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合格の秘訣は重ね塗り

こんにちは、山藤あるとです。

答練は必ず受けましょうというこの記事で、何度も重ね塗りするように勉強しようという話をしました。

今回はここを深掘りしたいと思います。

・勉強をひたすら頑張ってしまう人
・専門学校のカリキュラムに追いつけないと悩んでいる人
など、多くの受験生に最後まで読んでもらえたら嬉しいです。



合格を必然に近づけるのが受験勉強

完璧を諦めることから

上記の記事のおまけでも書きましたが、受験勉強は合格を偶然から必然に近づけていく過程です。

ただ、公認会計士試験では、受験する科目も多く出題範囲も広いため、合格が必然となるほど完璧な状態で受験できるようになることを目指すのは現実的ではありません。

変な言い方ですが、現実的な目標設定は、そういう完璧を目指すことを諦めることから始まります。

色の塗り方でいえば

では、何を完璧にすることを諦めるのか。

例えば、試験が指定された範囲をきちんと色が塗れたかを確かめるものだとしたら、受験勉強はその範囲に色を塗っていくことといえます。

全部をきれいに塗るには時間が足りません。

極端な2択にすると、全部塗るのを諦めるか、きれいに塗るのを諦めるか、です。

私は、きれいに塗るのを諦めました。
とにかくまず全体を薄かろうがかすれようがなんとなくでもいいので塗ります。
そして、時間の許す限りそれを繰り返して重ね塗りし、少しでも全体に色がつくように意識しました。

その結果合格できたと思っています。

重ね塗りがよい理由

合格できなかった頃の私

以前の私は逆でした。

頑張るものの専門学校のカリキュラムについていけず、今年の合格を諦めて来年に向けて勉強を頑張り始めます。

最初は頑張りが続くので最初の方の論点では、受験2〜3回目の頃から答練の成績優秀者に載るくらいではありました。

その感じでその後の論点も勉強しようと頑張るもののだんだんと遅れ始め、いずれは頑張りきれずその年の合格を諦め次の年を目指してまた最初から頑張る。
これを繰り返していました。

さきほどの色塗りの例えでいえば、きれいに塗ろうとひたすら頑張り、きれいに塗ろうとする分遅れ始め、まだ塗れていないところの広さに衝撃を受けてくじけます。
そして次また最初から、すでに塗ったところの塗り直しからひたすら頑張ってしまい、そのうち遅れ始め、くじけます。

誤解を恐れずに言えば、私は頑張り方を間違えていました。

なぜこのやり方ではうまくいかなかったのか。
理由は3つあります。

きれいに塗るのは効率的ではない

1つは、きれいに塗るのは効率が良くないからです。

80点を100点にしようとするのに必要な勉強量と、30点を50点にしようとするのに必要な勉強量では、感覚的にも後者の方が少ないと思います。

同じ点数伸びるのであれば、より勉強量が少なくて済む方を選ぶ方が効率的です。

1か所をきれいに塗る労力を使って、より広い範囲を重ね塗りした方が、全体として色が付いていくイメージです。

極端に言えば、端からきれいに塗っていくのは、すべての答練で成績優秀者に名前を載せようとする頑張り方です。

ですが、ほとんどの答練で成績優秀者に名前を載せることができなくても合格した人はいます。

これに対し重ね塗りは、すべての答練で復習も含めて繰り返すたびに前回よりは点を取ろうとする頑張り方です。

成績優秀者に名前を載せ続けようとする難易度を考えると、きれいに塗るのは効率的ではないとイメージしやすいのではないでしょうか。

そう考えると、頑張った分点数に繋がりやすいのは重ね塗りです。

メンテナンスしやすいのは重ね塗り

2つ目は、きれいに塗るのはメンテナンスも大変だからです。

試験としては、あくまで評価時点での色の付き具合でチェックされるので、一度きれいに塗ったからといってそれでよいというわけではありません。

時間経過とともに覚えたこともあいまいになったりすることを踏まえると、どこかでまた塗り直す必要が出てきます。

塗り直しが必要になるほど劣化したことに気付いてからやるので、それだけ間も空いていますし、その分塗り直し自体も大変です。
その時にまたきれいに塗っていたら、時間がいくらあっても足りません。

