あなたは何種類の読書会を知っていますか?
読書会の種類は、実はたくさんある。
ひとえに読書会といっても、いろんな種類の読書会があります。
だから、読書会コミニティーもたくさんありますが、それぞれコミニティーによって開催されている読書会のルールも異なってきます。
というわけで、この記事では読書会の種類の説明と、『図書館のネズミ』では、どういう種類の読書会を扱っているのかを紹介していきます。
単発で終わるものと、複数回行うもの
『図書館のネズミ』では、読書会のカテゴリーを大きく2つに、単発で終わるものと、複数回行うもので、分けました。
これは参加する側もちろんなんですが、どちらかというと開催する側からみて、複数回行う読書会の開催はあきらかに難易度が高い、ということで、最初に分けました。
1、単発読書会
一回で終わる読書会のこと。 手軽だし、いろんな本を取り扱うことができるし、実験的な読書会も、お試し感覚で開いたりできます。
読書会初心者はまず参加するのも、開催するのも、単発読書会がおすすめです。
2、定期読書会
定期的に行う読書会や、輪読会のように複数回行う読書会のこと。
難しい本、長い本、深掘りしたい本や、テーマを扱うのに向いています。
ただし、読書に限らずですが、何事も継続は難しいものです。
開催者に何か事情があって続けられなくなることもあるし、開催者に問題がなくても、参加者がこれなくなったり、長く続けるほどトラブルはつきものになります。
しかし、その分、単発読書会では得られないような、深い学びや、経験を積むことができるので、ある程度、慣れてきたり、毎回参加してくれそうな意欲的な仲間をみつけたら、ぜひやってほしい読書会です。
読書会の5タイプ
さらにオーソドックスな5タイプの読書会を紹介します。
ただ、単純に5タイプで分けられる、というものではなく、多くの読書会は、この5タイプを組み合わせたり、アレンジしたりして構成されています。
1、課題本型
事前に決めた課題図書を、読書会の日までに参加者が読み、当日はその本について話し合う読書会です。
『読書会』というと、まっさくに思い浮かべるのが、このタイプの読書会ではないかと思います。
締切ができるので、読破率があがり、いろんな人の感想を聞くことで、異なる視点から多角的に本を知れたりと、いいことだらけです。
2、紹介型
自分の好きな本とか、今月読んだ中で印象的だった本とか、参加者が本を紹介するタイプの読書会です。
自己紹介的な側面があるので、参加者同士で仲良くなったりするのに向いています。
課題本型のように、期日までに本を読んでおく必要もないから、準備をあまり必要とせず、手軽にできます。
これをアレンジして、競技性を付け足すと『ビブリオバトル』になったりもします。
3、読書型
決まった時間に集まって、黙々と本を読む、読書時間を共有するタイプの読書会です。
準備がまったく必要なく、本を一冊も読んだことがない人でも参加できます。
読書の習慣作りに良いです。
また話し込んだりすることはないですが、簡単な顔合わせになるので、初心者向きだと思います。
読書会以外だと、もくもく会とか、グループ瞑想といったコミュニティと似てます。
4、ジャンル型
『ミステリー』とか『西洋古典』といったジャンル、あるいは『フェミニズム』とか『動物愛護』といったテーマ、または『村上春樹』とか『アリストテレス』といった作家など、特定のテーマに絞って読書会をやることを『ジャンル型読書会と呼びます。
SF小説は星新一を3冊だけ読んだ人という人のSF解説よりも、ウェルズ、ハインライン、クラーク、アシモフ、ディックなどSF小説を100冊読んだ人のSF解説のほうが充実しているだろうし、
一人の作家についても、一作だけではピンとこなくとも、複数タイトルを読むことで、その作家の理解が深まってより好きになったり、面白く感じることもあります。
数は力です。筋肉もトレーニング回数によって育つように、知も読書数によって育ちます。ジャンル型読書会は特定ジャンルの専門家になるのに向いた読書会です。
5、輪読型
輪読も色々なやり方がありますが、基本は一章ごとに担当を決めて、担当者が発表して、他の参加者が質問していくタイプの読書会です。
他の読書会が、みんなで感想を言い合う『アウトプット』に比重を置いているのに対し、輪読はみんなで協力して一冊の本を理解する『インプット』に比重をおいた読書会になっています。
