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もうもう 〜 眠れない夜のために

牛模様の牛がもうもうと土煙を上げて突進してくるのだ。そこで私はメンソレータムを武器に迎え撃つ。牛だってメンソレータムを黒い鼻づらに塗り付けられるのは嫌なのだ。ましてや目の周りになんて塗られた日には、それはもう牛悶絶、ぎゅうの音も出なければ牛乳も出ない。そもそもあの牛模様の牛が乳牛かどうかすら私にはわからない。それほど乏しい情報の中で、わけのわからない牛模様の牛の突進に立ち向かわねばならぬのだ。

鼻水やらよだれやらでドロドロの牛の鼻面に触ることを考えると足がすくむ。それ以前にあの突進してくる牛の鼻面になんて触ることが可能なのだろうか。メンソレータムをすくった指先で、牛の目の周りをさっと撫でるなんてことが可能なのだろうか。

牛はウシシと笑いながら去っていった。

それからまた羊がぴょこぴょこやってきて一頭一頭順番に柵を飛び越えてゆく。羊が1匹、羊が2匹…羊が99匹

牛模様の牛がもうもうと土煙を上げて突進してくるのだ。そこで私はメンソレータムを武器に迎え撃つ。

100匹目の目印は牛模様の牛って、眠りをつかさどる神様が決めたらしいよ。どうやらそうらしい。もうもう

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