいっぱい湧いている虫(←完熟してないほう)や、ニオイも、車内でも全然気になりませんでした。

そして、こちらは実践の説明やコツの一部。

コンポストには、微生物等で分解するタイプには、設置式、ミミズ式、段ボール式、密閉式があり、それと電気式があります。
電気式の中には、乾燥式というものがあるようでこれは堆肥にはなりません。私も東京時代、友人からもらって使っていたことがありますが、量を減らすのには便利でした(電気をかなり使いますが)。ただ、減らしたゴミを庭にまいたりすると、水分を吸って生ごみによみがえるのだそう。笑

よく見かける、バケツをさかさまにしたような形の設置式のものには、コツがあるのだそう。
・毎日の作業がストレスにならないよう、まっすぐに設置する!ふちを掘ってまっすぐに設置したら、中の土もフラットにしておくことがコツだそう。
・足で踏み固めて動かないようにしておくといい。
・シンプルで、蓋がパカパカしないものを。
・130リットル程度のものが扱いやすい。
・切り返しをする。スコップは先が四角ではなくとがったもので、小ぶりなものが使いやすいそうでうs。
・混ぜながら自分が回るとやりやすいので、周りに、自分が立って入れるくらい(30cmほど)の広いところに設置するとよい
・虫よけ+酸素が入るのがポイントになる。Tシャツを帽子型に縫って、入り口にかぶせてから蓋をすると、虫が入りにくくなるのだそう。お天気の日には、蓋を開けて、そのTシャツネットだけにして空気を入れてあげるのもいいのだそう。

ほか、もう少しゆるやかな、落ち葉のコンポストについてのコツや、コンポストの分解の早め方なども、お話いただきました。コンポストは、ゆっくり分解するものと、早いものと、2つ持っておくといいとのことでした。

コンポスト熟成の早め方
・落ち葉は足で踏み固める →圧縮したり傷を作った方が早くなる。
・水をかける
・雨の日はビニールシートで覆っておく。
・上と下を切り返す
・少し栄養のあるものを足す。作った堆肥の一部、木の実などカロリーの高そうなものを足してやるといい。油かすや米ぬかなども。
・小指より太い枝は、リグニン質が多く、すると分解に時間がかかる。こういった枝は、乾燥させて足で踏んで、早めに小さくしておくことがコツ。太いものはコンポストにせずに薪に。
・ビニール袋に入れて口をしめて置いておくだけでも分解が早まる。さらに早めるには、ビニール袋の下に穴をあける。米のとぎ汁などをかけてやると、早まる。そして、時々ポンと蹴って裏返しておくといい。

などなど。
めっちゃ具体的でしょ?
すばらしく分かりやすく、写真を交えながら、木枠のコンポストなどの紹介もありました。

その後のシェアもとても有意義な時間でした!
さすがのあやさんの進行でした。小グループに分かれて、自己紹介→感じたこと→聞いてみたいと思っていた疑問をシェア。小さな疑問は、グループ内で解決するものがいくつかあったり。いいねいいね、とアイデアが膨らんだり。
その後、グループごとに話したことや疑問点をシェアしながら、たいらさんから答えをいただいたり、関連した方がお話したり。
その一部をご紹介すると、

 農薬を使ったものをコンポストに入れたら、それは分解されるの?(誰から出たか分からないゴミからの堆肥を、野菜作りに使っても大丈夫?)
 (なんと、農薬はほとんど分解されるのだとか!びっくりでした。)検査にも出して、バナナの皮をたくさん入れたコンポストがあって、0.0001%?(←ちょっとうろ覚えですが)しか検出されなかったのだそうです。
農薬は微生物が分解できるとのこと。ただし熟成が大事とのことで、農家さんのところに集めた後、追加で熟成させてから使っているのだそうです。
私の感想 水に流せば、農薬はそのまま水を汚染して、汚染したまま海に行ってしまうのに、微生物が分解した後なら無害になるなんて、すごい。人間にとって有害なものでも、それを餌にする微生物がいるなんて驚き。自然は奥深いなぁ。

Q 熟成が終わったと分かるタイミングは?
A 皮やごはんが残っていたらまだ。水と酸素と栄養で決まるのだが、その状態を見て、プラス温度が上がらないことが目安。玉ねぎの皮など、抗酸化作用が強いものは、分解も遅い。玉ねぎの皮は、最後は紫色になって朽ちます。
(とのことでした。私のコンポストを見てもらったら、これ以上置いておいても熟成は進まないだろうな、という、臭いもせず、熱も持っていない状態だったのですが、「これをさらに熟成させるには、水を足せばいい」とのアドバイスもいただきました!)

これだけ素晴らしかったお話会、そしてグループ内シェア、全体へのシェアと質問回答だったのですが、そのあと、みんなで持ち寄ったごはん、そののち、ゴリこと小西貴士さんに教わりながら、実際に手を動かしてのコンポストづくりもありました。
私は途中で帰らざるをえなかったのですが、皆で手を動かすのはとてもいい時間です。

主催してくださった久保田あやさん、たいらさん、そして、ゴリと貴ちゃん、幹事の皆さま、本当にありがとうございました!!!

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