学校の授業でよく扱われている読書形式で、一人では太刀打ちできないような難しい本に向いていますし、そもそも背景の解説なしでは理解できない古典などに向いています。
輪読のアレンジはたくさんあり、短い本だったら一段落ずつ読み上げていく音読を交えたものや、各章の分担を決めて一斉に要約をはじめ、そのあとみんなで要約を共有するタイプもあります。
読書会の種類を確認しなかったせいで起きた悲劇
これは『図書館のネズミ』を作る数ヶ月前に、実際に起きた事件です。
ある日、若い知人に「佐藤さんって読書好きですよね。哲学系の読書会を開いてくれませんか?」と言われました。
わたしはプラトンが大好きなので、「哲学といえばプラトン、つまりプラトンの読書会ができる!! やったーーー!!!」と大喜びして、光の速さで、プラトンの中から読みやすい作品を選び、会場を用意し、他にも参加してくれそうな人を口説き落とし、日程を調整をし、すべての準備を終え、読書会の当日をワクワクして待ってました。
読書会の前日に、その知人から連絡がありました。
「『哲学系の読書会』って、哲学カフェみたいに自分の好きな本を紹介するものだと思っていました。プラトンの読書会だと想像と違うので参加は遠慮させていただきます」
最初にいったように、ひとえに読書会といっても、たくさんの種類があります。
どうやら知人の想像していた『哲学系』とは『哲学カフェ形式』のことであり、読書会でいえば『単一型』で『紹介型』のカジュアルなものになります。
たぶん、コーヒーを飲みながら知的な会話を楽しむ小粋なティーパーティー🫖みたいなものを想像していたはずです。
対して、わたしが『哲学系』で想起したのは紀元前4世紀の古代ギリシアの哲学者が残した古文書であり、そういった難解で奥深い本を読むのに適しているのは『定期型』で『輪読型』の一択です。
つまり、わたしは紀元前4世紀に書かれた古文書を回し読みする怪しい会合をセッティングしていたのです。
2つとも読書会には違いないですが、実際は似てるところを探すほうが難しいくらい別物です。これは遠慮されても仕方ないのです。
よっぽど、⚪︎ろしてやろうかと思いましたが、読書会も哲学も、人にとって想像するものも違うし、最初にちゃんと確認しなかったのがよくなかったなと良い反省になりました。
『図書館のネズミ』はあらゆる種類の読書会ができる読書会サーバー
以上の反省を踏まえて、どういった読書会を行うかを、最初に明確にするべきだと強く感じました。
また人が「読書会をやりたい、参加したい」というとき、無限とも思える振れ幅があることも体感しました。
そこで『図書館のネズミ』では、読書会のルールは、開催者が決めて、事前に告知しておく、というルールを作りました。
以下のテンプレートを使って、フォーラムに投稿してくれれば、それで準備オッケーです。
——読書会テンプレート——
【読む本】本のタイトル、ジャンル、自由など
【タイプ】読書型、課題型、ジャンル型、輪読型など
【開催日時】事前に希望日を聞いておくと決めやすい
【募集人数】開催するにあたり最低限の人数と最高人数。
【記録の有無】主催者が録音するかどうか。録音禁止でも良い。
【説明】企画の趣旨とか、熱い想いとか、読書のコツなど
【タイムテーブル】作っておくと、開催するときに楽です。
【その他】その他、何か注意事項などあれば
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このテンプレートを使ってから、読書会を行えば、わたしのような不幸は起きないと思います。
あのとき、あの選択をしたからこそできたテンプレートです。
現状はまだあまりサーバーに人がいないので、読書型と、課題型しかないですが、人がいっぱい増えてくれれば、増えた人の数だけ多彩な読書会が楽しめるようになるはずです。
というわけで、皆様のご参加をお待ちしております。
招待URLはこちら↓
以上、読書会の種類の解説と紹介でした。
あなたは何種類の読書会を知っていましたか?
他にももっとおもしろい読書会の種類を知ってる人がいたら、ぜひサーバーに入って紹介してみてください。みんな喜ぶと思います。
ではでは、良い読書を。
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