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【歴史に学ぶ防災】努力の仕方

むかし、むかし、貞観という時代が日本にありました。
この時代に、大きな地震の記録が残っています。
今から1100年前の出来事です。((859~877年)

生きる地球、動く地表

2021年2月13日の午後11時7分。
僕の携帯の緊急地震速報のチャイムがなりました。
福島県沖を震源とする震度6強の地震です。
TVの番組がニュースに差し替わり、地震を伝え始めています。
僕は慌てて枕もとの携帯を握り、一呼吸してから、千葉にいる息子の携帯を鳴らしました。

息子はすぐに出てくれました。
「おやじ、早い反応やな。今も揺れてるなぁ」と冷静な声です。
「大丈夫か?家具とか倒れていない?」と、私が問いかけると
「その心配はないよ、もう揺れは止まったみたいや」
「それはよかった。でも津波がくるかもしれんから、逃げる準備せんとあかんで」
僕がそういった数分後に、津波の心配はないとTVが速報で伝えます。
やっと胸のドキドキが緩やかになり始めました。
不安な気持ちが消えていきます。
「もう、大丈夫みたいやな。又揺れるかもしれんから気ぃつけてな」
と僕が言うと
「わかった。心配してくれてありがとう。じゃ、また電話するから」
スマホ画面に表示されていた息子の名前が消えました。

この地震について、気象庁は10年前に起こった東日本大震災の余震であると発表しました。
まだ、あの大震災は終わっていなかったのです。
地球は生きていて、地殻は動いているのです。

津波は1000年の時を超えて

 東日本大震災が引き起こした大きな津波は、関東の電源を担う福島第1原発を飲み込みました。
それなりの津波対策が施されたていましたが、防潮堤を凌ぐ津波は、原発建屋を浸水させました。
原子炉を冷却するポンプを動かす補助電源エンジンは水没し、原発は電源を失いました。
再起動もできず、炉心温度は上がり続け、最悪の事態に直面することとなりました。
この津波を政府と東電は想定外と言っています。
しかし、歴史は、貞観時代に東日本大震災と同規模の津波が原発付近を襲ったと伝えています。
政府と東電は、貞観地震を認知していました。
なのに、1000年に一度の地震と見過ごしていたのでしょうか?
そして、1000年に一度の地震が起きたのです。

貞観という時代

この貞観という時代のルーツは、中国唐代の太宗の治世に使われた元号です。(627年 - 649年)
日本は、この時代のすばらしい統治をイメージしてこの元号を真似たのでしょうか。
それとも、時代の節目として選んだのでしょうか。
貞観地震と時代の交代を僕の中で結びつけたは、出口治明さんの著書「貞観政要」です。
いつも傍らにあります。
ふと気がつくと本を開いて、お気に入りの文字を追っています。
大切な愛読書です。

再びの緊急事態宣言と希望の狭間で

危機管理能力、危機対応能力の低さが際だった、菅直人政府。
国民の命を優先せず、メンツを保つ事を優先した原発事故の対応だったと、僕は思っています。
この10年を思い返してください。
どれほどの人が、この対応に合格点をつけるのでしょうか?

震災直後「緊急事態宣言」はメルトダウンを伏せたままに発せられました。
いまだ41,000人の方々が故郷に戻れず、原発被害は続いています。
あの「緊急事態宣言」から10年。
ダイヤモンドプリンセスから始まった新型コロナ対応に直面した安倍政権は、感染拡大を食い止める為に、
「緊急事態宣言」を福島から9年目の春に発出しました。
この初期対応に10年後の時代はどう評価を下すのでしょうか。
この一大事の最中、安倍首相が体調不良から退きました。
菅義偉政権が発足し、またしても「緊急事態宣言」が発出されています。
首相が代わっても、希望の灯台は灯りを失ったままです。
世界も同じような状況が続いています。
僕は今、日本のリーダーの強くて明確な言葉を待ち望んでいます。
日本の未来は、絶対に政治の在り方で決まるのです。

政治家の「存在理由」とは

自然災害が、時代の幕引きの引き金となることがあります。
今がその時なのかも知れません。
コロナ対策を考えるはずの国会は、夜遊び議員の問題や、企業との癒着問題で盛り上がっています。
それは、それで、追求すべきことではあります。
ただ、罵り合いは時間の浪費だと思います。
潔く、政治家として襟を正して、このスキャンダルを解決し、
逼迫する国民の生活に手を差し伸べる方法に智慧を絞って欲しいのです。
今回の「緊急事態宣言」は、厳しさが色褪せていまい、決定打となっていません。
平時との境界線がぼやけてしまい、第4波の襲来を予感させます。。
本当に、このままでいいのでしょうか?
第4波は確実に迫ってきています。
私はこの10年、政府の存在理由を問い続け、その答えにたどりつけないままです。


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