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自然公園とフォレスター

昨年の秋、スイスの Thal 自然公園(ゾロトゥルン州)を訪れたときのこと。自然公園では何を目指しているか、どのようなことをやっているのかの解説を担当者から受けたあと、話はフォレスターとの関係に移りました。

フォレスターがここで林業をやりたいと言ってくれば、自然公園の目的とバッティングしないかどうかいろいろ協議をしなければなりませんが、それを乗り越えて様々なプロジェクト(希少種保護や付加価値の高い木材利用など)をフォレスターと一緒にやっているようです。

そこで、林業(フォレスター)との関係は以前から上手くいっていたのですか?と質問してみると、こんな答えが返ってきました。

いつも関係が良かったわけではないです。今の担当者(一昨年着任)は若くて素晴らしいアイデアを持っています。下流の方のもう一人のフォレスターも、イノベーティブ(創造的)な方です。私達は運が良かった。

林業と目的や目標が対立することもあるが、林業の方も変わってきています。今は相反するものではないという認識でいます。

ここは私有林が多いので何かやろうとすると(または何かをやめてほしい時は)森林所有者たちを説得するのにフォレスターとの共同が欠かせないのですが、前任のフォレスターが定年で退職するまでは、なかなか今のようには行きませんでした。

なるほど、じゃあ解決策は世代交代なのかなあ…と私が呟くと、さらにこう諭していただきました。

マインドが開けている年配の人もいるし、頭の硬い若い人もいます。色んな人がいるということを前提に、上から下に押し付けるのではなく、関係する人たちが同じテーブルに着いてもらうためにはどうすればよいか、ということを私はいつも考えてます。

どうしても対立しがちな領域で、わたしたちはどのように臨めばよいのか。そのヒントとなるインタビューでした。

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