この点、重ね塗りのイメージであれば、日々の勉強がメンテナンスも兼ねます。
全体の状態が、最後に重ね塗りした時にメンテナンス済みのようなイメージです。

理想としては、忘れる前に次の重ね塗りができればよいですが、そこまで高回転ではなかったとしても、大きく劣化が進む前に塗り直しができれば、メンテナンスの大変さも相対的に少ないです。

そう考えると、試験当日にメンテナンスが行き届いた状態で受験できるのは重ね塗りです。

足切りを避けるのが先

3つ目は、公認会計士試験には足切りがあるため、一部の科目でもそれに引っかかると合格できないからです。

極端なモデルケースで考えてみます。

きれいに塗る:全体の半分は100%OKがもらえるが、残りは塗れていないのでOKがもらえない。
重ね塗り:全体はまんべんなく塗れているが、ムラもありOKがもらえるかは半々(50%)。

確率論的には、両者ともに合格率50%ですが、きれいに塗る方は、どこをチェックされるかという、受験生ではコントロールできない部分の影響が残ります。

公認会計士試験では、7科目勉強します。
(論文式試験で数えても5科目あります)

もし、上記の状態が科目別にあるとしたら、足切りがある公認会計士試験では、きれいに塗る方法ではすべての科目で解答できる論点が出題されない限り合格できない、ということになります。

すなわち、科目ごとに解答できる論点が出題される可能性が50%だとすると、すべての科目で同時に解答できる論点が出題される可能性は、2分の1の7乗(もしくは5乗)ということになり、その確率(=合格率)は約0.8%です(5乗だったとしても約3%)。

一方重ね塗りは、どんな論点が出題されたとしても合格率は50%です。科目別の状況でも、そもそも出題される問題に影響を受けないので、やはり合格率は50%と考えられます。

そう考えると、足切りを避ける可能性が高いのは重ね塗りです。

(簡略化したモデルでの計算のため、実際にはここまで合格率に差はないとは思いますが、それでもできるところとできないところに差がある、というのは足切りリスクは高いです)

まとめ

・きれいに塗るより重ね塗りの方が合格に近づく
 きれいに塗るように頑張るとくじけやすい(経験談)。

・高得点より平均点を取る方が労力は少ない
 同じ労力ならより点数が増える重ね塗りがよい。

・なるべく間を空けずメンテナンスした方がよい
 何度も繰り返す重ね塗りはメンテナンス性も高い。

・足切りになる可能性は低い方がよい
 どんな問題が出題されるかは受験生にコントロールできない。
 コントロールできない要素の影響を受けにくい重ね塗りがよい。

部分的にでもきれいに塗れたところがあると充実感があります。
それだけにその方向で頑張ってしまいやすいですが、上記の通り、頑張ってる割にあまり合格に近づけていない可能性があります。

より合格に近づける重ね塗りのイメージで勉強することをオススメします。

(おまけ)

きれいに塗りたくなるのは、義務教育でのこれまでの勉強の影響なのではと思っています。
高得点を取ることが高評価であり合格だったイメージが抜けていないから、どの答練でも高得点を目指してしまいがちなのではないでしょうか。

公認会計士試験では、受験生をふるいにかけるためにそもそも高得点が難しいような難易度・ボリュームの問題が出ます。
それなのに、高得点を目指して勉強することで疲弊してしまうのではないか、と今になって思います。

足切りがあることからしても、高得点を取れることがある人よりも低得点を取らない人が求められている、といえるかもしれません。


最後までお読みいただきありがとうございます。

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