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希望の道



とても せまい

とても とても せまい

世界の中で

白い 白い 箱の中で

私は必死にもがいて そこから脱出する


目の前には果てしない一本の道だけがあった。

そのずっと先には、真っ暗闇で何があるかはわからなかったけれど、

まるで地平線の彼方まで道は続いているかのように思えた。


一本道をずっとずっと歩いた。

永遠かと思うほどに歩いた。

ただ、ひたすらに歩いた。


私、泣いていた。

真っ直ぐ、その暗闇の先だけを見ていた。


どれくらい、歩いたろう。

ふと、空を見上げた。

ふと見上げた空に星が出ていることに気づいた。

月が、出ていることに気づいた。

どうして、今まで気づかなかったのだろう。

信じられないほどの美しい夜空にびっくりする。


私は、そこで初めて足を止めて夜空を仰いだ。

すると、潮の香りがすることに気づいた。

今まで、感じたこともないほど気持ちのいい潮風だった。

なんだか、急に嬉しくなって、胸がザワザワと騒いだ。

私はまた、そこから歩き始めた。


私、笑っていた。

まわりは、あいかわらずの暗闇だったけれど、

なぜだか、

もう私には自分の目指す先が見え始めていた。


そして私は、

歩きながら、

自分が幸せになる為に、

もっともっと必死になって生きてみよう、と思った。



道は、まだ続いていた。









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