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Sustainable Gameの代表を退任します。これからも与えられた使命を貫きます。

6月をもって正式に一般社団法人Sustainable Gameの代表理事を退任します。法人化する前、活動を始めたのが中2の終わり頃なので、約5年間つとめました。後任の代表理事は川村賢人です。本人が就任にあたってブログを書いていますので、こちらからお読みください。

自分にとって大事なものを受け取り、手放し、託すこと。

高校生最後の誕生日前、私は文字通り「18歳定年」のちょっと変わった法人を手放し、託す決断をしました。そして同じタイミングで、次期代表の賢人は「受け取る」決断をしてくれました。

Sustainable Gameとは、未来を担う未成年が社会問題の解決に向けて、ただ声をあげるだけではなく、優しい眼差しを持って、社会にも、経済的にも、責任をもって大胆に社会に踏み込み、共創で持続可能な未来をつくる法人。

今までも、そしてこれからもSustainable Gameは私たちを大切に思ってくださっている多くの方とともに成熟していく事を大事にしていきたいと考えています。仲間はもちろん、皆さんと共にSustainable Gameを次のステップへと歩みを進めるべく、この決断をご共有させてください。

「手放す」

この事業継承を行うことは、法人としてのアイデンティティでもある「サステナビリティ」を洗練していくこと。「未成年が社会からの信用をもとに社会問題解決に向けて自由に共創できる環境をつくる」というミッションを体現するために不可避な選択であり、数年前から考え続けていた計画でした。

「愛を持って社会に突っ込め」という理念に込められている通り、立ち上げ当初から、一人一人が社会問題を持つ時代において、これらの問題の本質的な解決とは「人」が変わることであると信じ、社会問題の当事者の状況を理解しようとする能力を持つ人を増やすことを目指し、また自分自身もその能力を育み続けたいという一心で様々な活動を行なってきました。その代表例が「課題発見DAY」といえるかもしれません。これは街を舞台にフィールドワークをしながら様々な当事者に心を傾け、理解しようとする能力を育むプログラムで、コロナ禍前まで開催をしていました。

年齢や国籍、バックグラウンドに関わらず「自分はこの人のために何ができるのだろう」と実直に相手の耳を傾けながら、その時々に与えられた自分の務めを果たしているような5年間と書けば、かっこよく聞こえるかと思いますが、正直、もうどうしようもなくて泣いちゃった日もありました。あたり前ですが、教科書のサクセスストーリーを真似して成就することが出来るほど容易な社会は存在せず、理不尽さと向き合い、経験や年齢関係なく対等に義務と責任を背負い続ける状況の中で周囲が見えなくなる時もありました。そんな時に必死でぶつかってくれた仲間には感謝しかありません。

いつも仲間に支えられ続けている自分がメンバーのために何が出来るのだろうか。山口由人のSustainable Gameではなくて、メンバー1人1人が作り上げる組織にするにはどうしたら良いのか。なぜチームで行なっているのか。

そんな問いを常に抱えていると、また仲間にガツっと「だからそうなっちゃうんだよ」と怒られ、一緒に悩みながら組織づくりを模索しました。勉強やゲームなど、もちろん一人でやった方が効率が良いことも沢山ありますが、全てがバラバラなメンバーが共にいたからこそ社会に様々な価値を残すことができたのだと思っています。

そして、仲間と紡いだ軌跡は、次第にどんな場所に住んでいても、どんな時でも、「Sustainable Game」が必要だと思った未成年が、私たちを模倣して組織をつくれるようにしたいという想いに変わっていきました。今回の事業継承で賢人が団体を継ぐことが、その証明となり、あらたな未来を切り開く一歩になることを信じています。

「託す」

私は「託す」よりも「受け取る」方が大変だと思っています。何も知らない状態から自分との関係性を構築し、自分を見出す過程はとても悩むと思います。そして「悩み」は手と足の動きを拘束し始め、とりあえずやってみる勇気が生まれて来なくなる時があるように感じます。ただ、賢人なら出来ると思っています。実際、着実に仲間と共に新たな山に登り始めています。

賢人との出会いは偶然で、たまたま彼が青森から上京して東京の高校に通い始めたタイミングで友達に連れられて私の家に遊びにきたことがきっかけでした。突然の出会いからしばしお互いのバックグラウンドや社会について色々と対話をする時間を作る中で、私は直感的に託せるのであれば彼かもしれない、と思い始めていました。

彼の15歳まで青森で過ごし、高校進学のために上京した経験を通して感じた進学の自由や地方と都会の機会格差を痛感する日々を過ごした経験を聞いて、私自身も地方に赴く中で感じていた課題感と通ずることがありました。

また同時にこの活動をしている中で様々なお立場の方とお話しさせていただく機会を頂くことがありますが、そうした機会の中で、私たちは今の未成年にはこのような機会を得たくても情報が得れない人、好奇心をそそられる機会が少ない人、情報にアクセスできても活動をすることを許されない人など、当事者の未成年にも多様性があることを伝える責任を果たすことを大事にしていたことから私は彼に信頼を置きました。

そして、彼は畜産農家の跡取りである事から近年のお肉を食べない動きとの対立に対して問題意識を抱いており、その中で気候変動問題に対応しながら畜産を行うアプローチを模索していたことが私たちの大事にしている「共創」に通じると感じ、私は彼に次期代表になることを考えてみて欲しい、と想いを伝えました。

12月の総会にて賢人は、全メンバーに対して力強いスピーチを行い、信任選挙で98%の支持を得ながら、新しいリーダーシップのカラーでチームをまとめ始めています。リーダーと組織が抱えるであろう短期的な痛みも中長期的には確かな栄養に変えて、さらに力強い組織へと変わっていくことを信じています。ぜひ組織の成長を、Sustainable Gameを今後とも温かく見守っていただけますと嬉しく思います。

最後に

私の今後について気になる方もいるかと思いますが、来年2月まで受験勉強に励みながら、隙間の時間を使って、少しでも自分が高校生である間に、次の世代のためにできることに最後まで時間を使っていきたいと思います。

私は小学4年生の時に、ドイツで電圧変換器の電源を入れなかったことで、日本のゲーム機を黒焦げにしてしまったことがあり、その頃からゲームは一生しないんだろうなと案じていましたが、その数年後には「サステナブル・ゲーム」を5年間も運営することになるなんて不思議なものです。 

私に託してくださり、応援してくださった全ての方へ
ここで培った大切なことを忘れずに、これからも使命を貫きます。皆さんが託してくださったことは私たちの未来に対する希望になりました。
改めまして、本当にありがとうございました。

これから社会をより良くしようと、もがいていく未成年の皆さんへ。
愛を持って社会に突っ込め。誰かを真似しなくて大丈夫、勇気ある一歩目を陰ながら応援しています。もちろん私も、皆さんに負けじと、これまで以上にもがき続ける一年にします。

Youtubeにて、今回の事業継承への思いを賢人と対談する動画も配信しました。よろしければご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=gWb-nD4Tyeg

本件に関するお問い合わせや取材をしていただける素敵な大人の方はこちらのプレスリリースをご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000060524.html


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